従業員のマイナンバーでどこまで情報がわかるんでしょうか?
従業員の副業がわかる?!
結論から言ってしまうと、答えはNoです。マイナンバー制度が導入されただけでは会社に副業がバレることはありません。ただマイナンバー制度が導入されると、お勤めの会社(本業)に自身のマイナンバーを伝えることが必要になってきます。このマイナンバーで会社が自分の所得を知ることができるのではないか?そんなことを不安に思うかもしれません。しかし、民間事業者のマイナンバーの収集・利用には大きな制限がかけられています。
しかし、民間企業のマイナンバー利用には制限があります
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1.法律の範囲内で利用目的を特定して、従業員に明示する必要があります。
2.利用目的以外の利用・提供は禁止されています。
3.現在、民間事業者にマイナンバーの利用が許されているのは社会保障、税に関する手続書類の作成事務のみです。
副業等の収入が20万円を超えると、会社員でも確定申告が必要です。これはマイナンバーの導入とは関係なく、今でもそうです。さらにいうと収入が20万以下の場合、税務署への確定申告は不要でも住民税の申告は必要な場合があります。
例えば、副業をしている会社員が確定申告をしたとします。その場合、副業収入を含めた住民税が会社に通知されるかどうかについては、副業収入の種類や申告の仕方によります。住民税には普通徴収(自分で納める)と特別徴収(会社員等で給料から天引きになる)の2種類の納め方があります。そして確定申告では、給与所得以外の収入はどちらの納め方にするか自分で選択できるようになっています。(参考:国税庁サイト)
したがって、副業収入が給与所得でない場合は、その分を普通徴収にすれば副業分の住民税は会社には通知されません。ただし、副業がアルバイトなどで給与所得になる場合は、原則、本業の住民税とあわせて特別徴収となりますので、会社に副業分も含めた住民税の額が報告されます。つまり、それをきっかけに副業がバレる可能性があります。
扶養親族の給料がばれる?!
マイナンバー導入後考えられるのは、扶養親族の給料がより正確に把握されることです。
今でも、上記の市区町村への提出で、扶養親族の給料が扶養範囲を超えていることを指摘されることがあります。
その指摘がマイナンバー導入によって、より早くより正確になる可能性が高いです。本人は年末調整のときに扶養親族のマイナンバーも提出します。このマイナンバーと、扶養親族の勤め先が提出したマイナンバーの照合が簡単にできるようになります。
扶養親族側(子、配偶者)も要注意です。
親の扶養に入っていて内緒でバイトをしている場合、会社から親が指摘され結果として親に収入があることがばれてしまいます。
これまでの職歴がばれる?!
マイナンバーを記載した書面を行政機関等に対して提出する会社は「個人番号関係事務実施者」となり、目的を超えたマイナンバーの収集・保管をすることはできません。また、利用する可能性がなくなった後は廃棄しなくてはならず、これらを守らなかった場合の罰則規定も定められています。そもそも会社は、通知カードに記載されている「12ケタの個人番号」「氏名」「住所」「生年月日」「性別」以外の情報を知る手段はありません。
つまり、会社にマイナンバーを出すことで職歴がバレるということは実質上ないと考えられます。逆に、現在、入社時に提出を求められることがある「年金手帳」「雇用保険被保険者証」の方が、前職に関する情報が多く含まれていると言えます。これらの手続きが将来的にマイナンバーだけの提供でよくなれば、前職までの情報は会社にとってはより分からなくなるでしょう。
借金がばれる?!
借金がある人の場合、一番気になるのは、「会社に借金がバレたりしないのか?!」ですよね。マイナンバー制度が始まるとお給料をくれる会社には、自分のマイナンバーを伝えなければいけません。
これは、会社が「このマイナンバーの人にこれだけお給料払ったよ。」と国に知らせることが義務となっていくる為です。民間企業が、マイナンバーから個人の情報を取得することは出来きません。その為、会社にマイナンバーを教えなければなりませんが、会社がそのマイナンバーから個人の借入状況などを調べることは出来ません。
まとめると、
・会社にマイナンバーを知らせるのは、義務になる。
・会社は、マイナンバーから個人の借入状況などは調べられない。つまり、マイナンバー制度が始まったからと言って、皆さんが心配されているような借入状況が会社にバレると言うことはありません。
持っている不動産がばれる?!
不動産に関してはマイナンバーの適用外です。
ばれることはありませんが、確定申告した内容はこれまでどおり税務署に把握されます。
本名がばれる
マイナンバーは本名と紐付けられます。
事情があり、本名で仕事をしていない場合は、ばれてしまうので、事前に話しておきましょう。
フリーランスの場合は、ペンネーム、ビジネスネームを使っていることも多いかと思います。
どうしても・・という場合は、マイナンバーの提供の拒否も考えられますが、取引先との関係上、難しい可能性も高いです。
(本当に隠したいときは、法人にして、法人で取引をすればマイナンバー(個人番号)を提出しなくて済みます)