すでにマイナンバーによる運営が開始されていますが、企業による管理体制は万全でしょうか?マイナンバーをきちんと守るために金庫などが必要ですが、セキュリティ面で重要である鍵にもさまざまなタイプがあります。それぞれの特徴を理解してマイナンバーを管理しましょう。
なぜ企業はマイナンバーで管理するのか。
民間企業は、従業員の健康保険や厚生年金の加入手続を行ったり、従業員の給料から源泉徴収して税金を納めたりしています。また、証券会社や保険会社等の金融機関でも、利金・配当金・保険金等の税務処理を行っています。平成28年1月以降(厚生年金、健康保険は平成29年1月以降) は、これらの手続を行うためにマイナンバーが必要となります。そのため、企業や団体にお勤めの方や金融機関とお取引がある方は、勤務先や金融機関にご本人やご家族のマイナンバーを提示する必要があります。
このようにマイナンバーによって、企業は従業員の保険や給与などさまざまな手続きを行うことができます。このほかにも行政機関との手続きもマイナンバーを記載しなければなりません。
人事部門では、従業員の給与計算だけでなく、所得税の源泉徴収、住民税の特別徴収、社会保険料(健康保険・介護保険、年金保険、雇用保険・労災保険)の支払いや届け出・申請など、各種手続きを行っている。例えば、従業員の入退社や住所変更についても行政機関と異動連絡事務を行っており、今後はこれらの事務手続きにおいてマイナンバーを記載する。
人事部門では従業員のマイナンバーを扱うことが多くなります。企業内ではマイナンバーを一番触れる機会が多いでしょうから責任も重大です。このためマイナンバーを管理する体制も厳重にすべきでしょう。
知っておくべき鍵の種類
●シリンダータイプ
一番オーソドックスな「鍵」を使って施錠するタイプです。鍵を挿入して回せば施錠・解錠出来るので取り扱いが簡単です。
弱点は簡単に鍵の複製品が作れてしまう事と、ピッキングによる解錠の可能性がある事。
そのため、現在ほとんどの金庫はピッキングの困難なディンプルキーを採用しています。
●ダイヤルタイプ
金庫の中で一番オーソドックスなタイプです。
ダイヤルによる機械仕掛けのため、動作の信頼性が抜群です。一方いちいちメモリを合わせる手間がかかってしまうので、頻繁に物を出し入れするような使い方の場合不便を感じるかもしれません。
●テンキータイプ
電子ロックの暗証番号をボタン入力するタイプ。
自由に暗証番号を自由に設定・変更できます。ボタンをプッシュするだけで解錠できるので、ダイヤルタイプの様な煩わしさがありません。一方、電ロックは電池で動作しているため、電池がなくなれば解錠することはできません。ただ、施錠状態で電池交換は出来ますし、電池が切れても暗証番号は記憶されているのでそう言った不安はありません。
一般的によく使われるものから電子制御のものまでありましたね。しかし一般的によく使われるものはピッキングされる可能性があるかもしれません。一般的な金庫を使用する場合でもピッキングなどされないように対策を練るなどすれば大丈夫かもしれません。
●指紋認証タイプ
指紋認証などの体の一部を利用し認証に利用する事を生体認証と呼び、最新の認証システムです。
一番の長所は何と言っても指を機会にスライドさせるだけで解錠できる手軽さと登録された指紋以外では解錠出来ないセキュリティーの高さです。さらに指紋は複数登録出来るため、家族の指紋を登録でき、暗証番号を忘れて解錠出来なくなることもありません。また、怪我などで登録した指が使えない場合、別の指を予め登録しておけば安心です。デメリットはテンキーと同じように電池切れ。さらに指紋は年月とともに若干変化していくため、認証されにくくなることがあります。
●マルチロックタイプ
指紋認証ロック、テンキー、ICタグ、シリンダー錠などの施錠システムを複数照合して開閉するタイプや、用途に合わせてロックシステムを選べるタイプをマルチロックシステムと言います。
必ずしも指紋認証+テンキーを組み合わせた様な2重ロックを指すものでない事に注意する必要があります。
ただし、大抵の場合シリンダー錠が装備されているためシリンダー錠+テンキーなどの2重ロックとなっている場合がほとんどです。
いくつか鍵の種類を紹介しましたが、ドアを施錠・開錠するするのが困難な種類がありましたね。その方がセキュリティ面を考えるとマイナンバーを保管するのに向いているかもしれません。電子制御のものは一般的な金庫に比べて値段が高くなるでしょうが、個人情報を守らなければならないことを考えると、セキュリティ面が高い金庫を導入することで物理的安全措置がとり高まるのではないでしょうか。
鍵だけでなく、金庫にも種類があります。金庫と鍵の組み合わせしだいでより強固なセキュリティが確保できるでしょう。また管理する体制を作り、金庫を管理する担当者を決めるなど役割分担を企業内で決める必要があります。これからさらにマイナンバーによる運営が活発になることを考えると、今のうちに管理体制を盤石なものにするのが得策ではないでしょうか。