マイナンバー制度が開始し、企業内ではその担当者は関連した業務に追われていることでしょう。新しい制度なので今後の動きにも注意しながら、情報集めや知識を増やしていくことも必要になることと思います。そんな中、マイナンバー検定を受ける人が増えているのはご存知でしょうか。
マインナンバーとは?
マイナンバーって、何?何のために導入されるの?マイナンバーは、住民票を有する全ての方に1人1つの番号を付して、社会保障、税、災害対策の分野で効率的に情報を管理し、複数の機関に存在する個人の情報が同一人の情報であることを確認するために活用されるものです。
マイナンバーは、行政を効率化し、国民の利便性を高め、公平かつ公正な社会を実現する社会基盤であり、期待される効果としては、大きく3つあげられます。1つめは、所得や他の行政サービスの受給状況を把握しやすくなるため、負担を不当に免れることや給付を不正に受けることを防止するとともに、本当に困っている方にきめ細かな支援を行えるようになります。(公平・公正な社会の実現)
2つめは、添付書類の削減など、行政手続が簡素化され、国民の負担が軽減されます。また、行政機関が持っている自分の情報を確認したり、行政機関から様々なサービスのお知らせを受け取ったりできるようになります。(国民の利便性の向上)
3つめは、行政機関や地方公共団体などで、様々な情報の照合、転記、入力などに要している時間や労力が大幅に削減されます。複数の業務の間での連携が進み、作業の重複などの無駄が削減されるようになります。(行政の効率化)
情報が集約されることで、行政手続きが簡素化されることになり、面倒が減るのはメリットですね。
企業は従業員のマイナンバーを取り扱うことになります
パートやアルバイトを含めてです。
2016年1月から「マイナンバー制度」がスター
トしました。これによって、従業員に給料を支
払っている事業者は、従業員のマイナンバーが
必要になります。なぜなら、事業者が税務署に
提出する平成28年分以後の「給与所得の源泉徴
収票」などに、給料を支払っている従業員のマ
イナンバーを記入しなければならないためです。
※給与所得の源泉徴収票などに従業員のマイナンバー
を記入することは、すべての事業者に義務づけられてい
ます。たとえ個人商店や個人事務所であっても、従業
員がいる事業者は、従業員のマイナンバーが必要です。
給与所得・退職所得の源泉徴収票作成事務
雇用保険届出・申請事務
健康保険・厚生年金保険届出・申請事務
国民年金の第3号被保険者の届出に関する事務
労働者災害補償保険法に基づく請求に関する事務
このマイナンバーは他人に知られたり流出させることは許されません。
マイナンバー教育の必要性
担当者や少しでも業務に携わる社員は、特に詳しくなっておきましょう。
現状を把握しておくのはもちろん、今後の情報にも敏感に反応出来ることが望ましいです。
従業員教育というと、研修が代表的であろう。研修を受講すると、マイナンバーに関する体系的な理解が得られ、マイナンバーを実際に取り扱う際の参考になると考えられる。しかし、一般的な解説を聞くだけの研修では、従業員が「自分がやるべきこと」を理解できずに終わってしまうおそれもある。そこで、従業員教育として、自分の業務の中で具体的に何に気を付ければよいか、自社の取扱規程をマイナンバー担当者に対して説明するとよい。業務の中で自分がやるべきこと、やってはいけないことを理解できるような教育を行う。
さらに、マイナンバーをはじめとする個人情報の不正事案に関する新聞報道などを基に、他社における事例を解説するなどマイナンバー担当者がマイナンバー保護、個人情報保護を身近なこととして捉えられるような研修内容にすることが望ましい。
また、研修は一度行えばよいというものではなく、マイナンバーを取り扱う以上、定期的に行うことが求められる。さらに研修はマイナンバー担当者に対してのみ実施すればよいものではない。担当者以外は、原則としてマイナンバーを取り扱うことができないため、その点も含め、全従業員に周知することが求められる。
セキュリティを語るとき、最大の弱点は「人」だと言われます。体制やシステムがいかに整おうとも、それを運用する人を適切に監督し、担当者個々の意識を高めていかなければ、適切な取扱いとは言えません。そこで、次のような人的安全管理措置が求められています。4-1.事務取扱担当者の監督
