マイナンバー制度の導入により社員情報のわかってしまう事

マイナンバー制度の導入による利便性と個人の秘密が知られることに対する恐れがあります。これに対し企業はどう対応していくかが重要なことになります。

病歴がわかる

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マイナンバーはあくまである特定のグループの中での情報交換の手段であり、マイナンバー自体に情報はありません。

マイナンバーを見ても、『私』のことがわかるわけではありません。

病歴がわかるのは、その情報を管理している病院や診療所の情報が流出した時です。

病歴で判断する場合もありますが、今のところは従業員の病歴を知ることは難しそうです。
しかし、下記のような記事もあります。
患者の病歴や過去の診療内容、診療報酬の明細(レセプト)などの情報がマイナンバーで一括管理されるかもしれない。3月の衆院内閣委員会でも「診療録や支払い明細、いわゆるレセプト等をマイナンバーと連携させ、効率よい医療を行っていくことが大切なんじゃないか」とただした委員に対し、山口俊一・内閣府特命担当相は「診療情報等の医療情報をビッグデータとして利活用できるように環境整備をして推進していく」と答弁しているのだ。
現在は病歴を知ることは出来ないようですが、将来的にはどうなるかわかりません。これが企業にとってどういう意味をもつかは諸刃の剣です。

副業がわかる

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1)勤務先(副業含め)にマイナンバーを提出しなければならない

マイナンバーが導入されると、社員は勤務先等にマイナンバーを提出することになります。また法人も法人用のマイナンバーが割り振られます。したがって、誰がどこからいくらの収入を得たかがすべて税務署に把握されることになりそうです。
2)副業でアルバイトをしていると確定申告が必要

副業等の収入が20万円を超えると、会社員でも確定申告が必要です。これはマイナンバーの導入とは関係なく、今でもそうです。さらにいうと収入が20万以下の場合、税務署への確定申告は不要でも住民税の申告は必要な場合があります。
3)確定申告をすると、副収入分を含めた住民税額が会社に通知されのでバレる

例えば、副業をしている会社員が確定申告をしたとします。その場合、副業収入を含めた住民税が会社に通知されるかどうかについては、副業収入の種類や申告の仕方によります。

住民税には普通徴収(自分で納める)と特別徴収(会社員等で給料から天引きになる)の2種類の納め方があります。そして確定申告では、給与所得以外の収入はどちらの納め方にするか自分で選択できるようになっています。(参考:国税庁サイト)
したがって、副業収入が給与所得でない場合は、その分を普通徴収にすれば副業分の住民税は会社には通知されません。ただし、副業がアルバイトなどで給与所得になる場合は、原則、本業の住民税とあわせて特別徴収となりますので、会社に副業分も含めた住民税の額が報告されます。つまり、それをきっかけに副業がバレる可能性があります。

マイナンバー導入がきっかけで副業がバレることもあれば、バレないこともあるようです。企業によって副業を認めているところ、禁止しているところとありますが、どう対処するか慎重に検討する必要がありそうです。

借金がわかる

借金問題|東京弁護士会 (35361)

銀行がマイナンバーを導入するのは預金のみです。借入金に関してはマイナンバーの適用外となっています。
もちろん、金融会社、サラ金もマイナンバーを利用することはできません。
企業にとって個人の経済状況は把握しておきたいところですが、そう簡単ではないようです。

前科、犯罪歴がわかる

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マイナンバー制度は「税」「社会保障」「防災」の3分野を目的としています。そのため、現状マイナンバーと犯罪歴や逮捕歴がひも付けされることはありません。マイナンバー運用にあたってはプライバシー保護や人権についても慎重に議論がなされており、前科とのヒモ付けは予定されていません。ただし、性犯罪者の居場所を特定するなど社会的に要望の多い事例については今後の法改正に影響を与える可能性はあるでしょう。
マイナンバーを通して、前科・犯罪歴をすぐに知ることはできないようですが、今後はわかりません。しかし、企業にとっては知っておきたい情報です。

経歴詐称がわかる

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1. マイナンバーの利用は限られている

マイナンバーを記載した書面を行政機関等に対して提出する会社は「個人番号関係事務実施者」となり、目的を超えたマイナンバーの収集・保管をすることはできません。また、利用する可能性がなくなった後は廃棄しなくてはならず、これらを守らなかった場合の罰則規定も定められています。そもそも会社は、通知カードに記載されている「12ケタの個人番号」「氏名」「住所」「生年月日」「性別」以外の情報を知る手段はありません。マイナンバーから情報を検索することができるのは行政機関だけで、当然ながらその内容を会社に伝えることは禁止されています。
2. 逆にバレなくなる可能性も

つまり、会社にマイナンバーを出すことで職歴がバレるということは実質上ないと考えられます。逆に、現在、入社時に提出を求められることがある「年金手帳」「雇用保険被保険者証」の方が、前職に関する情報が多く含まれていると言えます。これらの手続きが将来的にマイナンバーだけの提供でよくなれば、前職までの情報は会社にとってはより分からなくなるでしょう。
ただし、万が一マイナンバーが情報漏洩をしてしまった場合は、職歴に限らずあらゆる個人情報が、第三者に知られてしまう点は、可能性がないとは言い切れません。

企業では採用時の対策が重要になります。

行政が提示する従業員情報の扱い方

特集-マイナンバー:政府広報オンライン (36913)

(5)個人情報の保護に関する質問

Q5-1 個人番号カードのICチップから医療(病歴、投薬等)情報まで筒抜けになってしまうことはないですか?
A5-1 個人番号カードのICチップには、税・年金の情報や病歴などプライバシー性の高い情報は記録されませんので、それらの情報はカードからは判明しません。(入る情報は、券面に記載されている情報や公的個人認証の電子証明書等に限られています。)(2015年9月回答)

行政からの現在のガイドラインではマイナンバー導入による現行以上の社員情報の取得はそう簡単ではないようです。
以上に記載されている項目は企業が知りたいと言うよりは、従業員が知られては困る事です。その困る事を知られてしまうかもしれないとして戦々恐々な訳です。しかし、ここに見てきたように実際には殆どの個人情報を知ることは現在のところ出来ません。今後はまだわかりませんが、知ることが可能になった時、企業はそれをどう扱っていくかがとても大切な事になることでしょう。

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