【中小企業のマイナンバー・「年末調整」はどうする?】

2015年10月5日から、日本の住民票を有する個人にマイナンバーの通知カードの送付。従業員へのマイナンバー制度で行なうことは源泉徴収税関連業務です。年末調整関連の業務は?そのまとめです。

マイナンバー業務と年末調整手続き

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マイナンバー制度が導入されると、あらゆる業務の仕組みが変わってきます。その一つに年末調整や源泉徴収などの業務です。
社員の家族までマイナンバー番号を把握する事も必要になり、マイナンバー制度が導入される当初は色々問題も出てくるのではないかと言われています。
では、年末調整や源泉徴収票は・・・その業務を調べてみました。
平成28年1月よりマイナンバー制度が開始されます。
 
この制度が開始されると、会社は従業員やその扶養家族の個人番号を取得し、給与所得の源泉徴収票に記載して、行政機関に提出することになります。また、証券会社や保険会社が作成する支払調書、あるいは原稿料の支払調書などにもマイナンバーを記載する必要があります。
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従業員から個人番号を取得するタイミングですが、今のところ、個人番号を記載した法定調書などを行政機関などに提出するときまでに取得すれば良いようです。
 
そのため、必ずしも平成28年1月のマイナンバーの利用開始に合わせて従業員の個人番号を取得する必要はありません。従業員に対する給与であれば、平成28年1月の給与支払いから適用され、平成29年1月末までに提出する源泉徴収票からマイナンバーを記載すれば良いことになります。
 
ただし、たとえば平成27年中に退職しても、締め日の関係で平成28年になってから給与の支払いがある場合は、マイナンバーを記載した源泉徴収票を作成することになりそうです。そのため、早い会社では、平成27年12月以降の退職者については、退職時までに個人番号を確認しておかなければなりません
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年末調整手続

年末調整とは、給与所得者に対して事業者が支払った1年間(1月~12月)の給与・賃金及び源泉徴収した所得税について、原則として12月の最終支払日に再計算を行い、所得税の過不足を調整する手続です。

事業者は、役員又は使用人に対して給与を支払う際に所得税の源泉徴収を行いますが、その年に源泉徴収をした所得税の合計額は、必ずしもその人が1年間に納めるべき税額とはならないため、年末調整手続により、1年間に源泉徴収をした所得税の合計額と1年間に納めるべき所得税額を一致させます。

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「今年の年末調整」でマイナンバーの取り扱いは?

従業員からのマイナンバーの収集は今年(2015年)行うとして、「今年(2015年)の年末調整(平成27年分の給与所得に関する年末調整)」で、このマイナンバーを使用することはあるのでしょうか。

中小企業が2016年1月に税務署に提出することになる源泉徴収票や支払調書など法定調書、市町村に提出することになる給与支払報告書などの様式には、個人番号欄は設けられる予定はありません。これらの書類にはマイナンバーは使いません。

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一方、今年(2015年)の年末調整で使用する帳票で個人番号欄が用意される帳票は「平成28年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」(以下「扶養控除等申告書」)と「平成28年分給与所得者の保険料控除申告書 兼 給与所得者の配偶者特別控除申告書」です。
Q4-1-1 民間事業者もマイナンバー(個人番号)を取り扱うのですか?

A4-1-1 民間事業者でも、従業員やその扶養家族のマイナンバーを取得し、給与所得の源泉徴収票や社会保険の被保険者資格取得届などに記載して、行政機関などに提出する必要があります。また、証券会社や保険会社が作成する支払調書、原稿料の支払調書などにもマイナンバーを記載する必要があります。(2014年6月回答)

Q4-2-1 従業員などのマイナンバー(個人番号)は、いつまでに取得する必要がありますか?

A4-2-1 従業員にマイナンバーが通知されて以降マイナンバーの取得は可能ですが、マイナンバーを記載した法定調書などを行政機関などに提出する時までに取得すればよく、必ずしも平成28年1月のマイナンバーの利用開始に合わせて取得する必要はありません。例えば、給与所得の源泉徴収票であれば、平成28年1月の給与支払いから適用され、中途退職者を除き、平成29年1月末までに提出する源泉徴収票からマイナンバーを記載する必要があります。(2015年4月回答)

マイナンバー制度は、詳細がまだ見えていない部分も多いのですが、平成28年1月に開始されることはすでに決定しています。

導入当初は従業員と扶養家族全員の個人番号を取得しなければならず、担当者には相当の負荷がかかることになりそうです。間際になって混乱することのないように、年末調整がひと段落した今のうちから情報収集を始めたほうが良いでしょう。

年末調整では、本人と扶養家族のマイナンバーも必要!

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平成28年1月に在職している従業員が年末まで働いているとは限りません。1月や2月の間に退職し、その後、会社からは連絡が取れない状態になってしまったらどうなるでしょうか。平成29年1月に源泉徴収票や給与支払報告書を作成する際に困るに違いありません。平成27年の年末調整時に提出してもらう平成28年分扶養控除等申告書にマイナンバーを記入してもらわないといけないのです。
通知されるマイナンバーについては、税や社会保障の手続き上、記載が必要になる場合が多々あります。典型例としては、年末調整の時期に、会社に提出する扶養控除等申告書があります。平成28年1月からは、扶養控除等申告書を提出する場合、(1)自分のマイナンバーはもちろん、(2)扶養対象となる親族のマイナンバーも記載する必要があります。

その他、毎年会社からもらう源泉徴収票の様式も大きく変わる予定です。詳細は国税庁のホームページをご参照ください。

扶養家族等のマイナンバーは、年末調整をしない限り記入は不要なので、平成28年末に在職している従業員だけの問題かもしれません。
しかし、少なくとも従業員本人のマイナンバーは、把握しておかないと困ることになります。さらに家庭での管理や保管が良くない従業員もいないとは限りません。平成28年末、すなわちマイナンバーの通知から1年経った段階では、通知カードを紛失しているという従業員もいないとは限りません。従業員の中には、故郷のご両親を扶養している人もいるでしょう。高齢のご両親のマイナンバー、1年後に把握できるのでしょうか。

新たにマイナンバーが必要になる書類とは?

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年末調整には4つの書類が必要です。

■給与所得者の扶養控除等(異動)申告書

■配偶者特別控除申告書

■保険料控除申告書

■住宅借入金等特別控除申告書

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