今さら聞けない☆マイナンバーの基本≪4≫取扱いのポイント②利用・提供

ここでは、マイナンバー取扱いのポイント②利用と提供について解説します。マイナンバー制度では、行政機関だけでなく、民間企業にも厳重な管理と運用が求められます。

マイナンバーの取扱いのポイント② 利用・提供

マイナンバーは、通常の個人情報の取扱いよりも、さらに厳重な管理が求められます。

事業者がマイナンバーを利用できるのは、マイナンバー法第9条に定められた事務処理に必要な範囲内に限定されます。

マイナンバー管理 – マイナde社労夢CL(Client) (36568)

マイナンバー制度では、行政機関だけでなく、民間事業者にも特定個人情報(マイナンバーをその内容に含む個人情報)の適正な取扱いが求められます。マイナンバーは法律で定められた範囲以外での利用が禁止されています。
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具体的な利用は、日取得者に事前に通知・公表した目的に限定され、以下の例外を除いては、たとえ本人の同意があっても利用できません。

例外的にマイナンバーを利用目的以外に利用できるケース

例外的にですが、ケースは2つあります。
例外的なマイナンバーの利用は、①金融機関が激甚災害時等に金銭の支払を行う場合、②人の生命、身体又は財産の保護のために必要がある場合に限られています。

「利用」と「提供」の違いは?

「利用」とは、同じ法人内部での特定個人情報の移動

「提供」とは、法的な人格を超える特定個人情報の移動 です。

企業のためのマイナンバー対応必須版(税理士事務所との調整) - 税理士法人イーグル (41848)

法人内部での移動は、「提供」ではなく「利用」にあたる。

例えば、営業部に所属する従業員等の個人番号が、営業部庶務課を通じ、給与所得の源泉徴収票を作成する目的で経理部に提出された場合には、「提供」には当たらず、法令で認められた「利用」となる。

グループ内であっても、法人が異なれば、「提供」にあたる。

例えば、ある従業員等が甲から乙に出向又は転籍により異動し、乙が給与支払者(給与所得の源泉徴収票の提出義務者)になった場合には、甲・乙間で従業員等の個人番号を受け渡すことはできず、乙は改めて本人から個人番号の提供を受けなければならない。

個人情報保護法上の共同利用も「提供」に該当します。
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Q. マイナンバーが漏えいして不正に用いられるおそれがあるときは、マイナンバーを変更できますか?

A. 変更できます。
  その場合は事業者への申告が必要です。
マイナンバーが変更されたときは事業者に申告するように従業員などに周知しておくとともに、一定の期間ごとにマイナンバーの変更がないか確認することが考えられます。
毎年の扶養控除等申告書など、マイナンバーの提供を受ける機会は定期的にあると考えられるので、その際に変更の有無を従業員などに確認することもできます。

Q. 従業員がマイナンバーの提供を拒否した場合は、どうすればよいのですか?

A. マイナンバーの取扱事務は、事業者にとっては義務的なものです。

なので、従業員たちに自ら業務をするのに必要になるマイナンバーの収集について、丁寧にしっかりと説明し、理解と信頼を築くことが大切になります。

法定調書作成などに際し、個人番号の提供を受けられない場合でも、安易に個人番号を記載しないで書類を提出せず、個人番 号の記載は、法律(国税通則法、所得税法等)で定められた義務であることを伝え、提供を求めてください。
それでもなお、提供を受けられない場合は、提供を求めた経過等を記録、保存するなどし、単なる義務違反でないことを明確にしておいてください。

経過等の記録がなければ、個人番号の提供を受けていないのか、あるいは提供を受けたのに紛失したのかが判別できません。特定個人情報保護の観点からも、経過等の記録をお願いします。