【ビジネスチャンス拡大!?】マイナンバーの法人版、法人番号のメリットとは?

2016年から開始されるマイナンバー制度。個人に配布される個人番号の他に、法人に配布される法人番号があります。法人番号のメリットや企業がとるべき対策をまとめました。

個人番号と法人番号の違いってなに?

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まずはじめに、マイナンバーとは
住民票を有する全ての者に1人1つの番号を付し、
社会保障、税、災害対策の分野で効率的に情報を管理し、
複数の機関に存在する個人の情報が同一人の情報であることを
確認するために活用されるもの
です。

マイナンバー導入で期待できる効果としては、生活保護など社会保障の不正受給を防止し、公平・公正な社会を実現すること。
添付書類の削減といった、国民の利便性の向上。
行政機関間の作業の重複等の削減による、行政の効率化。

といったことがあげられます。

そして、マイナンバーは個人に割り当てられる「個人番号」と、法人に対して割り当てられる13ケタの「法人番号」の二つに分けられます。
法人番号の特徴は、大きく分けて二つです。
1つ目は、番号法の中で個人番号の利用範囲が「社会保障」「税」「災害対策」の3つの分野と規定されているのに対して、法人番号は利用範囲の規定がなく、民間企業の幅広い分野で活用が期待できます。
2つ目は、個人番号が社会保障・税等の業務に用いられる以外では原則として他人に公開されないのに対して、法人番号は「商号」または「名称と本店」、もしくは主たる事業所の所在地の情報とともに、国税庁の法人番号公表サイトで公表されます。この2つの特徴から、官民問わず様々な領域や用途で法人番号の活用が期待できます。
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企業の法人番号活用のメリット

各企業や部門の多くはこれまで独自のコードを使って取引先などの企業情報を管理してきたため、企業や部門を超えて取引情報などを共有・連携する際、コードの変換や人手による企業名での名寄せが必要になっていました。今後、取引先などの企業情報に取引先の法人番号を紐付けて管理することで、複数の部門や企業に分散する取引情報を効率的に集約できるようになります。
また、企業名や住所の差異(「1-2-3」「1丁目2番地3号」「一丁目二番地三号」など)によって、ひとつの企業を重複して登録してしまう場合があります。
取引先などの企業情報に法人番号を紐付けて管理することにより、取引先の重複登録を防止できるようになります。

官⇔民間の効率化

法人番号導入により、行政手続における届出・申請等を、一度にまとめて行えるようになり、法人(企業)側の負担が軽減します。
例としては、以下のようなものがあげられます。
企業が役所へ補助金申請をするとき、これまでは各役所ごとに企業情報を提出しなければならなかったのですが、導入後は一度申請した時に提出すれば、一つの法人番号でほかの役所も情報を共有するため二度目以降は必要がなくなる、といった手続き上の合理化が図れます。

法人番号導入により、ビジネスチャンスが!?

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法人番号は、国税庁ホームページの「法人番号公表サイト」で公開されます。
企業はこれを、新しく設立された法人の検索など、新たな顧客拡大につながるビジネスチャンスとして活用できます。

法人番号の導入により起こる経済効果を予測した数字がこちらです。

【短期】経済効果:年間約70億円

【利用内容】

取引情報の収集効率化
グループ内調達情報の名寄せの効率化
対象企業の確認業務の効率化
市場調査の基礎データ
キャンペーン管理の厳格化

【中期】経済効果:年間約1兆132億円

【利用内容】

行政手続きの添付書類の削減
企業間取引の添付書類削減
取引先の登録
信用情報の取込みの効率化
口座照会の対応業務の効率化

【長期】経済効果:中期の数倍=年間数兆円

【利用内容】

BCP(リスクマネジメント)やサプライチェーン(企業間連携)の再編成検討
企業買収など事業展開戦略への活用
マネーロンダリング(違法資金)対策
従業員情報の官民連携による効率化
統計情報分析の効率化

このように、法人番号の導入により、企業は多くのビジネスチャンスを掴めるようです。
しかし、法人番号によるビジネスを考えている企業はあまり多くありません。
そもそも、全国の企業を対象にしたアンケートでは、マイナンバーという言葉はなんとなく理解していても、法人番号は言葉すら知らないという企業もありました。

マイナンバーをビジネスチャンスにしようとするのならば、ライバルが少ないいまかもしれません。

短期では年間約70億円の経済効果が、中期では1兆132億円、長期となると数兆円にも上るんですね……。
マイナンバー、個人よりも企業にとって見過ごせない事柄かもしれません。

短期のマイナンバー利用というと、行政作業の効率化が主な変化ですが、長期になるにつれて日本経済を動かすような効果も表れると予想されているようです。

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