マイナンバーのメリットを生かした海外のビジネス事例を紹介します。

マイナンバーと同様の意味を持つ「国民総背番号制度」を早くも導入している海外では、この制度をビジネスに活用することは、もはや当たり前のようだそうです。日本でもこれが定着するといいですね。

スウェーデンの個人識別番号

マイナンバーと言えば、スウェーデンの個人番号制(Personal Identification Number:PIN)がつとに有名。

まず、PINは10桁の数字から成っており、最初の6桁が生年月日、ハイフンの後の3桁は生誕番号と呼ばれており、男性が奇数で女性が偶数、最後の1桁はチェック・ディジェットと呼ばれている。同じ誕生日の人に任意の4桁を割り振るので、ごく簡単にどこにも同一番号がないPINを作ることができる。

この他、注目すべきスウェーデン独自のシステムに、SPAR(Swedish Population and Address Register) がある。SPARは、国税庁所管の独立性の高い機関で、広く社会に対して、住民の正しい情報と住所情報を提供することを目的としている。例えばSPARから情報を得た民間企業が、子どもの生まれた親におむつの広告を送ることができるのである。
もちろん、民間企業からの要請を受けた場合、情報提供を行うか否かについては、SPAR委員会が厳格な審査を行った上で決定しており、また、自分で情報が使われるのが嫌な人はオプトアウト(拒否の選択)ができるが、スウェーデンではオプトアウトは人口の1.4%程度に過ぎず、SPARは一般には便利なサービスとして認識されているようだ。
多くの民間企業が情報提供を要請していることは、言うまでもありません。

情報量が多いか少ないかで、ビジネスは大きく変わっていきます。

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米国版のマイナンバー、「社会保険番号(SSN)」。

クレジットカードとは異なり、カード自体の提示を求められることはほぼ皆無(私はこれまで一度もない)。番号を書類に記入するか、口頭で伝えるかどちらかで済む。あまりによく使うので、自分の番号は覚えてしまうのが普通だ。セキュリティーの関係で「最後の4ケタだけ」を要求されることも多い。番号を利用しようとする団体は、この番号をキーとして社会保険庁に照合するシステムを使って、本人が記入した内容に間違いがないかどうかを確認する。
運転免許証のようにSSNカード自体が「身分証明」の役割を果たすのでもない。その一層下にある「本人確認」に使われるだけだ。

 すなわち米国のSSNは、生活の中では日本の「戸籍」に該当する役割を果たしている。こう考えると、分かりやすい。

アメリカの民間企業では、SSNを主にクレジットカードや住宅ローン等の信用情報として利用しているそうです。
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韓国では「住民登録番号」を導入

韓国では住民登録番号が、日本のマイナンバーにあたるものです。日本と違うのは、両国とも民間企業がビジネスに利用している点。例えば韓国のレンタルビデオ店では、“会員番号=住民登録番号”というケースがほとんどです。レンタルビデオ店が返却していない人をブラックリスト化しておけば、住所・氏名変更後に再入会しようとしても判別できますから非常に便利ですよね。韓国では大学の学籍番号も住民登録番号ですから、日本で問題になっている奨学金の回収も容易くできるでしょうね」
「韓国ではレンタルビデオ店だけでなく、オークションサイトのIDが住民登録番号だったり、インターネットの掲示板に書き込みをする際にも住民登録番号を入れなくてはならないケースがほとんどです。商品を購入した人の性別・年齢・居住地などを正確に知ることができるわけですから、消費動向分析といったマーケティングに役立つだけでなく、ターゲットにぴったり沿った広告を打つことができるでしょうね。これは非常に効果的です。日本で同じことができたらサイトの広告料がぐんと上がるでしょう」
広告業界は大注目の記事だと思います。

日本での、マイナンバー民間利用が待たれるところです。

 (22025)

カードビジネスの問題点

カードビジネスとの関係
本人確認と与信、不正行為などに係わってきます。
特に重要なのは「名寄せ」でしょう。
現在、信用情報センターに登録される情報の中に、「運転免許証番号や本人確認書類に記載されている本人を特定するに足りる記号番号」がありますが、厳密に言えば、いずれも個人を特定することには繋がりません。
なぜなら、婚姻や養子縁組などにより追跡が困難になるからです。
 それは、複数の番号体系がありそれが接続されていないという状態は、複数番号の数だけ「個人」が発生することにつながるからです。
また、共通番号の制定については税務、社会保障などの目的外利用が制限されることになりますから、カードビジネスに共有番号による本人確認を求めることは事実上不可能といえるでしょう。

したがって、業界全体として、会員管理と加盟店管理(経営者、構成員、従業員)を行う場合、免許証番号と基礎年金番号を名寄せするなど、業界としての与信データ集積化が必要になると同時に、与信の必須項目とするなどの施策が必要になってくるでしょう。

業界全体の協力が、不正や犯罪を防ぐことにつながるのですね。

日本でもマイナンバー制度導入をきっかけに、協力が強化されることを期待します。

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政府サイトのアンサー。企業が罰則を受けないためには?

Q1040.マイナンバー制度では厳しい罰則規定が設けられていると聞きました。そのような罰則を受けないために、事業者が注意すべきことを教えてください。

A.マイナンバー制度は、パートやアルバイトを含む従業員を雇用するすべての民間事業者が対象となっており、また、違法な取扱いを行った場合には、厳しい罰則が設けられています。
国はマイナンバーの適正な取扱いを確保するために、最低限守るべき事項や具体例を記述したガイドラインを公表しており、ガイドラインにしたがって業務を行うことが、推奨されます。

マイナンバーの利用範囲が拡大するにつれて、犯罪もそれなりに増えていくと思います。

民間企業がうっかりミスで罰則を受けないためにも、政府のガイドラインを逐一チェックすることが必要です。

 (22031)