【中小企業が取り組むべきマイナンバー制度のポイント】

マイナンバー制度が始まり、各中小企業ではどの業務を誰が行なうか、何を担当するかで色々悩んでいる事が多いそうです。では、中小企業が取り組むべきマイナンバー制度とは?そのポイントを調べてみました。

マイナンバー制度で必ず行わなければならない2つの措置

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マイナンバー制度で行なう事は、本人の確認は番号法施行規則等により定められているそうです。必ず確認をしなくてはいけません。
しかし、従業員が本人を証明する物が必要になり、これも全従業員となるとかなり時間がかかります。その間はどうする?などの問題点。

本人確認には運転免許証やパスポートや、写真入りのマイナンバーでもいいそうですが、そのセキュリティ(安全対策)も必要になります。

これらの点を踏まえて調べてみました。

ポイント1:「本人確認の措置」

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会社は、税や社会保障関係の事務を行うために、本人等からマイナンバーの提供を受けることになりますが、その際に、会社は必ず本人確認をしなければなりません。いわゆる「成りすまし」を防ぐためにも厳格な本人確認が求められます。

本人確認では、2つのことを確認することになります。一つは、正しい番号であることの確認、つまり「番号確認」です。もう一つは、正しい番号の持ち主であることの確認、つまり「身元確認」です。以上の2つの確認がワンセットになって「本人確認」となります。

■マイナンバーの収集方法

マイナンバーを収集する時は、法律の範囲内で利用目的を特定して明示しておく必要があります。

マイナンバー収集担当者が本人確認を行い、従業員等からマイナンバーを収集し(預かり)ます。

注意!マイナンバーを収集するときは、なりすまし等を防止するため厳格な本人確認を行います。

図1:本人確認の措置(本人から個人番号の提供を受ける場...

図1:本人確認の措置(本人から個人番号の提供を受ける場合「対面・郵送」)、

■個人番号を取得する際の「本人確認」

 番号法第16条では個人番号の提供を受けるときは、本人確認の措置を講じることが必要とされています。

 本人確認の具体的な内容については、番号法施行規則で示されており、手続の対象者本人から個人番号の提供を受ける場合は、「番号確認(提示された個人番号は間違いなく本人のものか)」「身元(実存)確認(番号を提示している人は間違いなく本人か)」という2つの確認作業が求められています。

■従業員の扶養親族のマイナンバー収集

従業員が扶養親族のマイナンバーを記載した書類を提出する場合、従業員が扶養親族の本人確認をすることになりますが、従業員の扶養親族が国民年金3号被保険者の届け出をしている場合は、企業が扶養親族の本人確認することもあります。

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■「税制上の扶養家族」等の本人確認は不要

 税制上の扶養家族については、従業員本人が「個人番号関係事務実施者」として、扶養家族の本人確認を実施するため、民間企業で扶養家族の本人確認を行う必要はありません。

 なぜなら、税制上の扶養家族については、従業員本人が民間企業(給与等の支払者)に個人番号を提供することが義務付けられているからです。健康保険組合に対する被扶養者の届出等についても、同様になります。

 ただし、民間企業が行う個人番号関係事務すべてにおいて、扶養家族の本人確認が不要かどうかは明らかでない部分もあり、今後、国等から示される関係省令等を確認することが必要になると考えられます。

■雇用関係に基づいて身元確認を省略可能

 民間企業と従業員本人とは雇用関係にあり、通常は入社時等のタイミングで身元確認を実施済みと考えられることから、「身元(実存)確認」を不要とすることが可能(図2の赤文字部分を参照)です。なお、厳密には、個人番号利用事務実施者(具体的には、国税庁、健保組合等)が身元確認せずとも本人であることが明らかだと認めることが必要です。

※民間企業では、元々従業員との雇用関係があるので、当然のことながら身元確認は取れていると思われます。したがって、この場合は身元確認が省略できることもあるみたいです。

ポイント2:「安全管理の措置」

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第一に注意すべき点は、安全対策です。
大切な従業員のプライバシーを扱っているのですから、セキュリティは万全を尽くすことが必要です。
マイナンバーをどう扱うか、どこに保存するかなどを、万全を期しておかなければなりません。
マイナンバーは非常に重要な個人情報ですので、漏えい・滅失・毀損等の防止、その他の適切な管理のために、必要かつ適切な安全管理措置を講じる義務があります。番号法により、全ての事業者は、マイナンバーについて安全管理措置を講ずることとされています。担当者任せではなく、会社として取り組む必要があります。安全管理措置の検討手順は、次の流れになります。

マイナンバーの保管・廃棄

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●必要がある場合に限り、保管し続けることが出来ます。

翌年度以降も継続的に雇用契約がある場合
所管法令によって一定期間保存が義務図蹴られている場合など

●不必要になったら、できるだけ速やかに廃棄・削除しなければなりません。

マイナンバーを事務で利用しなくなった場合
保存期間を経過した場合など

■個人番号の保管は利用の必要がある場合のみ

個人番号等の特定個人情報は、マイナンバー法で定められた社会保障や税の事務に必要がある場合に限り、保管し続けることができます。社員の退職などにより、個人番号を事務で利用しなくなった際は、その個人番号をできるだけ速やかに廃棄しなければなりません。

扶養控除等申告書のように所管法令で保存期間が定められている書類は、その保存期間まで保管し、保存期間の経過後に廃棄する必要があります。これまでは保存期間まで保管をすれば、期間を超えて保管を継続することは問題ありませんでしたが、今後は個人番号の記載がある書類は期間を超えて保管を継続することはできません

特に留意すべき点は、マイナンバーを利用して行う事務を処理する必要がなくなった場合で、書類の法定保存期間を経過した場合には、マイナンバーをできるだけ速やかに廃棄または削除しなければならない、とされている点です。
■廃棄時期は各事業者の判断で決める

利用が終わった個人番号はできるだけ速やかに廃棄する必要がありますが、廃棄作業を行うまでの期間については、明確な時期は定められておりません。「毎年度末に行う」等、会社が判断することが認められていますので、廃棄時期については情報管理の安全性や事務の効率性等を勘案して会社ごとで決めることができます。
マイナンバーの保管は将来の廃棄事務を想定し、年次別に管理したり、保管年限を明記するなど、廃棄を前提とした保管体制が必要となります。

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■マイナンバーの保管はいつまでも行う必要はない

マイナンバーは、いつまでも保管しておけばいいというものではありません。マイナンバー法では、マイナンバーを必要とする事務処理を行うためにのみマイナンバーを保管することができるとされています。そのため、マイナンバーが必要なくなった時点で廃棄処理または情報の削除をしなければなりません。

ただし、一定期間保管をすることが義務付けられている場合もあります。例えば、年末調整に必要な給与所得者の扶養控除等申告書や源泉徴収票の作成のためにマイナンバーを使用した場合には、対象年の翌年1月10日の翌日から数えて7年間は保存しなければなりません。

また、労災保険に関する書類や労働保険の徴収、納付等に関する書類にマイナンバーを使用した場合には、事務処理が完結した日から数えて3年間保存する義務があります。その他社会保険に関する手続きにマイナンバーを利用した場合についても法定保存期間が定められています。

そのため、事務の種類ごとにファイルを作成することに加え、マイナンバーを「運用中のもの」、「法定保管期間中のもの」、「速やかに廃棄が必要なもの」に区分して保管することも、マイナンバーを安全にかつ効率的に運用する上で有用な方法かもしれません。

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