2015年の11月中には配布が終わっているはずだったのに、結局12月までズレこんでしまったり、早くも問題が持ち上がっているマイナンバー。しかし、本当の問題が噴出するのはこれからなのです。
早くも問題が噴出しているマイナンバー……
まず、マイナンバーの通知カードそのものですね、この配達が来年の3月までずれ込むということでは困ります。番号がちゃんと通知されて、その中に入っている書類を使っていただかなければ、返信封筒を使っていただかなければ、カードそのものを取得されたい方が取得できなくなってしまいますから、これは自治体、そして、日本郵便ともしっかり連携をしながら、11月末ということを目途にお届けをお願いしたいと思っております。
11月末を目途に発送完了する予定でしたが……
通知カードは、計5672万通の簡易書留で各世帯に届ける予定だが、11日までに終えたのは595万通。政府が掲げる「おおむね11月末までの配達完了」は、「極めて厳しい状況」(日本郵便広報)という。
結局12月にズレこんでしまったり……
東日本大震災で被災した岩手県大槌町は30日、仮設住宅などへのマイナンバー通知カードの発送作業にミスがあり、一時1100通以上が返送されたと明らかにした。
発送ミスも多数起きてしまっています。
とはいえ問題はこれからも続く?
上記の問題は発送段階のミスに過ぎません。実施されてからも問題はより多く起きることでしょう。今回は企業が直面する問題に絞って、予想される事態、そしていかに対処したらいいか、などをご紹介します。
マイナンバー提供を従業員が拒否する?
そもそもマイナンバーにかんしてはプライバシーの点から反対する声が多く、受け取りを拒否するのが一番の対抗手段だと推奨する人さえいます。
マイナンバー通知カードの配達来たんだけど、拒否しますって言ったら書類もハンコもなく持ち帰ってくれた。不在通知を放置してれば役所に戻りますとメモ書きをつけてくれた。派遣会社からマイナンバー教えろと書類が来たけど、これだけトラブルが多いと怖いから書類出さないつもり。
— hanumern (@hanumern) December 15, 2015
マイナンバーカードで多くの人達が騙され、又個人情報が流失している。これらの被害に遭わない為にマイナンバーなどの受け取りは拒否しましょう。更に必要以外の電話にはでない事です。
— 飯綱三郎 (@hutagoza614) December 15, 2015
来年1月に運用が始まるマイナンバーの通知カードが、受取人不在などで郵便局から市町村へ戻された数(返戻数)が沖縄県内で約11万1千通に上ることが19日までに本紙の調べでわかった。通知カードは世帯ごとにまとめた簡易書留で、県内で約62万通が発送されており、市町村に戻った割合(返戻率)は約18%だった。制度スタート時に通知カードを受け取っていない住民が多く出そうだ。また、自治体で確認している受け取り拒否は738通あった。
拒否している人も多く……
マイナンバーを提出してもらう必要がある企業はどうする?
via kids.wanpug.com
番号法において、マイナンバー取扱事務は、事業者・団体にとっては義務的なものです。
しかし、従業員等においては、マイナンバーの提供を義務付ける規定はありません。
もちろん、提供を拒んだことを理由に罰則が科せられることはありません。
ですから、事業者・団体においては自らの業務を行うために必要なマイナンバーの収集について、従業員等にしっかりと説明し、理解と信頼を得ていく必要があるのです。
大変な手間であることは確かですが、今後はそういう対応が求められているのです。
そのためにも、しっかりと対策を講じておかなければならないのです。
企業が集める義務はあっても従業員は提出する規定はないのです。
でも先程のツイートなどを見る限り、提供を強く拒む人は少なからず存在するでしょう。理解と信頼以前の問題だった場合、どうしたらいいでしょう?
Q4-2-5 税や社会保障の関係書類へのマイナンバー(個人番号)の記載にあたり、事業者は従業員等からマイナンバーを取得する必要がありますが、その際、従業員等がマイナンバーの提供を拒んだ場合、どうすればいいですか?
A4-2-5 社会保障や税の決められた書類にマイナンバーを記載することは、法令で定められた義務であることを周知し、提供を求めてください。それでも提供を受けられないときは、書類の提出先の機関の指示に従ってください。
【国税庁】
https://www.nta.go.jp/sonota/sonota/osirase/mynumberinfo/jyoho.htm
【厚労省】
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000063273.html
あわてず騒がず政府関係機関に相談すべきですね。
Q4-6
従業員や講演料等の支払先等から個人番号の提供を受けられない場合、どのように対応すればいいですか
A4-6
法定調書作成などに際し、個人番号の提供を受けられない場合でも、安易に個人番号を記載しないで書類を提出せず、個人番 号の記載は、法律(国税通則法、所得税法等)で定められた義務であることを伝え、提供を求めてください。
それでもなお、提供を受けられない場合は、提供を求めた経過等を記録、保存するなどし、単なる義務違反でないことを明確にしておいてください。
経過等の記録がなければ、個人番号の提供を受けていないのか、あるいは提供を受けたのに紛失したのかが判別できません。特定個人情報保護の観点からも、経過等の記録をお願いしま す。
なお、法定調書などの記載対象となっている方全てが個人番号をお持ちとは限らず、そのような場合は個人番号を記載することはできませんので、個人番号の記載がないことをもって、税務署が書類を受理しないということはありません(国税庁ホームページ「国税分野におけるFAQ」(Q2-10)参照)。(平成27年10月追加)
より詳しい説明です。
くれぐれも注意しておきたいことはマイナンバーがきっかけで従業員と対立したりしないことです。
上記した通り、マイナンバーの提供を拒否されたからと言って、提供を促した過程や提供を拒まれた理由を書類に記載すれば問題はありません。改めて確認しておきましょう。
会社が国に提出する必要書類に、従業員(扶養親族も含む)のマイナンバーを記載することが法令で義務づけられている。だから、会社にマイナンバーを提出・通知する必要はある。ただし強制ではなく、罰則もない。
むしろ強制するようにマイナンバーを求めてしまって、従業員との関係がこじれてしまい、業務に支障が出るようなことがあっては意味がありません。もともとマイナンバーは税制上の手続きを簡略化するために導入されたのですから、それがかえって足かせになるようなことになってしまっては元も子もないでしょう。