マイナンバーと就業規則の関係

マイナンバー制度が始まることで、社内の就業規則の改定をどうするか悩んでいる企業が多いようです。今回はこのことに関連する記事を紹介します。

そもそも就業規則とは?

就業規則は「労働基準法89条」で従業員10名以上の事業所(会社単位ではなく、支社や営業所単位の派遣社員・パートアルバイトも含めた従業員の数です)には作成・届出が義務付けられています。
けれども、この法律が定められる前から、会社はありましたから、修業規則は、そのネーミングは様々としても、かなり昔から存在していたと言えます。
何故なら、就業規則とはいわば、会社のルールブックですから、定めておかないと、経営者、従業員それぞれが自分の都合のいいように行動したり、日々ルールが変化したりする弊害がたくさん出てきてしまうからです。
マインバーと就業規則の関係を知るには、就業規則の基本が分かっていなければいけません。
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就業規則で明示すること。

マイナンバー制度が始まると、マイナンバー法に基づいて、従業員から本人や扶養家族のマイナンバーを収集したり、確認書類を提出や提示してもらったりすることになりますが、就業規則できっちりと「マイナンバーは国民の義務である」ことを明示しておくべきですよね?

事業所が公共機関へ提出する既定の書類にマイナンバーを記載することは「努力義務」とされていますが、従業員が事業所にマイナンバーを提出することを強制することはできません。そのため、安易に懲戒処分規定を定めて、制裁を加えることはそれが「けん責」などの軽微なものであっても慎重になされるべきでしょう。具体的には服務規律の章に(提供などへの)「協力」規定を設けるなどして、あくまで自主的な協力を仰ぐ姿勢が大切です。労使関係という言葉には「敵対」というイメージを抱く人もいるかもしれませんが、どちらが欠けても会社の事業は成り立ちません。労使関係には、信頼関係が一番大切です。マイナンバーも同じです。

努力義務とは、「やってほしいんだけど、無理ならいいです。罰しません。」程度のことらしいです。

つまり「〜すべきですよ」と言われている感じ。

自主的に協力を促す程度で明示するのが良いということです。

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「個人番号を会社に出したくない」という従業員がいた場合の就業規則

届出事務がスムーズに行えるようにするために、「従業員はマイナンバー法に定められた利用目的の範囲において、個人番号の提供に協力しなければならない。」と就業規則に記載するなどして理解を求めましょう。

事業者は従業員ばかりでなく、講演料の支払先や、地代を支払っている個人からもマイナンバーを取得しなければなりません。支払先にはマイナンバーの記載が法律(国税通則法、所得税法等)で定められた義務であることを伝えましょう。それでも提供を受けられない場合は、提供を求めた経過等を記録保存しておくことが求められています。

ちなみに個人番号記載無しの書類を税務署が受理しないということはないそうですが、ゴタゴタしそうな感じはあるので、従業員は素直に提供したほうがいいでしょう。

企業側は、提供を求めた経過等の記録保存は必須のようです。

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「マイナンバーの利用範囲」は就業規則に明記しましょう。

まず必要なのが、会社が個人のマイナンバーを利用する範囲について明記することです。会社の手続きでは、健康保険や、源泉徴収票の作成などにマイナンバーが必要となります。

第●●条(マイナンバーの利用)
会社は従業員及び扶養対象家族のマイナンバーについて、以下の手続きで利用することが出来る。

・健康保険・厚生年金保険関係届出書
・雇用保険関係届け出事務
・労働者災害補償保険法関係届出事務
・国民年金第三号被保険者関係届出事務
・給与所得・退職所得に係る源泉徴収票作成事務
・その他法令に定められた業務

マイナンバー制度=社会保障・税番号制度ですから、当然社会保障関連への利用となります。
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就業規則等で迷った時は、ここに連絡!

Q19 準備に当たって相談に乗ってくれる窓口はありますか。
A19 11月からマイナンバー総合フリーダイヤルを開設しました。無料のフリー ダイヤルの番号は0120-95-0178 です。ぜひご活用ください。
なお、法人番号の指定通知書に関するお問合せは 0120-053-161 です。
ネット上で問題解決が難しいという時は、国に頼るしかありません。

ともかく積極的に行動に移し、早急に就業規則を作成しましょう。

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