マイナンバー提出拒否への対応方法とは

従業員の中には、マイナンバーの提出を拒否する方がたまにいるかもしれません。その場合、会社側はどう対応すればいいのか御紹介します。

従業員が、マイナンバー提出拒否する理由とは?

マイナンバーへの不安感

しかし、このマイナンバー制度。ネット上での声にも見られるように、国民の間で理解が進んでいるとは言い難い。内閣府が今年7~8月に実施した調査でも、回答者のうち34.5%もの人が「個人情報漏えい、プライバシー侵害」 を不安視。また、「国に個人情報が一元管理され、監視、監督される」と心配する人も14.4%に上った。

 マイナンバーについては、「国民にメリットは少なく、国民から税金を取りやすくするなど、役人が得をするための制度」との声も根強い。制度の発足に伴って巨額の利権が生まれている。実際に10月13日には、マイナンバーに関する公共事業の発注に伴い、厚生労働省の職員がIT業者から100万円の賄賂を受け取っていたとして警視庁から逮捕される汚職事件も発生。人々のマイナンバーを見る目は厳しさを増している

マイナンバー提出拒否の主な理由は、個人情報流出に対する不安感によるものがほとんどです。
いつの間にか知らないうちに始まってしまったマイナンバー制度について、詳しい知識がある社員はあまりいません。マイナンバー制度の実態がどういうものなのかがわからず、提出を拒否してしまう人も出てくることが考えられます。

不安を解消するための説明が必要

「マイナンバー制度がどういうものか分からないが、漠然と不安である」
「最近、個人情報の流出が多くて不安だ」
「自分の勤め先のマイナンバーの管理がどうなっているか分からない」
国の機関においてでさえ、情報漏えいが生じてしまう昨今、非常に重要な情報であるマイナンバーに対して不安が先行するのは、当然のことです。

こうした不安が生じる原因の多くは、情報不足に原因を求めることができます。
特に、自らの就業先での安全管理措置の状況が判らないから不安である、という場合は、事業者・団体において、きちんとした体制を整え、理解を求めていく他ありません。
また、外部の人間である取引先や、内部ではあっても実務には関わってこない株主にとっては、事業者・団体においてどのようにマイナンバーの安全管理を行っているのかについて、情報がない状態が普通です。

まずは、不安感からマイナンバーの提出拒否をしないように、説明をしっかりしておきましょう。

 (44720)

特別な理由により自分のマイナンバーを提出したくないという人もいる

「居場所がばれるかも…」。夫の暴力が原因で神奈川県内の自宅を飛び出し、現在別居中の30代の女性は、マイナンバー制度で個人情報を管理されることに不安を感じるという。
個人番号の通知カードは原則として住民登録がある場所に簡易書留で送付される。総務省は「やむを得ない理由」により住所地でカードを受け取ることができない人に居所情報を登録するよう求めている。申請登録は今月25日までなので注意が必要だ。

 対象は、(1)東日本大震災による被災者で住所地以外の居所に避難している人(2)ドメスティックバイオレンス、ストーカー行為、児童虐待などの被害者で住所地以外に避難している人(3)1人暮らしで長期間、医療機関・施設などに入院・入所している人。

特別な理由のある人、とくにDVやストーカー被害、虐待を受けていたため親族に居場所が知られるとまずい人などは、マイナンバーから情報が漏れてしまわないかと神経が過敏になっているかもしれません。
そういった正当な理由があって提出を拒否される場合があります。

マイナンバー提出拒否は容認していいの?

 (44800)

Q 申告書等を税務署等に提出する際、個人番号・法人番号の記載がない場合や誤りがある場合に罰則の適用はあるのですか。

(答)申告書や法定調書等の税務関係書類を税務署等に提出する際に、個人番号・法人番号を記載しなかった場合や誤りがあった場合の罰則規定は、税法上設けられておりません…
これは税制上の記載ですが、書類にマイナンバーを記載しなくても今のところ特に罰則はありません。他のサイトでもいくつか確認してみましたが、会社へのマイナンバー提出・通知は強制ではなく、拒否による罰則もない。とのことでした。

ただ、会社によっては就労規則などで罰則を定めているケースもあります

マイナンバーを拒否した人への法的な罰則はありません。

しかし会社側としては提出を拒否されてしまうと業務上負担が大きくなります。

そのため、会社就労規則での罰則を定めるのも認められています。

会社はどう対応すればよいのか??

