マイナンバーを管理するにあたって新たにシステム導入を検討している企業担当者の方は多いかと思います。しかしシステムを導入する前にまずやっておかなければならないことが業務フローの構築です。業務フローをつくり一連の流れを可視化することは業務の効率化にもつながります。業務フローを構築する意義について見直してみましょう。
業務フローを作らなければシステムを導入する意味がない!
まず、この管理システムをめぐる話。これ、よく頭の中入れといてくださいね。業務システムの前に、絶対に業務フローがあるんですよ。だから、なんのシステムでもいいんですが、業務のフローが頭に浮かばないのにシステムを導入しても無駄ですからね。
つまり、現場で何がどう動いていくのかをサポートするのがシステムなんですよ。システムを導入したら、業務フローができるわけじゃないんです。ここは頭の中にきちっと入れておかなければいけないのではと思います。みなさんがマイナンバーに関するソフトやシステムを選ぶときには、必ず頭の中に入れておいてください。
ガイドラインにおいても取扱規程を策定することが定められています!
A~Cで明確化した事務において事務の流れを整理し、特定個人情報
等の具体的な取扱いを定める取扱規程等を策定しなければならない。
≪手法の例示≫
* 取扱規程等は、次に掲げる管理段階ごとに、取扱方法、責任者・事務取扱担 当者及びその任務等について定めることが考えられる。具体的に定める事項 については、C~Fに記述する安全管理措置を織り込むことが重要である。
1 取得する段階
2 利用を行う段階
3 保存する段階
4 提供を行う段階
5 削除・廃棄を行う段階
* 源泉徴収票等を作成する事務の場合、例えば、次のような事務フローに即し て、手続を明確にしておくことが重要である。
1 従業員等から提出された書類等を取りまとめる方法
2 取りまとめた書類等の源泉徴収票等の作成部署への移動方法
3 情報システムへの個人番号を含むデータ入力方法
4 源泉徴収票等の作成方法
5 源泉徴収票等の行政機関等への提出方法
6 源泉徴収票等の本人への交付方法
7 源泉徴収票等の控え、従業員等から提出された書類及び情報システムで
取り扱うファイル等の保存方法
8 法定保存期間を経過した源泉徴収票等の控え等の廃棄・削除方法 等
【中小規模事業者における対応方法】
○ 特定個人情報等の取扱い等を明確化する。
○ 事務取扱担当者が変更となった場合、確実な引継ぎを行い、責任
ある立場の者が確認する。
業務フローを作るには?業務を洗い出し、開始から終わりまでを明確に!
業務が洗い出されたところで、それらの業務の手順を業務フローという形で表します。必ずしも絵的なフローチャートでなくても構いません。箇条書きでもいいので、部門や役職と紐付けし、役割と流れがわかるように記述することが重要です。間違っていけないのは、帳票の項目を説明するマニュアル作成ではないとういこと。また、システム化の部分だけをフロー化しても、その部分だけでは十分ではありません。細かい作業レベルより一段上位である業務レベルでルールやフローを作成することです。
つまり、トリガーとなる開始のイベントを押さえ、その業務の終了となるイベントは何かを明確にし、その開始イベントと終了イベントの間で、人やシステムがどんな活動(タスク)を実施するかを記述することが重要です。これが業務の可視化です。
活動(タスク)を記述する為、「メールを送る」「確認する」「申請する」「承認する」「転記する」「保管する」「提出する」「記録する」といった動きが分かるように表します。
特に、マイナンバー業務では、システム化される部分よりも人が携わる部分に着目して可視化することの方が、人的リスクの観点でも重要になります。
可視化は業務の効率化を促す!
現状が可視化されると、それが効率的なのか確認してみましょう。無意味に何回も承認プロセスがあったり、部署間で情報が行ったり来たりと繰り返される無駄があったり、可視化することで気付くことが意外と多いものです。
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