今回のマイナンバー制度は、IT業界にとって、追い風となります。例えて言えば、消費税の税率5%から8%にしただけでも、かなりの売り上げあったはずです。なぜかというと、結構大規模なシステムの変更をしないといけないから。
マイナンバーに群がるIT業者
マイナンバー関連の市場規模はかなりのもの
マイナンバーの導入により、多くのシステム開発が必要になるはずです。ですから、IT業界にはかなりの恩恵となるはずです。規模としては、消費税などとは比較にならないでしょう。具体的にどんなシステム開発が必要かは、SankeiBiz の「マイナンバー制度、3兆円の巨大市場 民間向けシステム開発にしのぎ」という記事で紹介されていました。1 また、この記事によると、3兆円規模などという試算もされているようですね。まあ、これは、IT関連以外も含むようですけど。
制度変更があるとIT業界は潤う仕組み
消費税やマイナンバーに限らず、公的な制度変更があると、IT業界は儲かる仕組みになっています。例えば、帳票に項目を一つ加えるというだけでも、かなりのお金が動くのです。細かいものを上げていけば、キリがないでしょう。ですからIT業界、特にシステム系の会社では、社会的にはマイナスであるような制度変更でも大歓迎なのです。制度の変更はシステム対応が必要になり、それが売り上げにつながるからです。
IT業界にとってのマイナンバーは、建設業界にとっての東京五輪と同じ
政府は制度導入に絡み、平成29年度までに3千億円弱を情報処理システム関連に投入する見込みだ。民間側のシステム更新も含めると、市場規模は1兆円以上ともいわれる。
信用調査会社などによると、IT関連会社は資本金3千万円、従業員15人の中小企業だが、医療関係のシステム開発を中心に最盛期の22年9月期には計8億9800万円の事業を受注した。仕事の中心は官公庁。23年は立件対象となった11月の2件の応札だけで売り上げの3割を占めた。27年9月期には2億4100万円を受注したが、発注元は全て官公庁。「官との関係が会社の業績を左右していた
IT技術者「2015年問題」=開発へ8万人不足
対応のためにシステム開発業界では2兆円超の特需が発生するともいわれるが、直前に仕事が集中してシステムエンジニア(SE)が不足する「2015年問題」を懸念する声が早くも上がっている。「とにかく作業量は多い」。 日本マイクロソフト出身者を最高情報責任者(CIO)に起用するなどIT(情報技術)活用に熱心な佐賀県。 「番号制度活用推進本部」を立ち上げ、マイナンバーの導入で行政の実務がどう変わるのか、全庁挙げての洗い出し作業を進めている。 痛感するのはその対応作業の煩雑さ。
システムエンジニア(SE)奪い合いも
アベノミクス効果もあって、企業のIT投資は足元で回復基調にある。 システム各社は通常業務で企業からの受注増に応えつつ、マイナンバー対応も同時並行で進めなければならない。対応できるSEは国内で80万人程度といわれる。マイナンバー導入に向けた開発業務の集中で「自治体向けだけでも7万~8万人が不足する
想定市場規模は2兆円以上!? マイナンバーで変わるビジネス未来予想
源泉徴収票、支払調書など税関連の書類や傷病手当金申請書といった社会保障関連の書類にマイナンバーが必要となります。制度のスタートは、来年1月ですから、それまでに私たち会社員は、マイナンバーを会社に報告しなくてはなりません。当然、会社側も、マイナンバーを管理するためのシステム改修をする必要がある。そのため、昨年あたりからシステム改修を請け負う情報処理会社や情報セキュリティ会社、業務ソフトウエア会社などに仕事が殺到。一説にはIT業界にもたらされる経済効果は2兆円以上(!)と言われています。
企業は遅くても2016年末までに 情報システムの最適化を
マイナンバーを収集したら、すぐさま管理する責任が生じますから、安全管理措置も講じられていなければならない。ただ、システムの構築が間に合わないのであれば、当初は紙ベースで管理して金庫に入れておく、という方法でもやむを得ないでしょう。ただし、2016年末近くには源泉徴収票作成がありますから、それまでにプライオリティを決めてシステムの改修・構築を進めていく必要があります