マイナンバー提出を拒否された場合の事務手続き

会社は、源泉徴収票などの税務手続きや社会保障関係の手続きを進めるうえで社員のマイナンバーを回収しなければなりません。しかし、社員全員がマイナンバーを提出してくれるとは限りません。中には提出拒否といったケースも考えられます。事務手続きは行わなければならないのに・・・どうすればよいのでしょうか?

利用目的を明らかにして、社員からマイナンバーを提出してもらいましょう

女性のクレジットカード (28303)
事業者としては、個人番号の提供を拒んだ従業員に対して、「社会保障や税の決められた書類に個人番号を記載することは、法令で定められた義務である」ということを周知し、従業員に対して個人番号の提供を求める(督促する)ことが必要になります。また、そのことについて記録をしておく必要があります。

本人確認は必須です

通知カードに記載されたマイナンバーを提出してもらう際には、本人確認が必要です。
提出してもらうマイナンバーが社員本人のものなのかを確認する際には、運転免許証なども同時に提出してもらいましょう。
通知カードを使用して番号確認と本人確認を同時に行うためには、別に運転免許証や旅券等の本人確認書類が必要となります(通知カードは、番号確認のためのみに利用することができ、一般的な本人確認の手続において用いることはできません。)。
なお、番号確認と本人確認を1枚で行いたい方は、個人番号カードが便利です。
個人番号カードには、個人番号、住所、氏名、生年月日、性別の他、顔写真が記載されることとなり、番号確認と本人確認が1枚で行えます。交付手数料は当面の間無料です。
マイナンバーを取得する際は、正しい番号であることの確認(番号確認)と、手続きを行っている者が番号の正しい持ち主であることの確認(身元確認)が必要です。
原則として
1.個人番号カード(番号確認と身元確認)
2.通知カード(番号確認)と運転免許証など(身元確認)
3.マイナンバーの記載された住民票の写しなど(番号確認)と運転免許証など(身元確認)
これらのいずれかの方法で確認する必要があります。
また、本人に相違ないことが明らかに判断できると個人番号利用事務実施者が認めるときは、身元確認書類を不要とすることも可能です。ただし、省略可能なのは身元確認だけです。

税務関係や社会保障関係の書類作成にマイナンバーは必要です

企業は従業員のマイナンバーを取得し、社会保険関係の届出書や税務署への提出書類に従業員のマイナンバーを記載する必要があります。
取得できたマイナンバーは、給与所得の『源泉徴収票』や『雇用保険被保険者資格取得届』などの手続書類に記載して、税務当局やハローワークなどに提出します
どのような書類にマイナンバーを記載する必要があるのでしょうか。

税務上の書類では、所得税確定申告書に記載しなければなりません。つまり、2016年(平成28年)分は、2017年(平成29年)2月16日から3月15日までに、マイナンバーを記載したうえで、所得税確定申告書を提出することになります。(還付申告は、2017年1月1日から提出可能)

社会保障に関する届出書類にも、マイナンバーを記載することになります。

健康保険・厚生年金保険では、加入するときの「健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届」や、逆に取り消すときの「健康保険・厚生年金保険被保険者資格喪失届」などについて、2016年(平成28年)1月1日提出分から、マイナンバーを記載することになります。

マイナンバーを提出したくない人が出てくる可能性も

マイナンバー制度が始まる前から問題視されている「社員のマイナンバー提出拒否」。
副業がばれてしまうといった理由からマイナンバーを提出したくないと考える社員も少なくはないでしょう。

マイナンバー提出拒否、会社としてどうするべき? – マイナンバー大学

マイナンバー提出拒否、会社としてどうするべき? - マイナンバー大学
マイナンバーを提出したくない人が一定の割合でいると考えられます。会社として提出してもらえないと、業務に支障が出てしまいます。強制的に提出をさせる罰則はありませんが、社員にマイナンバー制度の教育を徹底することから始めましょう。

