民間企業によるマイナンバーの取り扱いについて。

民間企業は、マイナンバー制度が始まったら従業員のマイナンバーの管理など様々な取り扱いを行っていかなければいけません。今回は、その取り扱い業務についての記事を集めてみました。

基本的な取り扱い

民間の企業は、従業員の社会保険の被保険者資格取得届、支払調書などにマイナンバーを記載する必要があります。

従業員や取引先から取得したマイナンバーについては、外部に漏れないように安全に管理する必要があります。

システムへのアクセス制御、担当者以外がマイナンバーを扱わない仕組みの構築などが必要です。

定められた目的以外でのマイナンバーの保険・利用は禁止されています。正当な理由なく外部にマイナンバーを渡した場合は、法定刑が科せられます。

マイナンバーを取得する際には、正しい番号であること、番号の持ち主であることの確認が必要です。対面だけではなく、郵送・ネット・電話での確認もOKです。

本人確認の方法では以下3つが政府のガイドラインに定められています。

個人番号カード
通知カードと運転免許証など
マイナンバーが記載された住民票の写しなどと運転免許証など
民間の企業がマイナンバーを漏洩した場合、すぐに刑事罰を問われるわけではありません。個人から民事責任を追求される可能性はあります。

従業員の給与所得の源泉徴収票へのマイナンバー記載は不要になったので、少し手間が省けた感があります。

しかし基本的な取り扱いでも上記の量があるので、企業への負担は大きいと考えられますね。

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マイナンバーを利用して、従業員や顧客の情報を管理することは可能?

Q4-1-3 マイナンバー(個人番号)を使って、従業員や顧客の情報を管理することはできますか?
A4-1-3 マイナンバーは、法律や条例で定められた社会保障、税、災害対策の手続き以外で利用することはできません。これらの手続きに必要な場合を除き、民間事業者が従業員や顧客などにマイナンバーの提供を求めたり、マイナンバーを含む個人情報を収集し、保管したりすることもできません。
 法律や条例で定められた手続き以外の事務でも、個人番号カードを身分証明書として顧客の本人確認を行うことができますが、その場合は、個人番号カードの裏面に記載されたマイナンバーを書き写したり、コピーを取ったりすることはできません。(2014年6月回答)
本人確認の際の、マイナンバーの書き写しやコピーがダメだとは知りませんでした。

また、決められたこと以外に他人のマイナンバーを利用することは、やはりいけないようですね。

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取り扱いの際のシステム・セキュリティは重要な課題

いまや情報システムやインターネットは、企業や組織の運営に欠かせないものになりました。しかし、現在の企業や組織は、情報システムへの依存による利便性の向上と引き換えに、大きな危険性を抱え持つことになってしまいました。情報システムの停止による損失、顧客情報の漏洩(ろうえい)による企業や組織のブランドイメージの失墜など、情報セキュリティ上のリスクは、企業や組織に大きな被害や影響をもたらします。また、多くの場合、被害や影響は取引先や顧客などの関係者へも波及します。

企業や組織にとって、情報セキュリティに対するリスクマネジメントは重要な経営課題のひとつと考えなければなりません。特に、個人情報や顧客情報などの重要情報を取り扱う場合には、これを保護することは、企業や組織にとっての社会的責務でもあります。

新たな顧客情報としてマイナンバーが加わるのですから、以前よりもシステム・セキュリティを強化しなければいけない時期に各企業は来ていると言ってもいいでしょう。
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従業員等のマイナンバーは、いつまでに取得するべきか?

取得期限
従業員のマイナンバーは、平成28年1月以降に行政機関等の個人番号利用事務実施者へ提出する書類に記載すべきときまでに取得すればよいので、必ずしも平成28年1月のマイナンバー制度利用開始にあわせて取得する必要はありません。平成28年1月に支給する給与の源泉徴収を甲欄で行うためには、支給前までに平成28年分の扶養控除等申告書の提出を受ける必要があります。このときにマイナンバーも記入してあったほうがよいのですが、個人番号カードの発行は、平成28年1月からなので、本人確認手続きを考えると、実際にはマイナンバーの取得が遅れても問題はないと思われます。
「平成28年1月までに取得せねば!」と考えていた企業主さんは、ちょっとホッとしたのではないでしょうか?

でも、できれば面倒なことは早く済ませておいたほうがいいと思いますよ。

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マイナンバーの取得から、マイナンバー制度の開始までの流れ

2015年10月~  マイナンバーの通知、法人番号の通知・公表
■従業員等のマイナンバーの取得
「年内には全従業員の個人番号を取得する」という目標を立て、従業員等のマイナンバーの取得を開始。番号の通知が始まる2015年10月以降、従業員等に利用目的を明示した上で提供を促す。
■従業員の個人番号カードの交付申請とりまとめ
希望者を募り、従業員の個人番号カードの交付申請をとりまとめて、手続きを代行する。

2016年1月~  マイナンバー制度の開始、個人番号カードの交付
■各種書類へのマイナンバーの記載
社会保障や税に関する申請書・申告書・調書等の作成にあたっては、事前に取得した従業員等のマイナンバーを利用する。
※厚生年金・健康保険に関して、マイナンバーの記載が必要になるのは2017年1月以降(予定)。

◆マイナンバー制度の開始に向けた準備・対策はお早めに!
なお、2016年1月の制度開始後、早期にマイナンバーが必要となる場面は次の通りです。

・年始に雇う短期アルバイトへ報酬を支払う場合
・講演等で外部の方に報酬を支払う場合
・1月以降に中途退職する従業員がいる場合(3月に定年退職を迎える社員等)
・1月以降、新たに従業員を雇用する場合(4月入社の新卒等)

マイナンバー制度は、全従業員の「社会保障」や「税」の手続きに関係する制度です。
従業員を雇用する以上、マイナンバー対応は避けて通れません。
2016年1月から始まるマイナンバー制度に問題なく対処していけるよう、今のうちから着実に準備を進めていくことをお勧めいたします。

年始にアルバイトを雇う予定のある企業は、早急にマイナンバー対応を始めなければなりません。

その他の企業も、1月以降に中途退職者が絶対でないとは限らないので、用心のため早めの対応を心がけましょう。

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