セキュリティーの完備が重要視されるべきはずのマイナンバー制度ですが、企業ではまた手が回っていないところも多いのが現状です。セキュリティーを整備するうえで、どのような点に気を付けるべきでしょうか
マイナンバーの様々なメリット
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マイナンバーは、住民票を有する全ての方に1人1つの番号を付して、社会保障、税、災害対策の分野で効率的に情報を管理し、複数の機関に存在する個人の情報が同一人の情報であることを確認するために活用されるものです。
マイナンバー制度は、マイナンバーのキャラクターであるマイナちゃんという可愛らしいうさぎの活躍もあって国民に幅広く周知されるようになってきました。
しかし、細かい活用方法は知らない人の方がまだ多いでしょう。
多くの人は、行政としては色々なメリットがあるとしても、自分には直接関係のない制度だと思っているかもしれません。
ですが、実はマイナンバーによって個人もかなりメリットがあるのです。
その一つは、予防接種や年金などの情報が行政によって簡単に照会できるようになったことです。
これによって年金の手続きミスや予防接種を受けるべき人が受けていないといったような、行政の漏れを防ぎ個人が損をすることがなくなります。
この様な点で有効にマイナンバーは活用されていきます。
マイナンバー法によって公平・公正な社会に
「マイナンバー制度」の導入で、国は「公正・公平な社会の実現」につながるとしています。マイナンバーを使えば、複数の仕事を持つ人の所得や家族全体の収入を把握しやすくなります。このため、所得の過少申告や、生活保護の不正受給などの防止につながり、本当に困っている人へのきめ細かな支援もできるとしています。
何かと不安面ばかりが強調されるマイナンバー法ですが、このように社会にとって大きなメリットがあります。
セキュリティー面について
マイナンバー制度の導入にあたって非常に不安視されているのがセキュリティ面です。政府はセキュリティの保証のために実に様々な運用規定や厳しい違反罰則規定を設けていますが、実際に重要な情報を預かり運用するのは企業の責任です。マイナンバー制度導入により漏洩事故のインパクトは従来よりも大きなものとなることが予想され、それを未然に防ぐ企業努力と堅牢な仕組みづくりが最重要課題になってきます。しかしながら、多くの企業では新制度への業務システムの追従に追われており、セキュリティ面への対策は後回しの課題になっているのが現状です。
後回しにされがちなセキュリティー対策ですが、漏えいのリスクやその被害を考えるとないがしろにはできません。
取り扱い規定の制定
結局は、それぞれの段階で、例えば、特定個人情報等を取得するとき、利用するとき、保存するとき、廃棄するときに、どのようにして処理するかといった取決めをすることになると思います。そして、それを文書化してまとめて出来上がったものは、結果的に、「取扱規程」と同じようなものになるはずです。
管理や廃棄などの工程をマニュアル化し、それらをまとめ取り扱い規定の制定をしましょう。
対策の例
マイナンバー管理のセキュリティ対策例管理するパソコンには「ログインパスワード」を付与する
管理するパソコン本体は「鍵のかかるロッカー」に入れる
管理するパソコンには「セキュリティソフト」を入れる
エクセルなどにまとめた場合は「データにパスワード」を付与する
データを外部にメールで送信する場合は、パスワードをデータと一緒に送信しない(誤送信による漏えいを防ぐため)
紙出力したものは「鍵のかかるロッカー」に入れる
マイナンバーの取扱状況のわかる記録を保存する(例:11月30日 年末調整に使用)
退社した社員については速やかに番号を破棄する
事務作業をするパソコンは、後ろから他の人が見えない位置に配置する
これらのように様々な対策があります。
セキュリティー対策も取り扱い規定に書き、社員に知らせる仕組みを作りましょう。
セキュリティー対策も取り扱い規定に書き、社員に知らせる仕組みを作りましょう。