もしもマイナンバーの提出を拒否されてしまったら? | 総務 | 総務・法務 | 企業実務オンライン – 企業の経理・税務・庶務・労務担当者の実務情報メディア

もしもマイナンバーの提出を拒否されてしまったら? | 総務 | 総務・法務 | 企業実務オンライン – 企業の経理・税務・庶務・労務担当者の実務情報メディア
中小企業とその社員のためのマイナンバー対応Q&A 第9回 会社が従業員等からマイナンバーを集めることができない場合であっても、会社に対する罰則はありません。とはいえ、安易にマイナンバーの記載のない書類を提出するのではなく、従業員に対してしっかりとマイナンバーの提供を促すことが求められています。

マイナンバーを提出してもらえなかった場合に、事務手続きはどうすればいいの?

税務関係の書類を作成する担当部署にとって、社員のマイナンバーの提出拒否は頭の痛い問題です。マイナンバーを記載しなくても大丈夫なのでしょうか?
医療法人設立の融資に必要な書類作成|税理士法人 東京会計コンサルティング (28306)
拒まれるなどして取得できなかった分については、個人番号欄を空欄にした状態で、手続書類を提出します。
マイナンバーを取得できなかった場合でも、雇用保険や健康保険に加入させなかったり、給与を支払わないということはしないで、そのまま手続を進めなければなりません。
また、『いつ、誰が、誰に対して、マイナンバーの提出を求めたが、提出を受けられなかった』という事実関係や経緯を記録し、保管しましょう。
Q4-2-5 税や社会保障の関係書類へのマイナンバー(個人番号)の記載にあたり、事業者は従業員等からマイナンバーを取得する必要がありますが、その際、従業員等がマイナンバーの提供を拒んだ場合、どうすればいいですか?
A4-2-5 社会保障や税の決められた書類にマイナンバーを記載することは、法令で定められた義務であることを周知し、提供を求めてください。それでも提供を受けられないときは、書類の提出先の機関の指示に従ってください。
【国税庁】
https://www.nta.go.jp/sonota/sonota/osirase/mynumberinfo/jyoho.htm
【厚労省】
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000063273.html
申告書等に個人番号・法人番号を記載していない場合、税務署等で受理されないのですか。

申告書や法定調書等の記載対象となっている方全てが個人番号・法人番号をお持ちとは限らず、そのような場合は個人番号・法人番号を記載することはできませんので、個人番号・法人番号の記載がないことをもって、税務署が書類を受理しないということはありません。

マイナンバーの提出を強制してもいいの?

マイナンバーの提出を拒否した社員に対して、罰を与えたりすることはできません。
ただし就業規則にマイナンバーの提出がある場合には社員は義務になるので注意しましょう。
ゴールドカードを持つことのデメリット | ゴールドカードおすすめ探求「Q-MUNITY」 (28311)
「それでもなお、提供を受けられない場合は、提供を求めた経過等を記録、保存するなどし、単なる義務違反でないことを明確にしておいてください。」とあるので、どうしても拒否したい場合は拒否できるとも考えられます。
ただし、会社からの心証は悪くなるでしょうし、就業規則(きちんと機能していればの話ですが)に「マイナンバーを提出すること」が記載されていると、会社の法律として義務づけられます。
マイナンバーの届け出を拒否したら、なんらかの罰則があるのでしょうか。

答えは、法律的にはありません。また、就業規則でマイナンバーの届け出義務を定めていても、それを理由とした解雇はできません。

では、届け出ないでいいのかというと、おそらく会社から何度もマイナンバーの説明を受けて、届け出を求められることになりますので、出すことになるでしょう。

税制上の記載ですが、書類にマイナンバーを記載しなくても今のところ特に罰則はありません。他のサイトでもいくつか確認してみましたが、会社へのマイナンバー提出・通知は強制ではなく、拒否による罰則もない。とのことでした。

あなたにオススメのコンテンツ



シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする