マイナンバー悪用事例を紹介し、その危険性と対策を示唆します。
マイナンバー、本当に大丈夫??
日本のマイナンバー制度は他国の悪用事例を踏まえ練り上げられた最先端のものであると政府は公言しています。しかし多くの不安要素を抱えている事は否定出来ません。
日本の場合マイナンバーによる各種手続きは番号+運転免許証などの身分証を組み合わせて初めて認められるので、番号単体が漏洩したからと言ってクレジットカードや携帯電話の不正取得などの民間サービスで悪用される確率は低いと言われています。しかし番号漏洩により税金の支払い状況、年金や生活保護費の受給など行政サービスとのやりとりが明るみになり、詐欺や恐喝などの被害を受ける可能性が考えられます。
マイナンバー漏洩のリスク
危惧されるマイナンバー情報の漏えいや不正利用企業では多くのマイナンバー情報を管理することになりますが、危惧されるのは情報漏えいや不正利用の問題です。対策を怠り、マイナンバーを含む個人情報(以下、特定個人情報)の情報漏えいが発生した場合、信用の失墜、企業イメージの低下、損害賠償、マイナンバー法(※)による厳しい刑罰が待っています。
「外部からの攻撃リスク」と「内部からの情報漏えいリスク」マイナンバーは将来的に利用範囲も拡大し、より個人のさまざまな情報と結びつくため、狙われる危険性が高まります。また情報漏えいによる影響や被害も大きくなることが想定されます。それゆえ、企業はマイナンバーの管理にあたり、さまざまなリスクが伴うことを認識しなくてはなりません。悪意ある「外部からの攻撃リスク」に加え、「内部からの情報漏えいリスク」にも目を向ける必要があります。
どんな悪用例があるのでしょうか……?
●韓国では情報流出が問題化昨年、日本の大手通信教育会社から流出した3,000万件以上の個人情報が社会問題化したことは記憶に新しいが、韓国のマイナンバーにあたる「住民登録番号」の情報流出は、現在まで確認されただけでも3億7,400万件にも及ぶという発表もある。
これは韓国の人口の5,000万人を軽く上回る数字で、単純計算で国民ひとりあたり7回は情報が漏れているということだ。流出した情報は他の個人情報と結び付けられ、様々な目的で利用されているという。
日本でも、マイナンバーを企業が取り扱うようになることから、安全面での対応を迫られているが、対応が完了している企業は今年4月時点でまだ2割という調査もある。
日本でも銀行の口座とひも付けるなど、民間利用が始まる見込みだ。これまでも、落とした保険証などを悪用されて、消費者金融で借金を作られるなどの悪用事例はあったが、マイナンバーの悪用はそれどころじゃ済まない可能性もある。
もっとも恐ろしい悪用例は「なりすまし」
「なりすまし」犯罪の原因は?「なりすまし」犯罪の原因は、個人情報の流出です。日本でも今年5月に日本年金機構から125万件の個人情報流出、過去にも大手企業から大量の個人情報が漏れています。
こういった個人情報の大量流出は、国や企業が原因ですが、被害があった場合どう責任をとってくれるのでしょうか??個人の責任で流出しているわけではないので、余計イライラしますよね(怒)…
アメリカでの導入は1936年と古く、呼称は「社会保障番号(SSN=Social Security Number)」と呼ぶそうです。実はこのSSNの制度、アメリカでは大きな社会問題となっており、この番号を使っての「なりすまし犯罪」が横行しているそうです。
SSNのヤミ売買、垂れ流し、犯罪者の手に渡るなどが横行しており、
国外へ派遣された軍人が、任務を終えて故郷へ帰ると、何者かにSSNを使われて信用口座を開設され多額の焦げ付きがあった。
そればかりか、信用情報機関のブラックリストに登録されてしまって新規にクレジットカードも作れない状況に。患者が医療機関で呈示したSSNを職員が盗用、成りすまし犯に悪用される。
他人のSSNを悪用した成りすましの不正申告。
ローン地獄に陥っている親がわが子のSSNで信用口座を開設し焦げ付かせ、その子が青年に達して銀行口座を開設しようとしたときにはじめて自分のSSNが信用情報機関のブラックリストに登録されていることを知ったという事例、等々
これは一般人にはあまり関係のないことですが。
「成りすまし」で懸念していることあります。反社会的団体が、成りすましビジネスを
既に展開しているのではないかということ。いわゆる生活保護ビジネスのように
ホームレスの方に住所を提供します。そして、マイナンバー通知カードをそこに送らせる。
