福祉施設利用者のマイナンバーはどう扱うの?

マイナンバーは、それぞれの個人にとって非常に重要な存在です。ですが、福祉施設の場合、自分の事を正しく判断しづらい状態にある利用者さんも多いです。その時はどのように扱えば良いのでしょうか?

現在の住所で受け取ることができない場合には

本来後見人を必要とする状態でありながら後見人が居ない、場合によっては家族すらいないという介護サービスの利用者に対し、マイナンバーの通知カードが直接送られてきたときにどうなるかという問題は、全国民に配布するという建前を選択した以上、国としても当然考えておかなければならないことであるはずです。
やむを得ない理由により、住民票の住所地において通知カードを受け取ることができない次のような方は、居所地へ通知カードを送ることが可能です。
東日本大震災による被災者で、居所地へ避難している方
DV等被害者で、居所地へ移動している方
長期間にわたって医療機関・施設等に入院・入所することが見込まれ、かつ、入院・入所期間中は住所地に誰も居住していない方
上記以外の方
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国が呼びかける「居所情報登録」

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施設で生活する場合に、そちらへの配達が可能ですが、
自分で手続きすることができない場合があります。

そのような利用者さんがいる施設の介護職員へ、国がお手伝いを呼びかけています。

2015年10月5日に始まるマイナンバー制度に関して、厚労省はこのほど、日本医療法人協会に対し、通知カードを入院先で受け取る患者の事務手続きを進めるよう依頼する通知を出した。制度開始時以降少なくとも11月末までは入院している見込みがあって、かつ入院期間中は住民票の住所に誰もいない患者については、通知カードを医療機関・施設宛に簡易書留で郵送する必要があるため、8月24日から9月25日までに「居所情報登録申請書」を市町村へ郵送または持参するよう協力を求めている。

利用者さんのマイナンバーを収集する方法

必要書類としては、①通知カードと写真付き身分証、②通知カードと保険証と公共料金の領収証、③通知カードと保険証と住民票(この場合はマイナンバーの記載は不要)、④マイナンバーの記載のある住民票と保険証(又は公共料金の領収証)などに分類できます。

家族がいない場合には

委託契約を締結できないので、マイナンバーは記載することはできません。マイナンバーを記載しない理由を書面化しておくほか、通知カードは開封せずに金庫で保管しておくことになります(施設側が保管する根拠としては民法697条の事務管理となります)。
なお、市町村長申立てによる成年後見人の選任について検討するのが良いでしょう。
家族はいないけれども、成年後見人がいる場合には、
マイナンバーの通知カードが成年後見人に届く仕組みですので、確認してください。

マイナンバーを収集できない場合には

①いつ、②誰に、③どのような手段(手紙、電話など)で依頼したかを記録しておく必要があります。これは、仮に漏えいなどが問題となった場合、提出を受けていないことを明確にして、損害賠償責任を負わない証拠とする意味があります。
利用者さんに届いたマイナンバーカード情報を、勝手に開けたり利用してはいけません。

スタッフの不安に向き合うことが大事

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現時点では「故意」によるものが対象であり、過失の場合は刑事罰に問われることはありません。
「故意」とは、相手が不利になることを分かっていながら、わざとその行為をすることです。
「過失」とは、うっかりミスなど、悪気は無かったけれども結果的に悪いことになってしまった場合です。
番号法第67条以下は、他者の個人番号を正当な理由なく外部に提供したり盗用する様な、いわゆる「故意犯」の場合に厳しい刑罰を科していますが、うっかり漏えいさせてしまう「過失犯」を処罰する規定はありません。あまり意識が緩んでしまってもいけませんが、介護現場の職員には「もし万が一漏えいさせてしまっても、わざとでなければ処罰はされません。」等とアナウンスすることで過剰な警戒や萎縮等の心理的負荷を軽減させることができるでしょう。
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