中小企業でマイナンバー準備が進まない理由とは?

マイナンバーの準備をしていない中小企業は、まだまだ多いと聞きますいったいなぜ企業は二の足を踏んでいるのでしょう。今回は準備が進まない理由についての関連記事をアップしてみました。

中小企業の95%がまだ準備完了できていない

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2015年9月に株式会社サイバーネットワークスが会員企業271社に対して行った調査では、完了している企業が5%で、まだ準備が完了していないのが95%と大部分を占めている。
via マイナンバーに関するアンケート | 株式会社サイバーネットワークス

理由その1 中小企業には関係ない制度だと思っている。

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「マイナンバー制度」への対応を進めていますか?」の結果を従業員数別に見てみます。

「まだ何も着手していない」の割合を見ると、従業員が30名までの会社規模では38%と超えるのに対して、30名超の会社では20%程度に一気に下がり、何かしら調査をし、関心が高いことがわかります。また、実際に行動に移している会社の割合を見ると、従業員が300名までは40%(取り組んでいる(22%) +始めたばかり(18%))に留まっているのに対して、300名を超える会社の場合には一気に85%(取り組んでいる(71%) +始めたばかり(14%))にまで達していることがうかがえます。

従来の個人情報保護法においては、顧客情報を多く持つ会社が対象だったのに対して、マイナンバー制度はすべての事業主が対象になります。個人商店のような個人事業者であっても、アルバイトやパート社員を雇っているケースは多いと思います。結果として源泉徴収などの届け出の際に、従業員・扶養親族のマイナンバーを記載する必要があり、すべての事業主に影響があるので注意しなくてはいけません。

中小企業どころか、個人事業主にも従業員のマイナンバー記載義務があるのですから、「関係ないと思っていたから」では済まされない問題です!

理由その2 制度の内容を理解していない。

今回の実態調査では、2016年1月からスタートするマイナンバー制度について、77%の企業が「どのような対応をすべきかよく分からない」と回答し、制度開始まで半年と期日が近づいているなか、企業の対応が進んでいない実態が明らかになりました。
昨年末には「特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン」が内閣府より公表され、企業がマイナンバーを漏洩した場合の罰則規定が設けられていますが、「全く知らなかった」「罰則があることは知っていたが、どのような内容かは分からない」の回答を合わせると、81%の企業がガイドラインを理解していないのが現状です。
これは5月末に行われたアンケート調査の結果なので、10月現在はもう少しマシになっていると思います。
罰則があると分かった時点で、「それではどんな罰則なのか?」と調べるくらいの意欲は持って欲しいものです。
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理由その3 メリットがあるのかどうかわからない。

Q1. マイナンバー制度における一番のメリットは何ですか?
 ~メリットなしが6割~
 マイナンバーのメリットについては、全体では「メリットはない」が3,258社(構成比65.9%)で最多、次いで「情報管理がしやすくなる」が742社(同15.0%)、「業務の効率化」が518社(同10.5%)と続く。6割以上の企業が制度にはメリットがない、と否定的な回答を寄せた。
 「メリットはない」としたのは、大企業が739社のうち465社(構成比62.9%)、中小企業等でも4,203社のうち2,793社(構成比66.5%)と比率に大きな開きはなかった。
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メリットが無いと、人は動かないのでしょうか?
マイナンバーは、アイディア次第でビジネスチャンスをもたらすとも言われているのです。
やはりまずは、深く理解してもらわないといけないのでしょうね。

理由その4 責任者が準備しようとしない。

マイナンバー制度、事務担当者として・・・

中小企業の総務担当として、人事・給与・経理全般を担当しています。
これから始まるマイナンバー制度のセミナーに参加してきました。
しっかり対応しないといけないと改めて思ったのですが、
経営者にまったくその気がなくて困っています。
事務所は他部署も一緒にいて、私の机は前後左右常に人が行き来する場所です。
社外の人も同様で、私が離席時に勝手に座ってることもあります。
金銭を扱うのにこれでいいのかずっと疑問を感じていて、
上司に相談しても結局ワンマン社長が耳を傾けずそのままで来ています。
特に重要な仕事をしているときは周囲に気を付けながら、
そばに人が来そうな時は慌てて書類を隠しています。
それでも集中しすぎて気付かず、見られてしまったこともありました。
でもマイナンバーを扱うことになれば、このままでは困ります。
罰則規定までありますし、このような座席では仕事ができません。
何度も相談しましたが、一切何も変えるつもりはないの一点張り。
中小企業だからそこまで慎重になる必要はないといわれます。
私が他の社員だったら、自分のマイナンバーをそんな席で扱われたくないと思います。
どのように説得したらいいでしょうか。
上司も経営者もセミナーは何度か参加し、内容はわかっています。
難しく考えることはないとか、一般人が他人のマイナンバーに関心はないとか言っています。

ある一例として取り上げた記事です。
このような会社は結構あるみたいで、事務担当者の方の心配顔が目に浮かぶようです。
情報漏洩してからでは遅いので、無理やりでも社長をセミナーに連れていく必要があります。
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理由その5 企業への負担が大きいから。

大阪シティ信用金庫は5日、個人番号の「通知カード」の発送作業が始まったマイナンバー制度への対応状況を大阪府内の中小企業に調査した結果、「今のところ何もしていない」との回答が83・2%に達したと発表した。

 「既に着手していることがある」は2・8%、「(未着手だが)具体的に予定していることがある」は14・0%だった。

 制度への対応に必要な時間と労力に伴う経営負担を尋ねたところ、「かなり大きい」が57・1%、「極めて大きく経営に支障が生じる」が30・6%で、計87・7%が大きな負担を感じていた。

確かに最初は負担は大きいかもしれません。
しかし、セミナーなどに参加して専門家の意見を聞けば、少しでも負担を軽減するアドバイスをもらえるかもしれません。
行動に移してこそ、明るい未来が見えてきます。
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どうせなら政府のサイトで詳細を理解してみては?

●動画でみるマイナンバー制度(事業者向け)はこちら
(事業者の方、人事給与担当者の方などに参考になる内容を動画で理解することができます。マイナちゃんが分かりやすく解説してくれます)
(ダウンロード可能ですので、社内研修等にもご活用いただけます)
●動画のPDFファイルはこちら

●詳しい説明文入りの事業者向け資料はこちら(PDF:6.5MB)pdf
事業者の方、人事給与担当者の方などに参考になる内容が、図と説明文入りで詳しく理解できる資料です。社内研修等でご活用ください。

viaの「マイナンバー社会保障・税番号制度」をクリックすれば内閣府のサイトにいけます。
そこで実際に動画を入手してください。
簡単にマイナンバーについて理解できると思うので、いろいろな理由で準備していない企業は、これで重い腰をあげるきっかけになるのではないでしょうか?
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