マイナンバー制度がいよいよスタートしましたが、法人として何をいつまでにしなくてはいけないのか、まとめてみました。
なかなか進まないマイナンバー対応
日々の仕事の対応や、予算がまだついていない、仕組みがよくわかっていないなどで、2015年中にマイナンバー制度に対応完了したところはまだ半分に満たないようです。
民間調査機関の一般財団法人 労務行政研究所(理事長:猪股宏 東京都品川区西五反田
3-6-21 住友不動産西五反田ビル3階)では、人事労務の専門情報誌『労政時報』のWEBサイト登録者を対象に、マイナンバーへ
の実務対応について調査した。2015年11月11~18日の調査時点での
企業のマイナンバー収集事務の対応状
況を見ると、「対応中で、収集に向けた各
種整備を進めている」が59.2%で最も多
く、「対応はほぼ完了しており、後はマイ
ナンバーを収集するだけ」が39.6%と約4
割を占めた
とくに中小企業でその傾向は顕著です。
調査の結果、現時点で制度への対応・準備を「完了している」と回答した会社はわずかに1.3%、「実施している」(取り組んでいる/始めたばかり)と回答した会社でも19%。
一方で、まだ行動していない会社が全体の約80%で、「情報収集・計画中」の会社が30%、「まだ何も着手していない」と回答した会社は、50%という結果になりました。
予算や人員の問題もあるのでしょうが、「中小には関係ない」と考えているところも多いようです。システム化しなくてはならないような人数ではない場合もありますしね。
「まだ何も着手していない」と回答された方
・妻を専業従業者としている段階なので対策は必要ないと思っている。
・中小零細企業はどうしたらいいのかわからない。
・当社の従業員数で特別な対策が必要でしょうか。
対応のリミットはいつごろか
■2016年1月からやること・税金の申告で個人番号届出
・雇用保険で個人番号届出
・国民健康保険で個人番号届出
2016年にはこれら申告に従業員のマイナンバーが必要になります。なので2015年中には従業員のマイナンバー収集をしておくべきでしょう。
取り扱うのは、従業員のマイナンバーだけではありません。社会保険料や納税額は、本人の所得だけで決定するものではないからです。そう、こういった手続きを滞りなく進めるためには、扶養家族の有無や人数が関係してきます。
また、マイナンバーは従業員の扶養家族のぶんも必要になります。これは忘れがちなのできちんと収集しておきましょう。
収集を行えば、それを漏洩しないようにきっちり管理する態勢を整えておかないといけません。収集以前にやるべきことであり、出来てない場合は早急に対応しましょう。
via www.concur.co.jp
情報漏えいに関する対策を練る必要性があります。マイナンバー情報は、個人情報保護法の対象外の企業も厳しくその管理と漏えい防止を行うことが法的に求められています。情報を漏えいすると、違反した当事者だけでなく、事業主も処罰される可能性があります。罰則は、個人情報保護法よりも厳しく最高で「4年以下の懲役 または200万円以下の罰金」が課せられます。
個人情報保護法と同じようにすればよいと思っている中小企業も多いようですが、マイナンバーに関する取り扱いはそれとは異なります。
マイナンバーが導入される前に施行された「個人情報保護法」は、すべての民間事業者が遵守しなければならないわけではありません。取り扱う個人情報の件数が過去6か月以内に5,000件を超えない小規模な民間事業者は対象外であることが、個人情報保護法の「個人情報取扱事業者」で規定されているからです。さらに個人情報保護法では生存している情報を保護する必要があるとし、死者に関する情報は保護する必要はありませんでした。個人事業主であったとしても従業員を1人でも雇用していたり、税理士に経理代行として顧問料を支払っていたり、行政書士に書類代行の対価を支払ったりした場合、マイナンバーを適切に取り扱う義務が生じることになります。
個人事業主にとって気になる確定申告ですが、2016年での申告ではマイナンバーは不要です。申告内容は2015年のものですからね。マイナンバーは2016年スタートの制度です。
2016年(平成28年)2月16日〜3月15日の間に提出する確定申告書にマイナンバーの記載欄はありません。この確定申告にはマイナンバーは関係しません。
マイナンバーが導入される一部制度に関しては手続きが延期されています。対応が大変なのでありがたいですね。
今年10月に通知カードが届き、2016年1月より施行されるマイナンバー制ですが、厚生労働省より健康保険・厚生年金保険関係手続については施行が1年延期され、2017年1月1日からのスタートとなることが発表されました。