マイナンバーの罰則は?

マイナンバーで一番不安なのが不正による流出です。番号を悪用した場合どのような罰則があるのでしょうか。

マイナンバーの不正利用を防ぐために

 (29769)
・勝手に銀行口座やクレジットカードを作られ犯罪に利用される
・他人のマイナンバーを利用して借金などの契約が交わされる
・なりすましや知らない人と結婚していることになっている
・自分名義の車が犯罪に使われる
・なりすまして確定申告し、給付金を不正受給する

マイナンバー制度を先んじて実施している各国では既にこのような犯罪が発生しています。
マイナンバーを悪用される主な原因は「不正アクセス」「取扱者の不正持ち出し」です。
これを受けて我が国でもマイナンバーの不正利用を防止するため個人情報保護法の改正が行われ、新たに交付されました。

首相官邸

首相官邸
個人情報の保護に関する法律及び行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の一部を改正する法律

罰則の強化

マイナンバー制度における罰則一覧

マイナンバー制度における罰則一覧

正当な理由がない特定個人情報の提供

第六十七条 個人番号利用事務等又は第七条第一項若しくは第二項の規定による個
人番号の指定若しくは通知、第八条第二項の規定による個人番号とすべき番号の
生成若しくは通知若しくは第十四条第二項の規定による機構保存本人確認情報の
提供に関する事務に従事する者又は従事していた者が、正当な理由がないのに、
その業務に関して取り扱った個人の秘密に属する事項が記録された特定個人情報
ファイル(その全部又は一部を複製し、又は加工した特定個人情報ファイルを含
む。)を提供したときは、四年以下の懲役若しくは二百万円以下の罰金に処し、
又はこれを併科する。
・個人番号利用事務のために国や市区町村に提供
・個人情報利用事務のために官公庁や機構に提供
・住民基本台帳上での本人確認時
・情報提供ネットワークシステムの利用時
・国税・地方税や株式配当などの所得税などの税務上
・特定個人情報保護委員会からの要請
・国政調査や裁判所、刑事事件の捜査など公益上の求め
・本人の生命・身体・財産の保護のため

マイナンバー業務に携わる者がこれら「正当な理由なく」取り扱った特定個人情報を他者に提供すると罰則が適用されます。
提供するには原本だけでなく、一部または全部の複製や加工したものも含まれます。
正当な理由があっても利用目的を明確にするため書類とともに提供が必要です。

不正利用や盗用・不正行為による取得

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第六十八条 前条に規定する者が、その業務に関して知り得た個人番号を自己若しくは第三者の不正な利益を図る目的で提供し、又は盗用したときは、三年以下の懲役若しくは百五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
第七十条 人を欺き、人に暴行を加え、若しくは人を脅迫する行為により、又は財物の窃取、施設への侵入、不正アクセス行為(不正アクセス行為の禁止等に関する法律(平成十一年法律第百二十八号)第二条第四項に規定する不正アクセス行為をいう。)その他の個人番号を保有する者の管理を害する行為により、個人番号を取得した者は、三年以下の懲役又は百五十万円以下の罰金に処する。
2 前項の規定は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用を妨げない。
正当な理由で知り得た情報でも、それを不正利用したなら罰則が適用されます。
これは正当な理由なき他者への提供だけでなく、不正な利益を得るために本人が利用した場合も同じです。

不正行為による取得とは詐欺や暴行脅迫、窃盗など法に触れる手段で個人番号を取得した場合です。
この場合、刑法の処罰と比べてより重い罪が課されることになります。

法人の場合

【第 77 条(両罰規定)】
第七十七条 法人(法人でない団体で代表者又は管理人の定めのあるものを含む。以下この項において同じ。)の代表者若しくは管理人又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して、第六十七条、第六十八条、第七十条又は第七十三条から第七十五条までの違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。
2 法人でない団体について前項の規定の適用がある場合には、その代表者又は管理人が、その訴訟行為につき法人でない団体を代表するほか、法人を被告人又は被疑者とする場合の刑事訴訟に関する法律の規定を準用する。
組織的に行われた場合、実際に不正行為を行った者だけでなく法人や代表者にも罰則は適用されます。
企業で発生した場合、いち従業員による不正行為では終わりません。
管理者も罪に問われるほか事業にも多大な影響が生じます。
未然に防ぐためにもセキュリティを厳格にする必要があります。

マイナンバー社会保障・税番号制度

マイナンバー社会保障・税番号制度
その他詳しい法令についてはこちら

まとめると…

マイナンバーは利用目的を明示し、適法な手段で取得しなければなりません。
基本的に取得目的以外への利用は許されない、と考えておいた方が良いでしょう。
更に理由が無ければ利用後は取得したマイナンバーを廃棄しなくてはなりません。

事業者と個人情報取扱事務実施者の遵法意識を高めるとともにセキュリティについても対策を取る必要があります。

特定個人情報保護委員会

特定個人情報保護委員会
特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン
リンク先には資料集や総合ダイヤルも用意されているので活用しましょう。

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