マイナンバーで正確に税務情報が把握されることになると、今までの職歴とか会社にバレちゃうのでしょうか。正直、会社に職歴やアルバイト歴がばれるなら会社にマイナンバー提出したくないです!
内閣が掲げるマイナンバーのメリット
社会保障・税に係る行政手続きにおける添付書類の削減やマイナポータルのお知らせサービス等による国民の利便性の向上に加え、行政を効率化して人員や財源を国民サービスに振り向けられること、所得のより正確な捕捉によりきめ細やかな新しい社会保障制度が設計できる等の利点があります。
所得のより正確な補足ということに関して、いろいろな意見もあるようです。
「(国民の)所得のより正確な捕捉」。つまり、国は生活保護費の不正受給などを防止するだけでなく、善良な国民全員のカネの流れを完全に把握したいようなのだ。
副業、アルバイトにもマイナンバー申告の必要が……
サラリーマンの場合、扶養家族全員の分も含むマイナンバーを、勤務先に提出しなければならない。副収入がある場合には、確定申告も行なう必要がある。
マイナンバーはアルバイト先にも提出しなければならないので、税務署は簡単に調べられるのだ。
アルバイトが無理ならば、副業のサイドビジネスを、という向きもあるかもしれない。例えばネットでショップを開設してひと稼ぎというわけだ。だが、それも税務署に把握される。「個人事業主」ということで、納税を免れることはできそうもない。
雑所得、いわゆるネットオークションや競馬の配当金、株などの収益も税務署に確定申告する必要があり、このときに、マイナンバーを税務署に申告する義務があります。というか、収入源と資産を把握するための制度なのです。
つまり、本業である会社からの給与、アルバイト、副業全ての情報を税務署に把握されるということですね。
水商売の経歴もバレちゃうの?
マイナンバーという制度が始まると、風俗店で勤務する時も、マイナンバーの提出が必要になる。例えば、キャバクラに体験入店する時も、いきなり本名とマイナンバーを店に伝える義務があるのだ。
風俗店で勤務していた記録が、その女性のマイナンバーに永久に記録されてしまうのだ。
ちょっとしたアルバイトのつもりだったのに、その記録がずっと残るとなると……
就職、転職に不利になる!?
つまり、マイナンバー制度が始まると、働いたすべての職歴と、逆に働かなかった履歴が、企業に筒抜けになるのだ。
これまでは、雇用保険番号から分かるのは、直前の職歴だけだった。
アルバイトは雇用保険に入らないケースの方が多いので、その辺りはあいまいだった。
マイナンバーに関しては、同一番号で管理するので、転職しても源泉徴収に同じ番号が使われます。そこで、職歴が税務署に残るのです。
今後は、例えば事情があって無職になって、雇用主が異なる日雇いバイトを複数やったとしよう。
どういう風に履歴が残るかは不明だが、おそらく職歴の個数は複数残るのではないだろうか。
企業は、職歴が多い人をものすごく嫌う。
例えば派遣社員は、本人に問題がなくても派遣先の予算の都合などで、契約終了になることは珍しくない。
だけど採用面接では、そのような事情もすべて本人のせいにされ、「職歴多いね」と言われることになるのだ。
そう考えるとなんだかものすごく怖くなります。
働いた全ての履歴がバレると、ひとつひとつに事情や理由があっても、やっぱりいい気はしません。
働いた全ての履歴がバレると、ひとつひとつに事情や理由があっても、やっぱりいい気はしません。
でも、本当に職歴バレちゃうの?
社員は、原則的には会社にマイナンバーを出すことになります。それでは、マイナンバーを預かる会社は、そのマイナンバーで社員の情報を検索することはできるのでしょうか。
職歴把握に関しては、「反対していない」。税務以外のことにマイナンバーを使うなといっているのです。
そうなんです。
マイナンバーの使用の範囲は制限されているのです!
マイナンバーの使用の範囲は制限されているのです!
マイナンバーを記載した書面を行政機関等に対して提出する会社は「個人番号関係事務実施者」となり、目的を超えたマイナンバーの収集・保管をすることはできません。また、利用する可能性がなくなった後は廃棄しなくてはならず、これらを守らなかった場合の罰則規定も定められています。
そもそも会社は、通知カードに記載されている「12ケタの個人番号」「氏名」「住所」「生年月日」「性別」以外の情報を知る手段はありません。
マイナンバーから情報を検索することができるのは行政機関だけで、当然ながらその内容を会社に伝えることは禁止されています。
マイナンバーは、税務署に職歴が残るだけなので、「税務署が漏らす」ことはない。
税務署が情報を把握することと、情報が会社に漏れることは別の話。
会社がマイナンバーをきっかけに職歴を調べたりすることこそ、罰則が与えられることなのですね。
会社がマイナンバーをきっかけに職歴を調べたりすることこそ、罰則が与えられることなのですね。
職歴は会社にバレにくくなるけれど……
現在、入社時に提出を求められることがある「年金手帳」「雇用保険被保険者証」の方が、前職に関する情報が多く含まれていると言えます。これらの手続きが将来的にマイナンバーだけの提供でよくなれば、前職までの情報は会社にとってはより分からなくなるでしょう。
逆に、前職のことなどは却ってわかりにくくなるのかもしれませんね。
経歴詐称はしてはいけませんが、誰でも知られたくないことはあります。そういったことを勝手に調べられないのなら安心しても良さそうです。
経歴詐称はしてはいけませんが、誰でも知られたくないことはあります。そういったことを勝手に調べられないのなら安心しても良さそうです。
万が一マイナンバーが情報漏洩をしてしまった場合は、職歴に限らずあらゆる個人情報が、第三者に知られてしまう点は、可能性がないとは言い切れません。
マイナンバーを提出することによって会社に職歴がバレるかもしれないことを心配するより、マイナンバー自体が漏れないように気を付ける必要がありますね。