2016年から施行されるマイナンバー制度。中小企業の事業主や経理に向けて、ありがちな誤解とその対処法を教えます!
マイナンバーについての正しい知識を持っていますか?
国民一人一人に番号が付与されるシステムですが、この制度に注目すべきはむしろ、国民よりも企業。
中小企業はより深く、正しくマイナンバーについての知識を身に着けなければいけません。
それでは、マイナンバーに関するありがちな誤解と、それに対処する方法を解説していきましょう!
まず、マイナンバーとは?
マイナンバー(個人番号)とは、
国民一人ひとりが持つ12桁の番号のことです。マイナンバー制度には
「行政の効率化」、「国民の利便性の向上」、「公平・公正な社会の実現」
というメリットがあります。
1.行政の効率化
行政機関や地方公共団体などで、様々な情報の照合、転記、入力などに要している時間や労力が大幅に削減されます。複数の業務の間での連携が進み、作業の重複などの無駄が削減されます。2.国民の利便性の向上
添付書類の削減など、行政手続が簡素化され、国民の負担が軽減されます。 また、行政機関が持っている自分の情報を確認したり、行政機関から様々なサービスのお知らせを受け取ることができます。3.公平・公正な社会の実現
所得や他の行政サービスの受給状況を把握しやすくなるため、負担を不当に免れることや給付を不正に受けることを防止するとともに、本当に困っている方にきめ細かな支援を行うことができます。
誤解①マイナンバー導入は企業には関係ない?
むしろ、企業こそがマイナンバー導入により、その業務内容が大きく変わる可能性があるのです。
マイナンバー収集担当者が本人確認を行い、従業員等からマイナンバーを収集し(預かり)ます。
マイナンバーを収集する時は、法律の範囲内で利用目的を特定して明示しておく必要があります。マイナンバーを収集するときは、なりすまし等を防止するため厳格な本人確認を行います。
本人確認では、「身元確認」と「番号確認」を行います。個人番号カードを持っている場合
「身元確認」と「番号確認」が、カード1枚で可能です。個人番号カードを持っていない場合
以下のもので「身元確認」と「番号確認」をしてください。
必要がある場合に限り、保管し続けることが出来ます。翌年度以降も継続的に雇用契約がある場合
所管法令によって一定期間保存が義務付けられている場合など
●不必要になったら、できるだけ速やかに廃棄・削除しなければなりません。マイナンバーを事務で利用しなくなった場合
保存期間を経過した場合など
企業では、マイナンバー等の特定個人情報の安全管理措置(情報漏洩を防ぐための措置)を行うために、対象業務を洗い出した上で、組織体制や個人番号利用開始までのスケジュールの整理など対策・対応方針を検討し、組織として決定する必要があります。社内規程の見直し
基本方針、取扱規程、組織体制など、特定個人情報保護委員会のガイドラインを踏まえた対応が必要です。業務ソフト対応
人事・給与・会計システムなど、マイナンバー対応にシステム改修が必要な場合は、改修スケジュール等について、早期に具体的対応の検討が必要です。安全管理措置
組織体制、担当者の監督、区域管理、漏洩防止、アクセス制限など、具体的な対応の検討が必要です。社内研修・勉強会の実施
総務人事・経理部門などの主担当者に限らず、全従業員がマイナンバー制度を理解することが重要です。
マイナンバーの収集→保管・管理→廃棄・処分 をする必要があります。
従業員からマイナンバーを収集する際は本人確認が必須ですし、情報が漏れては大変なので会社の情報管理システムも見直さなくてはなりません。
処分にも規定があります。
マイナンバー導入が企業に関係がないなんてとんでもない!
企業の負担はしばらく大きくなるでしょう。
誤解②企業はマイナンバーを独自に利用できる?
企業が税や社会保障の手続き以外でマイナンバーそのものを独自に利用できるようになる、というのは誤解だ。
マイナンバー制度を担当する内閣官房の向井治紀審議官は国会審議で、「マイナンバーそのものを民間に自由に使わせるということは当面あり得ないというふうに考えております」と答弁している。法律で定められた利用目的にないのに、企業が勝手にマイナンバーを入力させるようなサービスを始めると、違法となる恐れが高い。
マイナンバー制度で企業が利用できるのは、マイナンバーそのものではない。
マイナンバー制度には、実は個人向けに4つの仕組みがある。
その4つの仕組みとは、まず1つは「マイナンバー(個人番号)」そのもの、2つめが「個人番号カード」、3つめがカード内蔵のICチップを利用する「公的個人認証」、最後に「マイナポータル」である。
このうち企業などによる活用が想定されているのは「公的個人認証」である。
自分が自分であることを国が証明してくれる機能で、いわばネットで利用できる印鑑や印鑑登録証明書のような役割を持つ。
①マイナンバー(個人番号)そのもの
②個人番号カード
③公的個人認証
④マイナポータル
の四つの種類があり、そのうち企業は公的個人認証を利用するのですね。
マイナンバーに関する誤解を解いて、正しく活用していきましょう!