企業にとってはマイナスが多そうなマイナンバー制度ですが、あらゆる所で経済効果はそれなりにあるようです。あなたの会社はいかがですか?
マイナンバーに関しての経済効果が気になる中小企業
マイナンバーが及ぼす経済効果とは
マイナンバーが及ぼす経済効果ですが、システムの導入など、IT産業が関わる金額だけ見積もっても、その金額は2兆円から3兆円規模になるとも言われています。マイナンバーを導入することで、様々なメリットがあると言われていますが、導入により経済に大きな効果をもたらすことも見逃してはならないポイントだと言えるでしょう。
マイナンバー特需を受ける意外な業界
マイナンバー特需は、意外な業界にも波及するようです。まず、金庫などを売る会社は、マイナンバーカードの保管や、マイナンバーが書かれた法定書類を保管するためにより厳重なものが必要となり、買い替えが多くの会社で行われることが期待されています。また、文房具メーカーにも大きな特需がやってくると言われています。通知カードや、その後発行を開始する個人番号カードのケースが必要になる、もう一点は、書類に書かれたマイナンバーを隠すためのシールや、付箋などが爆発的に売れるのではないかという話が上がっています。
サイトの広告料がぐんと上がる
「韓国ではレンタルビデオ店だけでなく、オークションサイトのIDが住民登録番号だったり、インターネットの掲示板に書き込みをする際にも住民登録番号を入れなくてはならないケースがほとんどです。商品を購入した人の性別・年齢・居住地などを正確に知ることができるわけですから、消費動向分析といったマーケティングに役立つだけでなく、ターゲットにぴったり沿った広告を打つことができるでしょうね。これは非常に効果的です。
ヨーロッパでは、国が管理する個人情報をもとにダイレクトメールを送る!?
個人情報先進国のヨーロッパでは、国が管理する個人情報をダイレクトメール送付に利用するという事例もあります。個人情報そのものを企業に渡すというわけではありませんが、ターゲットの年齢・性別などに合わせて、ダイレクトメールの発送を代行してくれるのです。たとえば、60歳に退職者向けの金融商品の案内を送るとか、子どもを産んだ女性におむつの広告を送るとか、子どもが6歳になったら親にランドセルの広告を送るとか。ターゲットを正確に絞り込めるので、無駄がありません
ビジネスの可能性とは?
直接的な投資だけではなく、マイナンバー制度から派生したビジネスが考えられます。「個人番号カード」を利用したオンラインショッピング、さらには企業のマーケティング利用などが想定できます。同じように共通番号制度を導入している外国の中には、個人情報に適した企業商品を紹介できる事例もあります。こうしたマーケティング利用まで可能になると、経済効果は無限に広がりそうです。
海外ビジネス事例
【スウェーデン】マイナンバーと同じ国民総背番号制度をいち早く導入している先進国の中には、スウェーデンがあります。
特筆すべきはSPAR(Swedish Population and Address Register)という独自のシステムだといわれます。税金庁所管の政府関連機関が、国民の正しい情報などを、広く社会に対して提供、例えばSPARから情報を得た民間企業が、子どもの生まれた親におむつの広告を送ることができる、といったことです。
前提としてSPARは、民間企業からの要請を受けた場合、情報提供を行うか否か、内部委員会が厳格な審査を行っています。国民のうち情報が使われるのが嫌な人は拒否できますが、実態として拒否している人は、全体の1.4%程度に過ぎないというデータもあります。一般に便利なサービスとして国民に認定、導入されている、というのです。
マイナンバー制度で“ふるい”にかけられる保険代理店
「マイナンバー」を巡り、企業活動が活発になってきています。一説によると、IT業界はマイナンバー制度に対応したシステム改修等の請負で、数兆円規模の経済効果があるとも言われています。また、情報漏えいリスクに対応した「マイナンバー保険」の発売を今秋に控えた損害保険会社もでてきました。
マイナンバー特需で利益を得る企業、官僚
政府は将来的にこのマイナンバーに生体情報(静脈認証など)を紐付け、個人番号カードすらなくしてしまおうという計画を立てています。現在生体認証システムとしてはAppleのTouch IDの他にFIDO(Fast IDentity Online)アライアンスと呼ばれる規格が日本で普及を図っており、今年の5月にはNTTドコモが参画を発表しました。モバイル市場では2018年までに世界でおよそ34億人が生体認証搭載携帯端末を持つと推測されています。
また一方で日本においてマイナンバー制度がもたらす経済効果はIT業界だけで3兆円にも及ぶと言われています。日本に住民登録を持つ全ての人間にマイナンバーカードを発行し、それらに生体情報を登録、管理するのにかかる費用、逆に受注会社にとっての市場規模は莫大なものになると推測できますが具体的な数字はまだ発表されていません。