マイナンバーの盲点とは?中小企業に求められること

厳しい罰則のあるマイナンバー制度、うっかりしていると落とし穴に気づかないうちに落ちてしまうかも……

企業に求められる正しいマイナンバーとの関わりとは

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マイナンバー業務にて企業が行わなければならない業務は、適切な収集、本人確認、保管、廃棄です。

事業規模が小さな中小企業はマイナンバー制度への特例がありますが、厳正な対処が求められていることに変わりはありません。

1.社員番号をマイナンバーにするなど、社員管理のために使うべからず
マイナンバー(個人番号)は、用途が限定されています。「一生変わらないので便利」だからといって、マイナンバーを流用(社員番号にする、パスワードにするなど)してはいけません。

2.日本人の社員さえ管理しておけばOK!と安心すべからず
対象は「住民票を有する人」なので、日本在住の外国人もマイナンバーを持つ可能性があります。また、外注デザイナーのような個人事業主や、地代の地払いなど「支払調書」を交付する相手も対象になります。

3.事務手続きは 「外部委託しているから安心」 と思うべからず
委託先が、自らが果たすべき管理レベルと同等の安全管理をしているかの監督責任があります。管理をしておらず委託先で漏えいが発生した場合、委託元(貴社)も番号法違反を問われる可能性があります。

本人確認はしっかりと行う必要がある

マイナンバーの利用に当たって最も懸念されるのは、第三者による「なりすまし」です。マイナンバーには重要な個人情報がたくさん紐付けされていますから、他人がなりすますようなことがあれば、プライバシーが脅かされる心配もありますし行政の側としても情報の管理が不十分になってしまいます。

いわば、なりすましはマイナンバー制度の根幹に関わる問題なのです。

そこで、日本のマイナンバー制度では必ず「番号確認+身元確認」という二重のチェックによる本人確認が徹底されます。番号だけでの本人確認はしないというルールになっています。……

本人確認はどこまでも慎重に実行することが望ましいです。戸籍謄本や運転免許証など、複数の本人確認書類を必ず提出してもらうようにしましょう。

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従業員の扶養家族に本人確認が必要な場合

扶養家族の本人確認は、各制度の中で扶養家族のマイナンバーの提供が誰に義務づけられているのかによって異なります。例えば、税の年末調整では、従業員が、事業主に対してその扶養家族のマイナンバーの提供を行うこととされているため、従業員は個人番号関係事務実施者として、その扶養家族の本人確認を行う必要があります。この場合、事業主が、扶養家族の本人確認を行う必要はありません。一方、国民年金の第3号被保険者の届出では、従業員の配偶者(第3号被保険者)本人が事業主に対して届出を行う必要がありますので、事業主が当該配偶者の本人確認を行う必要があります。通常は従業員が配偶者に代わって事業主に届出をすることが想定されますが、その場合は、従業員が配偶者の代理人としてマイナンバーを提供することとなりますので、事業主は代理人からマイナンバーの提供を受ける場合の本人確認を行う必要があります。なお、配偶者からマイナンバーの提供を受けて本人確認を行う事務を事業者が従業員に委託する方法も考えられます。
従業員の本人確認と同等に、身分証が必要になってきます。

マイナンバーカードを所持されている場合は、こちらのカード1枚で本人確認が済みます。

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ちなみに扶養家族とは

●被扶養者の認定基準
被扶養者として認定を受けるためには、次のいずれの条件も満たす必要があります。健保組合は次の項目に沿って総合的かつ厳正に審査した上で被扶養者に該当するかどうかを判断します。

<認定条件>
1.
その家族は健康保険法に定める被扶養者の範囲であること。
2.
後期高齢者に該当していないこと。
3.
被保険者がその家族を扶養せざるを得ない理由があること。
4.
被保険者がその家族を経済的に主として扶養している事実があること(=その家族の生活費を主として負担していること)。
5.
被保険者には継続的にその家族を養う経済的扶養能力があること。
6.
その家族の年収は被保険者の年収の1/2未満であること。
7.
その家族の収入は年間130万円未満(60歳以上又は59歳以下の障害年金受給者は年間180万円未満)であること。

● 本人と親族が別居している場合は、上記以外に、親族の収入が本人からの仕送り額より少ないことです。

● 親族の内、次の者は生計維持だけが条件です。
1 本人の直系尊属(父母・祖父母など)
2 配偶者
3 子、弟妹

継続契約の場合はマイナンバーを保管できるが……

Q4-3-9 講師へ講演料の支払が発生し、翌年以降も継続して報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書作成事務の為に利用する場合、本人確認を行う必要はありますか。
A4-3-9 前年の講演料の支払に伴う報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書作成事務の為に提供を受けた個人番号は、翌年以降も継続的に講演料の支払に伴う報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書作成事務のために利用することができる為、改めて本人確認を行う必要はございません。 ただし、番号の変更に伴い再度個人番号の提供を受ける場合には番号確認と身元確認が必要になります。(2015年9月回答)
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提供の制限

事業者が税や社会保障関係の事務を行うためには、本人等からマイナンバーを提供してもらう必要がありますが、番号法によりマイナンバーの提供を求めることができる場合が限定されています。一般的な企業においては、「個人番号関係事務」を処理するために必要がある場合に限り、本人等にマイナンバーの提供を求めることができます。したがって、事業者は、例えばマイナンバーを社員番号代わりに利用するなどの目的でマイナンバーの提供を求めることはできません。

また、番号法第19条に限定的に定められた場合を除いて、マイナンバーを他人に提供することはできません。例えば、グループ会社間で従業員が異動するので、マイナンバーを会社間で移動させようとする場合は「提供」に該当し、この提供の制限を受けることになり、マイナンバーを会社間で受け渡すことはできませんので、ご注意下さい。尚、同一法人内でのマイナンバーの移動は「提供」ではなく「利用」に該当し、前述した利用制限に従うことになります。

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マイナンバーの収集や廃棄・保存・提供には厳しい決まりがあります。

雇用主にとって利便性がいいからと、マイナンバー制度をしっかりと理解しないままにマイナンバーを扱った結果によっては、厳しい罰則を受けてしまうので十分な注意が必要ですね。

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