事業者は、マイナンバー等が取扱規程などに基づき適正に取り扱われるよう、事務取扱担当者に対して必要かつ適切な監督を行うことが義務付けられています。4-2.事務取扱担当者の教育
事業者は、事務取扱担当者に、マイナンバー等の適正な取扱いを周知徹底するとともに、適切な教育を行うことが義務付けられています。
「事務取扱担当者への監督と教育」が義務となっています。しかし、社内でマイナンバーを管理していくには、「全社員に対して監督と教育」を行うのがより適当です。
そのため、人的安全管理措置として、具体的には行うべき対策は次のようなものがあります。
マイナンバー取扱いに関する研修を従業者に対して行う。
マイナンバー情報の秘密保持に関する事項を就業規則等に盛り込む。
マイナンバー管理は企業の信頼性に直結しているので、マイナンバー事務担当者への教育は必須です。上記の対策はあくまで例ですが、事務担当者以外にも全従業員に対しても教育を行うべきだと考えられます。
それでは、どのように従業員に教育をするのか?ということですが、これには明確な基準は設けられておりません。
例えば、勉強会を開いても良いですし、マイナンバーに関する小テストを行っても良いです。個々の企業の実情に合わせものを行ってください。
マイナンバー情報を記録したメディアや書類の取り扱いに関する物理的対策や、外部/内部からの脅威に対するITによる技術的対策だけでなく、マイナンバーなどの重要情報の管理には、教育や啓発などの人的・組織的な対策が不可欠です。そのため、情報の取得から管理、廃棄に至るまでの情報ライフサイクル全体を通じた組織全体での取り組みが必要であると考えています。
その為、社内教育には力を入れる企業が今後ますます増えるでしょう。
知識不足や対応不足により、マイナンバーが漏洩したり、扱いを間違える可能性は十分にあります。
「よく分からない」「知らなかった」では済まされません。
マイナンバー検定とは?
もちろん独自に調べたり、マイナンバーについて詳しく解説している教則本も多く販売されていますので、利用するのも良いでしょう。
そして、最近注目なのは、マイナンバー検定です。
誰でも受験することが出来るのですが、企業でマイナンバーを扱う業務の担当者が持っておくと良い検定です。
企業によっては積極的に受験を勧めているところもあるようです。
マイナンバー検定試験は、2016年1月からスタートするマイナンバー制度を正しく理解し、特定個人情報を保護することにより、大切なマイナンバーを適正に取り扱うことができるかどうかを判定される試験です。全日本情報学習振興協会が主催する試験で、民間資格とされています。検定試験は実務に直接携わらない一般社会人レベルである「実務検定3級」から、企業・官公庁の実務者レベルとされる「実務検定1級」まで用意されていて、どの級からも受験することができるため、自分のスキルにあったレベルからスタートすることができます。
検定の対象としては、主に会社の人事部や総務部など、マイナンバーを含む特定個人情報を直接取り扱う担当者や行政機関などの職員、またシステム担当者が考えられています。また、マイナンバー実務検定を受けるよう職員に勧める会社も増えているようで、これから情報セキュリティに関する資格として注目されています。
検定の学習を通して、職場に大きく貢献できる人材となることができます。今後は必ず必要となるマイナンバー制度ですが、現在は、理解している人材がまだまだ不足しています。
マイナンバー検定試験の受験学習を通して、あなたは、確実にマイナンバー利用と保護に関する知識を身に付けることができます。
それは新しい時代の流れに適応できる、有能な人材であることの証明となり、社内業務における優位性をアピールすることができます。
今、現代人に必要な資格の一つと言えるでしょう。
難易度は?:
1級、2級:★★☆☆☆(やや易しい)。
3級:★☆☆☆☆(やさしい)。
3級の合格基準は70%以上の正答率ですが、1級、2級に関しては80%以上の正答率となっており、厳しめとなっています。そのため合格するためには取りこぼしのないようにしっかりと対策しておく必要があります。
就職は?:
この資格だけで就職を狙うのは無理ですが、企業において重点を置いているインターネット上の情報漏洩、不適切な利用などにおける企業のイメージダウンを防止する上でも、就職時などにこの資格を持っていることで、情報におけるセキュリティ意識の高さをアピールすることができます。
安心して大切なマイナンバーを預けられる人材が企業には必要です。