従業員が退社する!マイナンバーが必要な書類は?

企業が行政向け書類のマイナンバー記載が本格的に始まるのは2017年度からになりますが、2016年2月現在でもすぐ必要になる書類もあります。それは従業員が退職したときに提出しなければならない書類です。従業員退職に伴って提出するマイナンバー記載書類とその注意点について見ていきましょう。

間違いなく必要なのは雇用保険被保険者資格喪失届

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マイナンバーが必要な雇用保険関連書類

1)マイナンバーの記載が必要な届出は次のとおりです。
1 事業主が個人番号関係事務実施者として提出するもの(事業主において本人確認を行うもの)
a 雇用保険被保険者資格取得届 b 雇用保険被保険者資格喪失届
2 事業主が従業員の代理人(※)として提出するもの(ハローワークにおいて本人確認を行うもの)
c 高年齢雇用継続給付受給資格確認票・(初回)高年齢雇用継続給付支給申請書
d 育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業給付金支給申請書
e 介護休業給付金支給申請書

(※)事業主が提出することについて労使間で協定を締結した場合は、事業主は従業員の代理人として提出することができますが、その際は、ハローワークが1代理権の確認(協定書の写し等の提示)、2代理人の身元確認(提出した従業員の社員証等の提示)、 3番号確認(個人番号カードの写しなど)を行います(詳細は厚生労働省ホームページ「マイナンバー制度(雇用保険関係)」の 「よくある質問(Q&A)」を参照してください)。

従業員退職後すぐ提出しなければならない雇用保険被保険者資格喪失届

雇用保険では、新たに従業員を雇用する場合は雇用保険被保険者資格取得届が、従業員が退職する場合は雇用保険被保険者資格喪失届が必要となり、[図2]のとおり、それぞれ該当する社員のマイナンバーを記載してハローワークに提出することになります。提出期限は、雇用保険被保険者資格取得届は「被保険者となった日の属する月の翌月10日まで」、雇用保険被保険者資格喪失届は「被保険者でなくなった事実があった日の翌日から起算して10日以内」となっており、退職の場合は提出期限まであまり時間がないことから、退職者からのマイナンバーの取得も含めてスムーズに作業を進めることがポイントとなります。
従業員が退職する場合、雇用保険被保険者資格喪失届へのマイナンバー記載が必要になるのでなるべく早いうちにマイナンバーを収集しておくようにしましょう。

源泉徴収票や給与支払報告書も場合によっては必要!

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給与支払報告書は、翌年1月1日に在籍しているパート・アルバイを含む全員と、年の途中で退職し、会社からの所得が30万円超の方が対象者となっています。まず、「翌年1月1日に在籍している全員」という条件から、継続して働く方を対象とすればよいでしょう。問題は、年の途中に退職される方の扱いです。

 年の途中に退職された方で、年間の所得が30万円以下の場合、給与支払報告書の提出が免除されるので、このような方からはマイナンバーを取得する必要はありません。例えば、日給1万円のアルバイトを3日だけする場合、明らかにマイナンバーを取得する必要はありません。

源泉徴収票や給与支払い報告書にも場合によってはマイナンバーの記載が必要になり、時間が経てば経つほどマイナンバーが必要になる可能性は高くなります。

扶養親族のマイナンバーを収集しなければいけないことも!

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2016年にはいってすぐに退社する従業員の場合は、給与支払報告書の提出要件を満たすケースは少ないかと思いますが、これから退社するケースでは給与支払報告書の提出要件を満たすケースも出てきます。給与支払報告書を来年提出しなければならないような退職者の場合には、本人のマイナンバーのみでなく扶養親族の分も取得しておかなければなりませんので、この点は注意が必要です。

退職後はマイナンバーの提出を拒否されることも!

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従業員の退社以前にマイナンバーの収集が済んでいる場合は問題ありませんが、退職願を受け取ってからマイナンバーの提供を求める場合では、提供を拒否されるケースも出てきているようです。このような場合は、マイナンバーの提供について説得する時間もなく、そのままマイナンバーを記載せずに提出することになりかねません。雇用保険被保険者資格喪失届や給与支払報告書などにマイナンバーを記載せずに提出しても、受け取ってもらえないことはありませんが、記載がないことの理由を確認されるなど面倒なことになることは間違いありません。
退職願を提出した後であれば、退職する側からしてもマイナンバーを会社に提出するのを煩わしく感じて提出拒否することもあるでしょう。このような事態を避けるためにもなるべく早く従業員のマイナンバーを収集しておくことが大切です。

提出拒否されれば事務負担増は確実!

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ハローワークでは、「マイナンバーの記載がない書類も受理」という方針を打ち出していますので、会社は従業員のマイナンバーなしで手続きはできます。けれども、原則の手続き方法とは異なるのは確かなので、通常よりも手続きに時間がかかるというデメリットが発生する恐れはあります。
また、会社は「従業員にマイナンバーを提出してほしいといったのに、従業員から拒否された」という経緯の物的証拠を残す必要があります。要は、マイナンバーの提出を拒否する人がいると、会社のマイナンバー担当者の仕事が増えるということ。
マイナンバーがなくてもハローワークでは受理してもらえますが、提出拒否された敬意を記録しておく必要があるなど事務負担が増えるのは確実になります。