1 従業員が個人番号の提供を拒んだ場合の一般的な対応
 平成28年(2016年)1月から、「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」(以下「マイナンバー法」といいます。)に基づく税・社会保障・防災の分野で利用が開始します。
従業員が、自らの思想信条等に基づき、従業員本人または扶養家族の個人番号の提供や本人確認を拒んだ場合、事業者としてどのように対応すべきでしょうか?
まずは従業員を説得することを考えなければなりません。そのためには、会社が個人情報をどのように管理しているか、マイナンバーがどんな場合に限り利用されているのかを説明するのが得策だと言えます。
Q4-2-5 税や社会保障の関係書類へのマイナンバー(個人番号)の記載にあたり、事業者は従業員等からマイナンバーを取得する必要がありますが、その際、従業員等がマイナンバーの提供を拒んだ場合、どうすればいいですか?
A4-2-5 社会保障や税の決められた書類にマイナンバーを記載することは、法令で定められた義務であることを周知し、提供を求めてください。それでも提供を受けられないときは、書類の提出先の機関の指示に従ってください。

セキュリティーに関して、しっかりと情報提供をしておく

セキュリティーが安全であることを周知すれば提供してくれるかも。

そもそも、マイナンバーの運用については、とても高いセキュリティが求められています。役所を通じて個人情報が勤務先に知られるようなことはありません。

ただ、それでも心配な場合は、マイナンバーの情報提供を副業の先において拒否するという手がないことはありません。マイナンバーの情報提供は義務付けられていますが、拒否したとしても罰則がないからです。

では一方で、拒否された事業者側はどうなるのでしょう。国税庁HP掲載の「社会保障・税番号制度FAQ」の中では、マイナンバーの記載がない、もしくは、誤っていたとしても、税務署が書類を受理しないということはなく、罰則規定は税法上設けられていないと解説されています。

つまり、従業員や支払調書発行対象者からマイナンバーの情報提供を拒否された場合や、入力処理などを誤ったとしても、事業者の税務上問題はないとしているのです。

ただし、拒否されたわけではないものの、なかなかマイナンバーの情報が集まらないこともあります。そういう場合は、事業者の義務違反でないことを明確にしておくため、情報提供を求めた経過等を記録しておいた方がいいようです。

従業員にマイナンバー提出を求めたという記録を残しておく。

マイナンバーの提出要請をしたことを、記録しておくことは会社側を守る手段です。従業員のマイナンバーを記入することは会社側の義務なので、その義務を怠ったわけではなく、情報提供に協力が得られなかったという記録を残すことで、義務違反をしていないという証拠になります。

記載せずに提出するのは最終手段にしましょう

Q2‐10 従業員や講演料等の支払先等から個人番号の提供を受けられない場合、どのように対応すればいいですか。
(答)
法定調書作成などに際し、個人番号の提供を受けられない場合でも、安易に個人番号を記載しないで書類を提出せず、個人番号の記載は、法律(国税通則法、所得税法等)で定められた義務であることを伝え、提供を求めてください。
それでもなお、提供を受けられない場合は、提供を求めた経過等を記録、保存するなどし、単なる義務違反でないことを明確にしておいてください。
経過等の記録がなければ、個人番号の提供を受けていないのか、あるいは提供を受けたのに紛失したのかが判別できません。特定個人情報保護の観点からも、経過等の記録をお願いします。
なお、法定調書などの記載対象となっている方全てが個人番号をお持ちとは限らず、そのような場合は個人番号を記載することはできませんので、個人番号の記載がないことをもって、税務署が書類を受理しないということはありません。
正当な理由があってマイナンバーの記入がないときには、税務署は書類を受理してくれるんですね。それがわかれば少しほっとしますが、それでもやはり、記入なしで書類を提出するのは最終手段にしておいた方がいいと思います。

マイナンバーについての罰則は、会社と従業員側で異なる??

