疑問だらけのマイナンバー制度ですが、その中でも少しマニアックな質問と答えを集めました。
わけあって住所移転しているんだけど
そのような方はマイナンバーを受け取ることができないんでしょうか?
被災やDV被害など、やむを得ない理由がある場合には、現在実際に住んでいる場所(居所)を登録すれば、通知カードを送付先を変更できます。その場合、2015年8月24日から9月25日までの期間に、申請書を住民票のある市区町村に持参または郵送してください。
平成28年1月以降、ご本人が市町村の窓口で受け取れま す。
無料で受け取れますが、その際には、以下の3つが必要となります。①大切に保管していた「通知カード」
②個人番号カードの準備ができたことを知らせる「交付通知書」
③運転免許証などの本人確認書類
マイナンバー記載内容に変更があるときはどうするの?
引越しをするときは、各地区町村に通知カードまたは個人番号カードを転居届と同時に提出してカードの記載内容を変更してもらうことになります。それ以外の場合でも、カードの記載内容に変更があったときは、14日以内に市町村に届け出て、カードの記載内容を変更してもらわなければなりません。
年金との関係は?
予定ではマイナンバー制度は2016年(平成28年度)からスタートするのですが、年金は平成28年度中にシステムを構築して、マイナンバーと年金受給者の紐付けを行い、
平成29年度(2017年度)から実際に運用される予定です。
ただ、2015年6月に年金の情報流出問題があり、これは延期される予定です。
最新情報はマイナンバー制度の公式ホームページで確認ください。
機構側は各省庁や地方自治体の個人情報にアクセスできるようになるため、事務処理の効率が上がることが期待できます。一方で、年金に関する私たちへの影響はさほど大きくないと思われます。以下でマイナンバー制度の導入によって変わると思われる点をいくつか挙げておきます。
一部添付書類の省略
年金の裁定請求の際、加給年金等の生計維持を支給の要件とするもの、第3号被保険者の認定や初診日が20歳前の障害年金等については所得(課税)証明の添付書類が必要とされています。
これらの添付書類についてはマイナンバーの運用が開始されれば年金機構で所得が把握できることになるので添付が不要になるはずです。
その他には住民票等についても提出が不要になるかもしれません。裁定期間等の短縮(?)
年金は請求をしてから実際に支給されるまでの期間が数ヶ月かかることが当たり前ですが、外部からの情報照会の期間が削減されるものがあるので、請求から支給までの期間が短縮されるかもしれません。
同様の理由で保険料の免除申請についても、審査期間が短縮されるかもしれません。現行では3ヶ月程度必要とされていますが、審査が長引くことによって重大な問題が発生する可能性があるので、ぜひとも審査期間を1ヶ月程度に短縮してほしいものです。強制徴収の増加(?)
国民年金年金保険料の未納者のうち、一定以上の収入がある人を対象にして財産の差し押さえによる強制徴収が行われていますが、マイナンバーによって瞬時に国民全員の所得が把握できることになります。そのため、対象者洗い出し作業の効率が格段に向上し、その結果、強制徴収の対象者が増加するかもしれません。
このように、マイナンバー制度が導入されても、年金に関しては私たちに与える影響は限定的であると考えています。
年金に関する必要書類が減る。
年金受け取りに関する審査期間が短くなる。
年金未払いが発覚する。その場合強制徴収される。
ってところですかね。
マイナンバー導入の本当の目的は?
表向きの目的は主に
①行政の効率化、②負担(主に課税)の公正化、の2点です。しかし効率化というのならば、人件費の削減とセットでなければ意味がありませんが、マイナンバーの導入を機に公務員の人件費が削減されるといった類の話は全く聞きません。
むしろマイナンバーの担当部署や外部組織の新設によって、全体としての経費(もちろん元は税金です)は増大することでしょう。
課税の公正化やマネーロンダリングを防止することは大切ですが、それが国家財政に影響を与えることはほとんどありません。
では何が目的か?
マイナンバーの目的は課税の強化と社会保障費の削減です。はっきりと言えば反発が大きいので表立って明言されることはありませんが、その『証拠(?)』の一端をお見せします。
収入に応じた年金の減額検討
平成27年5月19日の財政諮問会議では収入の多い高齢者の基礎年金を減額することが提言され、今後の財政健全化計画に盛り込まれる見通しとなりました。老齢基礎年金の給付の半分は税金から拠出されています。そのため、所得額に応じて老齢基礎年金を減額し、所得額が多い人は最大で2分の1が減額となることが想定されます。
マイナンバーと直接関係無いと思われるかもしれませんが、これまでは厚生年金の被保険者の給与と賞与(標準報酬月額及び標準賞与額)しか年金機構では把握できなかったので、
在職老齢年金として厚生年金の被保険者が受給している老齢厚生年金のみが減額の対象でしたが、マイナンバーによってそれ以外の収入も把握できることになりました。
現時点では検討段階ですが、ほぼ間違いなく老齢基礎年金も所得に応じて減額となります。
海外のマイナンバー制度を真似したの?
アメリカやイギリス、カナダ、イタリア、ドイツなどをはじめ、似たような制度を持つ国はある。ただし、用途として社会保障、税としてではなく、単純に住民登録として採用している国も多い。そうした例では、オランダやデンマーク、ノルウェーなどがある。
アメリカのマイナンバーとの違いは?
アメリカでの「社会保障番号」は、社会保障、徴税を目的としているものの、実質、身分証明書として使用されている。アメリカ軍が認識票に社会保障番号を刻印していることは有名。他にもクレジットカードの発行やローンを組む際にも使われることから、成りすましなどの悪用も多い
社員証やIDカードの代わりに個人番号を使ってもいい?
裏面に記載されたマイナンバーを書き取ったりコピーしたりせずに、カードの表面のみを利用するならば社員証等として利用することはできる。
社員番号の代わりにしてもいい?
マイナンバー個人番号は、社会保障、税、災害対策の手続き以外では利用しないでください!!
番号じたいの利用はNGなんですね。
自分のマイナンバーを他のパソコンサイトなどのパスワードとして利用するのも
やめた方がいいですよね。
まとめ
マイナンバーについての理解を深めていただけたでしょうか。
本格的な施行が始まる前にマイナンバーについて、しっかり理解しておきましょう。