マイナンバー制度が始まれば様々な個人情報が番号で紐付けされます。それによって明らかになってしまうのが社会保険の未納です。あなたの会社はきちんと払っていますか？マイナンバーと社会保険の関係について振り返ってみましょう。
マイナンバー制度の目的の一つは年金や保険料の徴収強化！
これまでも、政府は、「論点整理」等に基づき、年金保険料の徴収強化の観点から、
関係省庁が連携して、国民年金保険料の納付率向上策や厚生年金の適用促進策に取り組 んできたところであるが、マイナンバーの利用開始により、日本年金機構と国税庁・市 町村の間の情報連携が強化されること等を踏まえ、年金保険料の徴収強化に関する取組 を一層推進することとする。
このような観点から、免除該当者等を除いたすべての国民年金滞納者に対する督促の 実現や、悪質な年金滞納者に対する国税庁への強制徴収委任制度の強化等とともに、ス マートフォン用年金アプリの開発をはじめとする若者に重点を置いた広報活動の強化 など、以下の具体的施策を講じることとする。
社会保険の未納は公平性の観点から由々しき問題です。
社会保険とは？重要なのは健康保険と厚生年金！
社会保険とは、社会保険の概要で述べたように、広義では、公的医療保険、年金保険、労働保険を合わせたものをいいますが、 狭義で社会保険といった場合は、医療保険である健康保険と年金保険である厚生年金保険を指します。
社会保険では、事業所の適用、被保険者の資格取得・資格喪失手続、保険料の算定･納付など、健康保険と 厚生年金保険を同時に一枚の用紙で行います。
医療と年金は労働者にとって重要なライフライン。国を運営する上でもきっちり公平に徴収しなければいけません。
本来なら入っているべき社会保険、入っていない人は６９３万人にも上る！？
今の日本では、本来なら入るべき社会保険（厚生年金・健康保険）に入っていない会社が少なからずある。社会保険というのは、法人ならば、法的には人数を問わずに加入義務が生じる。入っていないのは違法だ。加入義務があるはずだが加入していない人は、いったいどれだけいるのだろうか？ 国税庁のデータによると、年末調整を行った人は４２２０万人（平成２５年度）いた。これに対して、厚生年金の被保険者は３５２７万人（同）であり、差が６９３万人いる。
この６９３万人もの人が、いわゆる“短時間勤務”だったとは考えにくい。そのなかには、本当は長時間勤務をしていて加入義務のある人もいたはずだ。なかには、会社ごと不正に加入していない先もあることだろう。
こんなにも多くの労働者が加入していないとは。この数字は見過ごすことができません。
健康保険・厚生年金保険に加入するべき従業員とは？
1.常時雇用する従業員を加入させます
正規従業員の概ね4分の3以上の就業形態で加入します
正規従業員の概ね4分の3以上の就業形態で加入します
健康保険・厚生年金保険の適用を受けている事業所に常時雇用されている従業員は、すべて加入対象となります。契約社員、パート、アルバイトであっても条件次第で加入させる場合がありますので注意しておきましょう。2.パートタイマー従業員等の加入の目安
パートタイム従業員などの短時間就業者でも、常用的な使用関係があれば加入しなければなりません。その判断基準には目安があります。次の2つの条件を両方満たす場合には加入させるようにしてください。
パートタイマーでも社会保険に入るべき労働者がいます。あなたの会社のパートの人はきちんと社会保険に入っていますか？
社会保険の時効は2年！滞納していればさかのぼって徴収される！
今回の制度では税務署や市町村、年金事務所や健康保険組合、ハローワークなどに提出するさまざまな書類にマイナンバーを記載する蘭が加わります。そのため、雇用主は速やかに番号の収集手続きの取り方や各種従業員の労働条件等の確認を実施することをおすすめします。もし、不備や不正があれば早急に改善しないと会社の存続にかかわる問題が起こらないともかぎりません。例えば、パートやアルバイト、契約社員などで社会保険への加入条件を満たしながら、社会保険料などを滞納していた事業者は速やかに手続きしないと法的な罰則が科せられる可能性が出てくる。また、従業インや会社に対して社会保険の滞納（時効は２年）があれば、２年にさかのぼり保険料(会社は半分負担）を請求されることも考えられる。
支払いを誤魔化している事業者は早急に払わなければいけません。法的な罰則が科されることもあります。