企業のためのマイナンバー知識

企業がどのようにマイナンバーに対応しているのかをまとめました。また対応が停滞する理由もまとめました。

従来のシステム

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マイナンバーが適応される前のシステムは、社会保険、運転免許、住民税がそれぞれバラバラで全くつながりがありませんでした。
年金手帳には基礎年金番号がつけられ社会保険庁で使われています。各省庁で個人を管理するための番号をつけていますが、省庁内でだけ使っている
自動車運転免許には「第」で始まり「号」で終わる12桁の番号がついています。番号は初めて免許交付を受けた都道府県の公安委員会のコード(東京は30)や取得した年の西暦下2桁などで構成されています。
市町町で住民税の計算をする時は国税庁から確定申告書の情報をもらって住所・氏名・生年月日・性別から個人を特定しています。

国税と住民税(地方税)では統一した番号がないのでコンピュータは使えず、人海戦術で行っています。

これらの手続きが、マイナンバー導入によって一元化され、効率化されます。

社会保険未加入企業のあぶりだし

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会社というのは、従業員を一人でも雇っていれば、社会保険に加入しなくてはなりません。

社会保険に加入していない企業は、その時点でブラック企業だと認定されます。そういう会社は従業員のもしもの時のことを責任を取ってくれません。

マイナンバー制度では、この社会保険の実加入が一発でわかるので、ブラック企業があぶり出されます。

たぶん、怪しい違法なお店や、ちょっとわけありの外国人の経営しているレストランなどは、アウトなところがでてくるかもしれませんね……。

なかなか進まない企業内のマイナンバープロジェクト

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マイナンバーは個人に対する支払いや謝金の支払い調書にも記載する必要がある。個人から土地を借りて利用している地方企業や、スーパーの売り場に派遣の販売員を送り込んでいる食品会社も、本人確認をしてマイナンバーを集めなければならない。社内業務を洗い出してみて、初めて対象業務が多数の部署に散在している事実が判明する企業が多い。

 「実務対応セミナー」の講師であるNRI制度戦略研究室の塚田秀俊・上級研究員によると、多くの企業で人事やシステム部門が対応を始めても、1カ月ほど経過すると検討が止まる企業が多いという。経理やセキュリティなどの担当外の分野に議論が及ぶためだ

コストがかかるマイナンバー収集

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マンパワーでは、役員の了解を取り付けて本社管理部門の部長や課長級を集めた会議を発足したものの、実務では各部署で意見の相違も浮上した。コンプライアンス部門は高いセキュリティ対策を求めたものの、人事厚生部門からはコストがかかって事務処理が円滑に進まないと異論も出たという。
従業員からマイナンバーを集める際に「送った」「送られていない」というトラブルを避けるには、郵送記録が残る簡易書留を利用するしかない。そうなれば基本料金に310円を加算したコスト負担が避けられない。同様に例えば、金融機関が顧客からマイナンバーを集める際も簡易書留を利用するかは経営判断が必要となる。

それでも2016年1月にスタートしてしまう!

2016年1月にスタートする「マイナンバー」制度。国民一人ひとりに番号を割り振り、税や社会保障などの分野で活用する制度で、国内のあらゆる企業が対応を迫られる。導入までほぼ1年に迫ったが、準備は遅々として進んでいない。

 マイナンバーの罰則は厳しい。取り扱いをおろそかにすると従業員が逮捕されたり、企業が罰金刑に処せられたりする恐れもある。さらに2016年からは、アルバイトを雇う際にもマイナンバーが必須となる。

日経ビジネスオンラインで3回にわたり「マイナンバー制度で企業はどう変わる」を連載した、野村総合研究所の梅屋真一郎氏に話を聞いた。

罰金刑以上の罰則対象になった企業は、行政機関の調達ルールに抵触する恐れがあります。企業の存続が問われる可能性すらあるのです。どのようにマイナンバーを収集し管理すべきなのか、社内のルールを早急に決めておく必要があります
あらゆる企業は、この制度から逃れることはできません。これから1年程度の間に制度対応を進める必要があります。仮に不十分だった場合、税金が払えなかったり社会保険の手続きが行えなかったりといった事態に陥ります。
企業にとってはとてもつらいですね。対応しきれなかったら、税金が払えない、社会保険の手続きが行えないなんて、窮地に立たされてしまいます。

企業は急ピッチで対策に追われ、マイナンバーシステムが定着して皆が慣れるまではずっと神経を使いそうですね。

漏洩での厳しい罰則もリスクでしかありません。

マイナンバーの民間利用も

 民間事業者でも、従業員やその扶養家族のマイナンバーを取得し、給与所得の源泉徴収票や社会保険の被保険者資格取得届などに記載して、行政機関などに提出する必要があります。また、証券会社や保険会社が作成する支払調書、原稿料の支払調書などにもマイナンバーを記載する必要があります。
民間利用の話も出ていますが、どうなりますか?

 民間利用については、法律施行後3年をめどに、その段階での法律の施行状況等をみながら、検討を加えたうえで、必要があると認めた場合には、国民の皆様の理解を得ながら、所要の措置を講じることにしています。

 なお、番号法は段階的に施行されますが、ここでいう「法律施行」の時期は、マイナンバー(個人番号)をお知らせする2015年10月5日になります

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