企業が従業員等のマイナンバーを取り扱うときの注意点

現在日本は、マイナンバーというものが全国へと広まり、知りたくなくても知らなければならなくなりました。そして、企業は従業員のマイナンバー情報を取扱い、管理しなければなりません。そんな時に注意しなければいけないこととは・・・?

企業が行うマイナンバー制度のための準備とは?

住民票を持つ者全員を対象に個人番号を付番し、個人を一意に特定することを可能とするマイナンバー法(番号法)が2016年1月から全面施行されることになる。すべての企業は官公署や自治体に提出する書面にマイナンバーの記載が義務付けられ、番号(個人番号と法人番号)を管理する仕組みおよび安全管理への措置が厳しく求められることになるだろう。猶予はあまりない。全面施行までの残された時間で、企業はすぐにでも制度対応に向けた準備をする必要に迫られている。
【情報提供】 政府広報オンライン(マイナンバー)│寺子屋長のマイナンバー最新情報局 2015 (23336)

まずは従業員からマイナンバーを受け取りましょう

企業側は、マイナンバーを従業員から取得するにあたってする準備などがあります。それを経て従業員1人1人のマイナンバーを管理するという義務があるのです。そのためには、従業員が強力すること、そして何よりも企業側がその仕組みをしっかりと理解しておくことが何よりも大事なのです。
取得の時期の問題。「いつ、どのタイミングで収集するか」です。従業員との関係でいえば、源泉徴収票等の書類は毎年提出されるものですから、毎年取得しなければならないのか、それとも入社時に取得しそれを毎年利用できるのかが問題となります。
株主との関係においても同様で、配当の際には支払調書を出しますが、その時点で取得するのか、あるいは株主になったときに取得してしまってよいのか、という問題が想起されます。
結論としては、従業員に対しては入社時に一度取得すればそれを毎年使うことができ、株主においても、株主になった時点で取得することができるとされています。つまり、入社したばかりや、株主になりたての時期であっても、将来源泉徴収票や支払調書を作成することが予定されているのであれば、前もって取得してもかまわないとされています。
平成28年1月以降、従業員の社会保険の手続き・源泉徴収・税金の納付・証券会社や保険会社等の金融機関での手続きなどを行う場合に、従業員や扶養親族などのマイナンバーを収集することとなります。
また、外部の方に講演や原稿の執筆を依頼し、報酬を支払い、報酬から税金の源泉徴収を行う場合は、外部の方からもマイナンバーの収集が必要です。
なお、法律で限定的に明記された目的以外で、特定個人情報を収集してはなりません。
マイナンバー詐欺事件発生。8割の企業が準備せず。そして、クラウドから情報漏洩・消失の恐怖。 - Everyone says I love you ! (23341)

マイナンバーを集めるときの注意点とするべきこと

収集は、はっきりした利用目的をもって、従業員の方に示して、行うことが必要です。
収集当初示した利用目的以外にマイナンバーを利用することは禁止されています。
目的の追加も本人への通知なしにはできません。
ただし、当初から複数の利用目的を示して収集しておくことは認められていますので、収集時には複数の利用目的を示して収集することをおすすめします。
個人番号カードの場合
1枚でマイナンバーの確認と身元確認が可能です。
個人番号カードを取得していない場合
通知カード+免許証orパスポート等で確認を行います。
通知カードを紛失している場合
住民票(マイナンバー付)+免許証orパスポート等で確認を行います。
「本人確認を行わなければならない」との規定への対応で、これが最難関だと思われます。個人番号を提供される場合、企業側は、必ず従業員である提出側の人物がその番号を所有する本人であることを確認する必要があります。確認は(1)番号確認、(2)身元(実在)確認の2点において実行されなくてはなりません。番号確認は、従業員が出してきた個人番号が正しいかどうかの確認で、身元(実在)確認は、窓口にやってきた従業員が実在する人物かどうかの確認です。
このように企業は従業員からマイナンバーを受け取るときに、本人確認をすることが最重要項目なのです。これが正確に行えないことには使えないようになりますので、企業側としてはここを一番注意しておきたいとこです。
マイナンバー対応について~セキュリティの観点から~ 第1回 マイナンバー制度(社会保障・税番号制度)とは? | NTTデータ先端技術株式会社 (23346)

受け取ったマイナンバーは要管理!

企業はマイナンバーを受け取り後、それを管理する義務があります。しかし、その管理方法を知っておくことでより重点的に管理をしやすくなります。方法を理解し、しっかり正確に個人のマイナンバーを管理しましょう!
原則としてマイナンバーを法に定められた利用範囲を超えて利用することはできませんし、特定個人情報(マイナンバーをその内容に含む個人情報をむやみに提供することもできません。また、マイナンバーを取り扱う際は、その漏えい、滅失、毀損を防止するなど、マイナンバーの適切な管理のために必要な措置を講じなければなりません。
企業が行政機関等に提出する書類はたくさんありますが、マイナンバー制度がスタートすると、税務関係や社会保障関係の書類には必ず当該従業員のマイナンバーを記載しなければなりません。
また、従業員以外についても、株主への配当や個人事業主に外注した際の支払調書などにもマイナンバーの記載が必要です。つまり、お金のやりとりがあった相手のマイナンバーは原則的に全部取得しなければいけないということです。
マイナンバーの情報漏えい防止に関しては、従業員のモラルだけで守れないことは、過去のさまざまな情報漏えい問題をみても明らかです。従業員への啓発や誓約書だけではなく、管理台帳などの事務的運用体制を組織的に行うようにすること、マイナンバーの閲覧、マイナンバーの情報が置かれている場所への部外者や関係者の不要な立ち入り禁止などの物理的な安全措置、および不正なアクセスなどを防止できるようにシステム上の安全措置を講じるようにします。
マイナンバー制度に伴うセキュリティの見直し - 特定個人情報の漏えい対策 | トレンドマイクロ (23351)