次に、個人番号カード(マイナンバーカード)を
「成りすましの別人」の顔写真で発行申請します。
自治体に個人番号カードが届いたら、
成りすましの別人が取りに行きます。個人番号カードの顔写真は成りすましの人。
自治体からの通知と医療券があれば、
複数官庁からの書面による本人確認もOK。
通知カードもある。晴れて、成りすましで公的な本人確認証明書が取れました。
生活保護費は銀行振り込みでも大丈夫だから
ホームレスの方への影響はありません。公的証明書だから、成りすましをしようとする人間から見れば
相当高額を払っても欲しいものでしょう。
テロ犯だって使いたがるはずです。
一方、ホームレスの方から見れば
名義貸しだけで小遣い稼ぎができるのだから
一見、おいしい話だと思うでしょう。この悪用の方法は、相当にリアリティがあると思ってます。
というか、おそらくもう始まってるんじゃないかと。
始まる前から詐欺続出ですが、
そこだけに目を向けてしまうと、もっと大きな問題が
隠されたままになってしまいます。
マイナンバーが悪用されるのを少しでも防ぐために出来る事
マイナンバー制度で悪用されないように対策すべき事10選を具体的に紹介していきます。
マイナンバーを他人に教えない最もシンプルな方法ですが、できるだけマイナンバーは他の人に教えないようにしましょう。
勤務先の管理方法が万全か確かめる
マイナンバーは必ず勤務先に告知しなければなりません。
しかし、導入されたばかりでしっかりと管理できていない会社も多いはず。
勤務先の管理方法に疑問が残る場合などしっかりと確認しておきましょう。
シュレッダーを活用する
マイナンバー制度導入によって本人確認が簡単になるので便利ですが、なりすましによって悪用される懸念があるため生年月日や住所などをむやみに公表しないことが大切です。
個人情報が記載された紙類は、そのままゴミに出すのではなく必ずシュレッダーをかけるようにしましょう。
顔写真をむやみにインターネット上にアップしない
SNSは身近なコミュニティーツールとして定着していますが、マイナンバー制度が導入されることで顔写真もひとつの個人情報となります。
むやみに自分の顔写真をアップするのは控えたほうがよさそうです。
マイナンバーの控えをとられていないか
民間サービスを受ける場合、不必要にマイナンバーの控えをとられていないか注意しましょう。
民間企業では、マイナンバーを使用することはできないことになっています。
それでも言葉巧みに聞き出す手口があるので「どうして必要なのか」をしつこく聞きましょう。
もし、不審な点があればきっぱりと断りましょう。
紛失したらマイナンバーカードを紛失してしまった場合は、悪用を防ぐためにもできるだけ早く住んでいる市町村長に届け出て再交付の申請をしましょう。
しっかり保管できているか時々チェックする
マイナンバーカードを落としてしまってはたいへん。
普段あまり使わないからと引き出しの中にしまいっぱなしという人もいるかもしれません。
そういった人は、時々マイナンバーがあるかどうか確認しましょう。
もしかすると空き巣に狙われる可能性もあります。
人に安易に渡さない
キャッシュカードのスキミングと同様に、マイナンバーの提出を求められても安易に渡さないことです。
当分の間、マイナンバーが必要な場所は行政にかかわるところと勤め先に限られています。
民間で提示を求められるところはないので、注意しましょう。
電話でナンバーを聞かれても教えない
現在の還付金詐欺などを応用した手法で、「還付金を受け取るためにはマイナンバーが必要」といって、マイナンバーを聞き出そうとする悪質な電話がある可能性もあります。
マイナポータルはセキュリティーが心配
マイナンバー制度ではマイポータルという制度があります。
これを使えば自分の情報をいつ、どことやりとりしたのかが確認できたり、行政機関が番号提供者のどんな情報を持っているのか確認できます。
パソコンやスマホでも簡単に見ることができます。
行政側の透明化にも役立つものですが、婚姻届けなどを出すことも可能ですから、漏えいした場合の怖さがあります。
まだまだ始まったばかりでセキュリティー面で不安があるので、マイナポータルは様子を見たほうがいでしょう。
まずは「1人1人が責任を持って管理をする事」が必要なわけですね。
(もっとも、そういう対策を万全に行っていたとしても漏洩してしまう時はしてしまうのですが……)