本年1月より社会保障・税関係事務においてマイナンバー制度が導入されることとなりました。どのような点に注意して運用・管理を行えばよいのか調べてみました。
なぜマイナンバーは重要なのか?
現時点で想定されるマイナンバーが必要となる業務については、
■従業員の給与・福利厚生
源泉徴収票の作成
厚生年金保険被保険者資格取得届の作成
健康保険被保険者資格取得届の作成
雇用保険被保険者資格取得届の作成■社会保険関係手続き
年金事務所、健康保険組合、ハローワークへの被保険者資格取得の届出■税務署への提出
税務署、市町村への源泉徴収票の提出、報酬等に係る支払い調書の提出
などが上げられます。
マイナンバー(個人番号)とは、
国民一人ひとりが持つ12桁の番号のことです。
マイナンバーは、一生使うものです。番号が漏えいし、不正に使われるおそれがある場合を除き、一生変更されませんので、大切にしてください。
マイナンバーは、社会保障、税、災害対策の手続のために、国や地方公共団体、勤務先、金融機関、年金・医療保険者などに提供するものです。こうした法律で定められた目的以外にむやみに他人にマイナンバーを提供することはできません。
他人のマイナンバーを不正に入手したり、他人のマイナンバーを取り扱っている人が、マイナンバーや個人の秘密が記録された個人情報ファイルを他人に不当に提供したりすると、処罰の対象になります。
取り扱う際に留意すべき3つのポイント
事業者が税や社会保障関係の事務を行うためには、本人等からマイナンバーを提供してもらう必要がありますが、番号法によりマイナンバーの提供を求めることができる場合が限定されています。
一般的な企業においては、「個人番号関係事務」を処理するために必要がある場合に限り、本人等にマイナンバーの提供を求めることができます。したがって、事業者は、例えばマイナンバーを社員番号代わりに利用するなどの目的でマイナンバーの提供を求めることはできません。
便利なマイナンバーですが、法律や条令によって定められた目的にしか利用できないことになっています。・利用範囲は社会保障・税・災害対策
制度スタートと同時にマイナンバーが適用されるのは、社会保障と税制と災害対策という3つの分野に関する手続きのみです。いかなる事情があっても、これ以外の目的でマイナンバーを使うことは認められていません。
たとえば、従業員の管理や顧客管理などにマイナンバーを利用したくなることもあるかもしれませんが、これは禁止です。・利用目的をあらかじめ通知する義務
業務上他人のマイナンバーを取得する場合には、先にしっかりと利用目的を伝えておかなければいけません。たとえ認められている分野での利用だったとしても、通知した内容と違う目的への転用は禁止です。あとから別の用途にも利用する必要が出たときは、その都度あらためて利用目的を追加した旨を通知しましょう。・本人の同意の有無は無関係
これらのルールは、本人の同意の有無とは一切関係なく適用されます。同意があったとしても、目的外での利用は絶対にNGです。これには、立場上逆らえないような相手からの同意の強要を防ぐという意味もあります。
一般的な企業においては、「個人番号関係事務」を処理するために必要がある場合に限り、従業員等のマイナンバーを収集・保管することができます。特に留意すべき点は、マイナンバーを利用して行う事務を処理する必要がなくなった場合で、書類の法定保存期間を経過した場合には、マイナンバーをできるだけ速やかに廃棄または削除しなければならない、とされている点です。
政府が示す6つの導入チェックリスト
6つの導入チェックリスト1 マイナンバーを扱う担当者を決めましょう。
2 マイナンバーを従業員から取得する際は、利用目的を伝え、番号の確認と身元の確認をしましょう。
3 マイナンバーが記載された書類は、カギがかかる棚や引き出しに保管しましょう。
4 ウィルス対策ソフトを最新版にするなど、セキュリティ対策を行いましょう。
5 退職や契約終了で従業員のマイナンバーが必要なくなったら、確実に廃棄しましょう。
6 従業員にマイナンバー制度周知のための研修や勉強会を行いましょう。