マイナンバー(個人番号)収集の実務の中に、本人確認というものがあります。今回は、「一言に本人確認といってもこんなにやり方がある」ということが分かる記事を集めました。
本人確認の原則
マイナンバーを取得する際は、「正しい番号であることの確認(番号確認)」と「その番号提供者が番号の正しい持ち主であることの確認(身元確認)」が必要だとされています。本人確認は、原則として、
1. 個人番号カード(番号確認と身元確認)
2. 通知カード(番号確認)と運転免許証など(身元確認)
3. 個人番号の記載された住民票の写しなど(番号確認)と運転免許証など(身元確認)
のいずれかの方法で確認する必要があります。つまり、本人確認は「番号確認」と「身元確認」の2種類に分かれますが、通知カード(10月に届くカード)だけでは番号確認しかできないので身元確認が別途必要ということです。
「番号確認」と「身元確認」の両方の確認ができる「個人番号カード」は、通知カードを追加手続き(アップグレード)することで手にすることができます。
個人番号カードはこの二つの確認を同時に行えるので、とても便利なカードだと言えます。
番号確認をオンラインで行う方法
オンラインで番号確認を行う場合、以下のいずれかの方法で行う。番号確認
個人番号カードのICチップの読み取り
当該特定個人情報ファイルの確認(過去に本人確認の上、特定個人情報ファイルを作成している場合)
官公署若しくは個人番号利用事務実施者・個人番号関係事務実施者から発行・発給された書類その他これに類する書類であって、個人番号利用事務実施者が適当と認める書類(個人番号、氏名、生年月日または住所が記載されているもの)若しくはその写しの提出または当該書類に係る電磁的記録の送信
地方公共団体情報システム機構への確認
住民基本台帳の確認身元(実在)確認
個人番号カードのICチップの読み取り
公的個人認証による電子署名
転免許証やパスポートなど、個人番号利用事務実施者が適当と認める方法により、電子計算機を使用する者が当該提供を行う者であることを確認
忙しくてその場所に行けない人には、とても便利なやり方だと言えます。
身元(実在)確認が不要なケースがある!
普段顔を突き合わせている従業員等であるのに、マイナンバー法制度対応のためだけにあらためて身元確認書類を提示させるなんて非効率的ではないかと感じる方もいらっしゃることでしょう。雇用関係にあることなどから本人に相違ないことが明らかに判断できると個人番号利用事務実施者が認めるときは身元確認を不要とすることも認められています。例えば国税分野においては、国税庁(個人番号利用事務実施者)から、雇用契約成立時等に本人であることの確認を行っている雇用関係その他これに準ずる関係にある者であって、知覚すること等により、マイナンバーの提供を行う者が本人であることが明らかな場合は身元確認書類の提示を受けることを要しない、という考えが示されています。
この場合に該当すれば、従業員等に対してはマイナンバーの真正性の確認(番号確認)のみが必要とされることになります。
このような人に対しては、ほとんどの会社が「本人に相違ないことが明らか」と判断して身元確認を省略することになるのでしょうね。
政府が教える「国税分野における本人確認方法」
国税分野における本人確認方法
1 税務関係の申告書等への個人番号又は法人番号の記載
国税通則法をはじめとする国税に関する法令の規定により、申告書、申請書、
届出書、調書等には提出する本人の個人番号又は法人番号を記載します。
また、地方税関係の申告書や支払報告書等についても、地方税に関する法令の
規定により、同様に提出する本人の個人番号又は法人番号を記載します。
国税に関する法令で規定する調書や地方税に関する法令で規定する支払報告書
については、支払者の個人番号又は法人番号のほかに、支払を受ける者の個人番
号又は法人番号などを記載することになります。
また、給与所得の源泉徴収票や給与支払報告書であれば、1支払者の個人番号
又は法人番号、2支払を受ける者の個人番号に加えて、3控除対象配偶者及び扶
養親族の個人番号なども記載することになります。
なお、支払を受ける者等の個人番号又は法人番号を記載するためには、支払を
受ける者等から個人番号又は法人番号の提供を受ける必要があります。
そして、たくさんの個人番号や法人番号が必要になることもわかります。
従業員の配偶者の本人確認
従業員の扶養家族のマイナンバー(個人番号)を取得するときは、事業者が扶養家族の本人確認も行わなければならないのでしょうか?A4-3-6 扶養家族の本人確認は、各制度の中で扶養家族のマイナンバーの提供が誰に義務づけられているのかによって異なります。例えば、税の年末調整では、従業員が、事業主に対してその扶養家族のマイナンバーの提供を行うこととされているため、従業員は個人番号関係事務実施者として、その扶養家族の本人確認を行う必要があります。この場合、事業主が、扶養家族の本人確認を行う必要はありません。一方、国民年金の第3号被保険者の届出では、従業員の配偶者(第3号被保険者)本人が事業主に対して届出を行う必要がありますので、事業主が当該配偶者の本人確認を行う必要があります。通常は従業員が配偶者に代わって事業主に届出をすることが想定されますが、その場合は、従業員が配偶者の代理人としてマイナンバーを提供することとなりますので、事業主は代理人からマイナンバーの提供を受ける場合の本人確認を行う必要があります。なお、配偶者からマイナンバーの提供を受けて本人確認を行う事務を事業者が従業員に委託する方法も考えられます。
たぶん「配偶者本人が行うケースはない」のではないでしょうか?