マイナンバーの罰則を受けないように中小企業としては心がける必要があります。
罰則を受けないために、事業者が注意すべきこと
平成28年1月からは、社会保障・税・災害対策の3分野でマイナンバーの利用が開始されます。マイナンバー制度はパートやアルバイトを含む従業員を雇用するすべての民間事業者が対象ですので、個人事業主もマイナンバーを取扱うこととなります。小規模な事業者は、個人情報保護法の義務の対象外となっていますが、マイナンバー法の義務は規模に関わらず、すべての事業者に適用されます。
法律で定められた利用の範囲内を逸脱しないよう
現時点では、限定的な利用にとどまるマイナンバーではありますが、将来的には幅広い分野での活用が検討されています。さまざまな場面でマイナンバーが利用できるようになれば、生活や業務の利便性も増していくことでしょう。その一方で、マイナンバーの取扱いに関しては罰則規定が設けられており、違法な行為を行った場合には、厳しい処罰を受ける可能性があります。国はマイナンバーの取扱いに対して、適正な取扱いを確保するために最低限守るべき事項や具体例を記述したガイドラインを策定しています。実際にマイナンバーを取扱う際には、このガイドラインを活用し、法律で定められた利用の範囲内を逸脱しないよう注意しましょう。
マイナンバー制度の罰則
マイナンバーの漏洩などに関し、以前の個人情報保護法とは比べものにならないほどの重い罰則が科せられることになりました。・不正な利益を図る目的で個人番号を提供または盗用した場合、3年以下の懲役または150万円以下の罰金または併科
・情報提供ネットワークシステムの事務に従事する者が、情報提供ネットワークシステムに関する秘密を漏洩または盗用した場合、3年以下の懲役または150万円以下の罰金または併科
・人を欺き、人に暴行を加え、人を脅迫し、または、財物の窃取、施設への侵入等により個人番号を取得した場合には、3年以下の懲役または150万円以下の罰金
情報漏洩では、番号法で重い罰則が科せられることになりました。
これまでの情報漏洩事案を見てみますと、そのほとんどは従業員の手によるものでした。従業員を疑いたくないという気持ちは分かりますが、従業員も、この程度の情報売買なら大丈夫だろう、と手を出してしまいがちです。特に情報というカタチのないものを取り扱うため、犯罪の意識も希薄である場合も多いです。企業としては、このような情報漏洩を防止するため、しっかりと従業員、特に個人番号関係の事務担当者には指導監督をしていく責任があります。
マイナンバーはこんなとこにも必須!
一般的な報道では、 マイナンバー法においてマイナンバーを提供するのは、 勤め先の企業。大々的に言われている。 しかし安心してはいけない。アナタの勤め先はアナタのマイナンバーが漏えいしないように 万全の対策を講じてくれているだろうか? そもそも、 人間が関わる状況の中で、 100%完璧な情報漏洩対策などない。 というのが正直なところだ。
アルバイトであってもマイナンバーを教えなければならない
上場企業の大手であれば、 マイナンバー法に対しそれなりの対策を講じてくれている可能性は高いが、 400万社以上ある企業の中で大多数を占める中小企業が 利益を生まないマイナンバー法などのセキュリティー面・システム面に 多額のお金を投資しリスクを回避しているとは考えにくい。つまり、 中小企業に勤めている人や よくわからないアルバイト/パート先から給料を貰っている人は 本当に注意が必要なのである。 情報はどのようなルートで漏えいするかわからない。 内部漏洩かもしれないし、ハッキングかもしれない。
故意にマイナンバーを漏らしたら、4年以下の懲役も
行政手続きの簡略化、生活保護の不正受給防止等につながるマイナンバー制度は、社会保障や税の分野で多くの恩恵がもたらされると期待されている制度です。しかし、手放しに喜んでばかりはいられません。マイナンバー法では、様々な特定個人情報に紐付くマイナンバー(個人番号)の不正取得等に対して非常に厳しい罰則が定められており、違反内容によっては、その当事者(従業員)だけでなく、企業にも罰金刑が科される「両罰規定」があるからです。また、故意にマイナンバーを漏らした場合、4年以下の懲役、もしくは200万円以下の刑事罰(またはその両方)を科される可能性もあります。
2016年1月のマイナンバー制度開始に備えて、まずはマイナンバー法の罰則についてきちんと把握しておきましょう。
マイナンバーの取得・保管・管理には、一定の社内ルールを!
こうしたマイナンバー法違反を防ぐために必要なのは、「情報の周知」と「社内ルールの徹底」です。まずはすべての従業員にマイナンバー制度の概要と、違反すると重い罰則が科されることを伝えましょう。その上で一定の社内ルールを設け、マイナンバーの安全管理措置を徹底することが大切です。また、派遣社員などへの周知徹底も必要です。例えば、人事データを取り扱う派遣社員が派遣先の従業員のマイナンバーを漏えいさせた場合、雇用契約を結んでいる「派遣元企業」だけでなく、就業先である「派遣先企業」も法的な責任が問われる可能性があります。