病院は特殊な事情のために、一般的なマイナンバーの知識だけでは足りません。接遇力アップのために、必要と思われることを整理してみました。患者さんの不安について、最後にリンクを貼っていますので、そちらも合わせてご覧ください。
医療分野でのマイナンバー議論が既にされている
厚生労働省は30日、個人の医療情報を管理する新たな番号の具体案を示した。マイナンバー制度を活用して新設するこの医療番号と、各医療機関や薬局、地域医療ネットワークで独自に使われている既存の番号を結び付け、患者の診療・服薬情報を共有できるようにする。大病院から地域の診療所に転院したり、引っ越しして受診先が変わったりした場合の重複診療や投薬を防ぐ狙い。2018年から順次導入する。
特に医療分野は、医療費削減が叫ばれる昨今、番号制度の利活用が最も期待される分野だ。医療の中でも、最も医療費削減につながるとみられるのは予防だろう。メタボ検診や予防接種の分野は、マイナンバーを利用するという方向が決まった。この分野は先行してスタートすることになる。そのための改正法案が国会に提出されている。
医療番号の導入について
新制度ではカルテやレセプトを管理するための医療番号を新たに作る。医療番号はマイナンバーとシステム上、連動する仕組みだ。医療番号を使って医療機関や薬局、介護事業者らが情報を共有できるようにする。番号を使った情報管理は個人の任意で実施する。マイナンバー制度が始まると個人番号カードが配布される。17年7月以降、番号カードは健康保険証としても利用できる。ICチップが搭載されており、医療機関で認証すると、医者はマイナンバーと連動した患者の医療番号を把握できる。医者はマイナンバーは扱わない。医者が扱う情報は医療分野のみにし、情報漏洩リスクを最小限にしたい日本医師会に配慮した仕組みだ。
現行のマイナンバー法で対応できる範囲と
個人番号とは異なる医療等IDが必要な分野を明確化
医師会の常任理事は導入を反対している
「マイナンバー制度を医療分野に持ち込むことには反対だ。これからの医療は遺伝子情報が中核となってくるが、究極の個人情報である遺伝子情報が漏れれば、将来的な病気の予測などが、差別や人権侵害につながりかねない。優生医療の拡大のおそれもある」「政府はマインバー法附則6条で、個人情報提供の範囲を拡大するにあたって、法施行後3年をめどとして、国民の理解を得つつ措置を講ずるとしていた。にもかかわらず、改正マイナンバー法でこれを破り、特定健診の結果をマイナンバーとひも付けることにしてしまった」
医療のシステム化自体に課題が多い
──レセプトだけでなく、病状や診療内容まで踏み込んだ医療情報の共有・連携を目指して、2020年までに電子カルテを9割まで普及させるという政府の目標達成は可能か。「医療情報の連携や共有は、ほとんどできないと思っている。(電子カルテ普及は)おそらく2─3割しか進まないと思われる。したがって医療情報の共有と連携は、すぐにはできないだろう」
「理由は3つほどある。1つは医師のPCスキルの問題、2つ目はシステム構築・メンテナンスのばく大な費用の負担、3つ目は医師サイドが情報連携の必要性を感じていないということがある」
知識を持たない患者には病院側から説明が必要か
整骨院に行ったら施術中のご年配の方がマイナンバーの話をしていた。これからは病院で名前じゃなくて、マイナンバーで呼ばれる時代になるのかなぁ〜?と話していたけど、マイナンバーを他人に知られちゃいけないって知らないのかな。ご年配の方には一人ひとりに説明が必要な気がする。
— 舞 (@mai_sasa) October 8, 2015
説明業務が必要となれば、病院側の負担も増えてしまいますね。
マイナンバーは、精神病の通院とかも、会社に筒抜けになるんじゃないのか?
— ヒロ (@rdxf53) October 6, 2015
個人番号カードには医療などの特定個人情報は含まれませんので、
これを説明する機会は非常に多いと考えられます。
医療従事者にも周知・議論が必要
一般企業以上に、患者さんに配慮した運用が大切です。
セキュリティやシステムに詳しいメンバーが今後必要となるでしょう。
しかし、検査方法で基準範囲なども変わってくるため、注意が必要です。