会社が従業員のマイナンバーを求める際に事前の通知が必要ですが、そのさい従業員のサインや印鑑は必要なのでしょうか。
マイナンバー収集のとき本人の同意書は必要か
従業員の方の個人番号を収集するにあたって、ご本人の同意を得る必要はありません。本人同意が必要との視点が生まれるのは、個人情報保護法において、個人情報の収集にあたっては、原則として本人同意が前提条件となっているからです。
しかし、この番号法では、個人番号利用事務実施者(主に行政機関)や個人番号関係事務実施者では、事務処理に必要な場合、本人又は他の実施者から、個人番号の提供を求めることができることとなっています。この点が番号法と個人情報保護法との大きな違いです。
マイナンバーを従業員から取得する際、必ずしも従業員から了承の署名や印鑑をもらう必要はありません。
しかし、会社には従業員に対し、利用目的を通知する義務があり、従業員の理解とトラブルを避けるために、何らかのかたちでマイナンバーの利用目的を通知するようにしましょう。
また、通知の際に了承の証として署名や印鑑を求めても良いでしょう。
マイナンバーを従業員から提供してもらうためには、まず、事前に利用目的をはっきりと示さなければいけません。これは個人情報保護法の第18条に規定されているルールですので、企業は遵守する必要があります。
利用目的の通知は、どのような方法で行うことが適切か
Q4-2-3-2 個人番号の利用目的の通知等は、どのような方法で行うことが適切ですか。A4-2-3-2 個人番号の利用目的の通知等の方法は、書類の提示のほか社内LANにおける通知が挙げられますが、個人情報保護法第18条及び主務大臣のガイドライン等に従って、従来から行っている個人情報の取得の際と同様の方法で行うことが考えられます。(2015年9月回答)
●利用目的の通知・公表の例・社員へのメール等での通知
・社内掲示板への刑事
・イントラネットへの公表 等
トラブルを避けるためにしっかりと使用目的を予め明示しておこう
業務上他人のマイナンバーを取得する場合には、先にしっかりと利用目的を伝えておかなければいけません。たとえ認められている分野での利用だったとしても、通知した内容と違う目的への転用は禁止です。あとから別の用途にも利用する必要が出たときは、その都度あらためて利用目的を追加した旨を通知しましょう。
収集は、はっきりした利用目的をもって、従業員の方に示して、行うことが必要です。
収集当初示した利用目的以外にマイナンバーを利用することは禁止されています。
目的の追加も本人への通知なしにはできません。
ただし、当初から複数の利用目的を示して収集しておくことは認められていますので、収集時には複数の利用目的を示して収集することをおすすめします。
●利用目的の特定の例・「健康保険・厚生年金保険届出事務」のため
・「源泉徴収票作成事務」のため 等
注意すべきポイントは
皆様は、社会保障・税に関する手続書類に従業員等のマイナンバーなどを記載して役所に提出します。法律で定められた目的以外での利用や提供はできません。たとえ、社員や顧客の同意があってもマイナンバーを社員番号や顧客管理番号などに利用することはできませんのでご注意ください。なお、「個人番号カード」の裏面に記載されたマイナンバーは、法令で認められた場合以外で、書き写しやコピーはできません。