社会保険料未納問題!マイナンバーでバレたら支払い額はどのくらい?

マイナンバー制度の目的は税と社会保障の公平化がその一つです。マイナンバー制度による影響が最も大きいものとして社会保険未納問題があります。社会保険料を払っていない企業はマイナンバーによって割り出されて強制徴収されてしまい倒産する企業も出るのではないかと言われています。社会保険料未納がばれた場合、企業はどのくらいの額を支払うことになるのかチェックしてみましょう。

マイナンバーの目的の一つは年金未納対策!

しかしマイナンバー制度の真の目的は、行政の効率化と公平・公正な社会の実現です。つまり早い話が社会保険料と税の徴収強化にありま す。このうち社会保険料で大きな効果が見込ま れているのは企業の年金未納対策です。厚生年 金の場合、全国 250 万事業所のうち、およそ 80 万の事業所で保険料に未納があると厚生労働省 はみています。会社が従業員の給料から保険料 を天引きしていながら、それを国に正しく納め ていないとなれば、その従業員は納めた分に見 合った年金を将来受け取れなくなってしまいま す。マイナンバー制度では個人に番号が振られ るように、企業には 13 桁の法人番号が振られ ます。日本年金機構はこの番号を使って、国税 庁の持つ企業の源泉徴収データの中から従業員 に給料を払っているのに、厚生年金の保険料を 納めていない企業を簡単に割り出せるようにな り、加入指導や強制徴収などが行いやすくなり ます。
多くの事業所で保険料が未納され、税と社会保障の公平性の観点から問題視されています。マイナンバー制度の導入によってこれらの不公平が解消されることが期待されています。

民間企業の倒産ラッシュが始まる?

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一方で民間企業の場合、「マイナンバー導入後に倒産ラッシュが始まる恐れがある」と、社会保険労務士の北見昌朗(まさお)氏は警告する。

「民間企業の中には、売上げ不振などを理由に社会保険(厚生年金・健康保険)に加入していないと思われる企業が中小・零細業者を中心に約70万社ありますが、マイナンバー導入によって、そうした未納業者の社名や所在地が一気に炙(あぶ)り出されることになります。

その後、始まるのが社会保険料未納分の一斉徴収。その場合、社会保険料の時効は2年ですから、年金機構から“過去2年分の保険料”が徴収されることになります」

迫る、自治体の“マイナンバー破たん”と、企業の“マイナンバー倒産”の危機…。マジで大丈夫か、マイナンバー!?

マイナンバー導入によって社会保険の未納が解消された時、心配されるのが民間企業の倒産ラッシュです。やはり社会保険を未納している事業所は余裕がないところが多いので社会保険を納めることにより財政を逼迫させてしまうことが予想されます。

政府からすれば1兆8000億円の財源!

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仮に、正社員やまとまった時間働くパート従業員などの平均年収が300万円だとする。試算しやすいように社会保険料の割合を約30%とする(実際は 労使折半で、労働者は14.689%分《介護保険加入の被保険者の場合》を負担)。すると、労使合計で年間90万円になる。その「年間保険料90万円×200万人=1兆8000億円」ということで、現状、国は1兆8000億円も取りはぐれていることになる。財政事情が厳しい中、もし政府がそれらを回収できれば大助かりに違いない。

未納しているのは零細企業ばかり?

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では、どんな事業所が不正をして、社会保険料を納めていないのか? 

単純計算すると「未納者200万人÷事業所75万カ所=約2.6666……人」ということで、従業員が2~3人程度の零細企業のイメージが浮かぶ。社会保険は、法人の場合は従業員がいなくても強制加入になっている。個人経営の場合は「従業員5人以上」だと強制加入になる。

つまり、社会保険の未納事業所は「とうちゃん、かあちゃん経営」レベルの零細企業が大半を占めると想像される。例えば、商店街の小さなお店を想像してほしい。八百屋や魚屋、駄菓子屋といった地元密着型のお店や事業所だ。

「従業員の厚生年金」の問題というよりも「店主夫婦の厚生年金」の問題だと言った方がふさわしいかもしれない。「店主夫婦」にしてみれば「これまで未納だったので、今さら掛けたくない」という本音もあるだろう。

未納がバレればどのくらい費用がかかる?

従業員3人で年135万円の負担増に!

その「従業員3人」の零細企業がもし、社会保険に加入したら、いくらぐらい経費が増えるのだろうか? 会社負担分の社会保険料は、年収の約15%である。1人あたり「平均年収300万円×保険料率0.3×事業主負担分0.5」=45万円で、この3人分だから135万円。事業所としては、毎年135万円の法定福利費が新規に発生することになる。

さらに、社会保険に加入すると従業員の給与の手取りが減るため、事業主はその保障分を一部“補てん”することもある。そうなると、さらなるコストアップにつながる。

罰則を科される場合も…

罰則は正当な理由が無く、下記の要件のいずれかに該当するとき、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金があります。(健康保険法第208条)

被保険者の資格の取得及び喪失並びに報酬月額及び賞与額に関する事項を保険者に届出せず、又は虚偽の届出をしたとき
任意適用事業所取消の認可、被保険者資格の得喪の確認、標準報酬(標準報酬月額及び標準賞与額をいう。)の決定若しくは改定について被保険者又は被保険者であった者に通知しないとき
保険料納付義務に違反して督促状に指定する期限までに保険料を納付しないとき
保険料納付義務に違反して保険料を納付せず、健康保険印紙の受払及び現金納付に関する帳簿を備え付けず、その受払等の状況を保険者に報告せず、若しくは虚偽の報告をしたとき
厚生労働大臣又は社会保険庁長官による被保険者の資格、標準報酬、保険料又は保険給付に関する立入検査等に対して文書その他の物件の提出若しくは提示をせず、又は当該職員の質問に対して答弁せず、若しくは虚偽の答弁をし、若しくは立入検査等を拒み、妨げ、忌避したとき

さらには延滞金を科されることも…

未納のペナルティとして延滞金があります。

延滞金は本来の納付日に納付しなかった場合、督促状が届きます。
そして督促状の指定期限日までに完納しないときは、納期限の翌日から完納の日の前日までの期間の日数に応じ、延滞金が発生します。

過去2年分と罰則、延滞金を払うことになればゆうに600万円もの出費になります。しかも次年度からは135万円の出費が出ることになり零細企業にとっては非常に重い負担ですね。果たしてマイナンバー制度がきちんと機能するのかどうか様子を見るしかありませんね。

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