会社側には従業員のマイナンバーを取り扱う義務がある

Q1 マイナンバーを記載して届出ることは義務なのですか?
A1 はい。事業主は、番号法および雇用保険法に基づき、雇用保険手続の届出に併せてマイナンバーを届け出ることが義務づけられています。

なお、旧様式を使用する場合や、新様式を使用する場合であっても何らかの理由により個人番号を
記載できない場合には、「個人番号登録・変更届出書」により個人番号を提出してください。

Q2 従業員からマイナンバーの提供を拒否された場合にはどうすれば良いのですか?
A2 個人番号の記載は法令に基づく事業主の義務であり、このことを従業員にも説明の上、取得をお願いします。その上で、従業員から提供を受けることが困難な場合は、個人番号の記載がない届出書を受理します。

根拠となる法令は、
「番号法」と「雇用保険法」です。

従業員側に提出を拒んだ際の罰則はない。しかし

提出を拒否する従業員はちょっとめんどくさい……

また、会社は「従業員にマイナンバーを提出してほしいといったのに、従業員から拒否された」という経緯の物的証拠を残す必要があります。要は、マイナンバーの提出を拒否する人がいると、会社のマイナンバー担当者の仕事が増えるということ。

 たとえ、マイナス評価や処罰はされなくても、マイナンバー担当者から「○○さんって、面倒くさい人」などと、煙たがれることは覚悟したほうがよさそうです。

マイナンバーを提出拒否されると、その後の業務が大変ややこしくなる

罰則はないけれど。

 (44798)

マル扶には、本人だけでなく家族のマイナンバーも記載することになる。マイナンバ-の記載は拒否できるのだろうか。また、拒否した場合の罰則はあるのだろうか。

結論としては、従業員が事業主にマイナンバー情報を提供しないことは可能で、拒否しても罰則はない。しかし内閣官房は事業主に向け、従業員からマイナンバーの通知を拒否された場合に「社会保障や税の決められた書類にマイナンバーを記載することは、法令で定められた義務であることを周知し、提供を求めてください」としており、国税庁も「個人番号の記載は、法律(国税通則法、所得税法等)で定められた義務であることを伝え、提供を求めてください。それでもなお、提供を受けられない場合は、提供を求めた経過等を記録、保存するなどし、単なる義務違反でないことを明確にしておいてください」と呼びかけている。

この制度の受け入れを拒否することでこうむる不利益の一つが、社会保障や税関係などの書類の提出や、それを含んだ会社とのやりとりがかなり面倒になるということです。

今後は、これらの重要な書類を提出する際に、必ず個人番号を明記することが求められます。
マイナンバーを拒んでしまうとこれが明記できなくなるわけですから、その代わりとなる何かしらの処置をとられるでしょう。
具体的にはわかりませんが、たとえば本人確認のために住民票や戸籍謄本の提出を求められるようになるかもしれません(これはあくまでも推測なのであしからず)。

しかし拒否をしてしまうと書類一つを提出するのだってかなり面倒になるということはほぼ間違いないようです。
また、会社とのやりとりも面倒になるようで、内閣官房の公式サイトには、このようなことが書いてありました。

提出すべき時に提出するのが一番簡単です。

マイナンバーがあつめられず、提出できずにいるとややこしい業務が増えてしまいます。
マイナンバー制度についてや、セキュリティー対策をしっかり行っていることを説明して従業員を安心させ、
出来る限り、従業員に協力をしてもらえる空気を作っておきましょう。
場合によっては会社の就業規則にマイナンバーについての項目を加えても良いでしょう。
そしてスムーズに全従業員にマイナンバーを提出してもらいましょう。

あなたにオススメのコンテンツ



シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする