中小企業に向けて、マイナンバーの『利用』と『提供』の違いをまとめました。
マイナンバーの『利用』と『提供』の違い
マイナンバーが含まれている個人情報のことを特定個人情報といいますが、特定個人情報を使用するといっても、使用することが「提供」にあたるのか「利用」にあたるのかによって、制限される内容が異なります。
提供と利用のボーダーラインは、特定個人情報が法的な人格を超えるかどうかとなります。特定個人情報が法的な人格を超えれば「提供」となり提供制限を受けることになります。特定個人情報が法的な人格を超えなければ「利用」となり利用制限を受けることになります。
「提供」の意義について
「提供」とは、法的な人格を超える特定個人情報の移動を意味するものであり、同一法人の内部等の法的な人格を超えない特定個人情報の移動は「提供」ではなく「利用」に当たり、利用制限(番号法第9条、第28条、第29条第3項、第32条)に従うこととなる。
本人から会社へ特定個人情報が移動することは「提供」となります。本人という法的な人格を超えて事業者である会社へ特定個人情報が移動することになるからです。提供に当たる場合は提供制限を受けるため、事業者は提供の要求(番号法第14条)や提供の求めの制限(番号法第15条)に従うこととなり、本人は事業者の求めに応じて「特定個人情報を提供できる場合」に提供することとなります。
マイナンバー提供について
マイナンバー法では、マイナンバーの利用範囲は、社会保障、税、災害対策に限定されており、事業者は、社会保障及び税に関する手続書類の作成事務を行う必要がある場合に限り、本人などにマイナンバーの提供を求めることが可能とされています。
マイナンバー法では、従業員などから提供を受ける個人番号を含む特定個人情報を、法律で限定的に明記された場合を除き提供してはならないとされているため、事業者が特定個人情報を提供できるのは、社会保障、税及び災害対策に関する特定の事務のために従業員等の特定個人情報を行政機関等及び健康保険組合等に提供する場合等に限られます。
それでは、いったいどんな場合に、マイナンバー(個人番号)を利用することができるのでしょうか?
1.個人番号利用事務
個人番号利用事務とは、主として、行政機関等が、社会保障、税及び災害対策に関する特定の事務において、保有している個人情報の検索、管理のために個人番号を利用するものです。事業者においては、健康保険組合等の一部の事業者が法令に基づきこの事務を行うことになります。2.個人番号関係事務
個人番号関係事務とは、主として、事業者が、法令に基づき、従業員等の個人番号を給与所得の源泉徴収票、支払調書、健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届等の書類に記載して、行政機関等及び健康保険組合等に提出する事務が該当します。およそ従業員等を有する全ての事業者が個人番号を取り扱うこととなります。
マイナンバーを提供できる範囲
1. 個人番号利用事務実施者から提供される場合
via yajidesign.com
個人番号利用事務実施者が、個人番号利用事務を処理するために、必要な限度で本人、代理人又は個人番号関係事務実施者に特定個人情報を提供することが認められています。例えば、個人番号利用事務実施者である市区町村長は、住民税を徴収(個人番号利用事務)するために、事業者に対し、その従業員等の個人番号と共に特別徴収税額を通知することができます。
2. 個人番号関係事務実施者から提供される場合
個人番号関係事務実施者は、個人番号関係事務を処理するために、法令に基づき、行政機関等、健康保険組合等又はその他の者に特定個人情報を提供することが認められています。例えば、個人番号関係事務実施者である事業者は、「給与所得の源泉徴収票の提出」という個人番号関係事務を処理するために、従業員等の個人番号が記載された給与所得の源泉徴収票を2通作成し、1通を税務署長に提出し、他の1通を本人に交付する必要があります。
3. 本人又は代理人からの提供される場合
本人又はその代理人は、個人番号関係事務実施者又は個人番号利用事務実施者に対し、本人の個人番号を含む特定個人情報を提供することが認められています。例えば、給与の源泉徴収事務、健康保険・厚生年金保険届出事務等のために、個人番号関係事務実施者である事業者に対し、自己又はその扶養親族の個人番号を書類に記載して提出する必要があります。
いかがでしたでしょうか?
マイナンバーの利用・提供についての理解が深まれば幸いです。
これからの時代、マイナンバーは重要な社会基盤となっていくでしょう。
だからこそ、マイナンバーに関する知識はとても重要なものになります。
ぜひ正しい知識を身に着けてください!
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これからの時代、マイナンバーは重要な社会基盤となっていくでしょう。
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