平成28年1月からのマイナンバー制度が運用開始されます。マイナンバーの収集に向けて、多くの企業が動き始めています。平成28年分扶養控除等申告書の書類から対応スタートの企業も多いはず。あなたの会社、導入準備は順調?
平成28年分扶養控除等申告書のマイナンバー、どうする?
平成28年分扶養控除等申告書の書類からマイナンバーの記載欄が加わりました。
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給与所得者が、平成28年分の扶養控除等申告書を平成27年中に源泉徴収義務者に提出する場合、その申告書に給与所得者本人等の個人番号を記載する必要はありません。ただし、Q2-9のとおり、源泉徴収義務者は、平成28年分の給与所得の源泉徴収票に給与所得者本人等の個人番号を記載するために、平成28年1月より前であっても、給与所得者に対し、その申告書に給与所得者本人等の個人番号を記載するよう求めても差し支えありません。
2度手間を省くためにも扶養控除等申告書のタイミングでマイナンバー収集を行うことにした企業もあるでしょうし、一方で「記載欄はあるけれど記載の義務は無い」という事なので、とりあえず記載無しで対応する事にした企業も多いかもしれませんね。
マイナンバー記載不要とした場合でも、マイナンバーの欄があるので従業員がマイナンバーを記入して提出した、という場合もあるかもしれません。でも、その場合にも「これでマイナンバーの取得が出来たから収集の手間が省けた」とはならないので、注意が必要です!
A4-2-3-1 [Q5-7]にあるとおり、番号法に特段の規定がない限り、マイナンバーを含む特定個人情報にも個人情報保護法が適用されるので、同法第18条に基づき、マイナンバーを取得するときは、利用目的を本人に通知又は公表しなければなりません。 なお、複数の利用目的をまとめて明示することは可能ですが、[Q4-2-4]のとおり、利用目的を後から追加することはできません。(2014年7月回答)
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配偶者特別控除申告書に必要なマイナンバーを「年末調整のために利用する」と明示しているにもかかわらず、それを社会保険の手続きに利用するのはNGです。
改めて、利用目的を明示した上で正式に番号を取得しないといけません。
中小規模事業者も例外ではない!マイナンバーの安全管理義務
マイナンバーは、厳重な管理が要求され、個人情報保護法よりも重い罰則規定が設けられています。
安全管理を怠って、紛失や漏えいなどが起こってしまったら大変です!
マイナンバーの記入された扶養控除等申告書も、もちろんその対象。
小規模な事業者も例外ではありません!
安全管理を怠って、紛失や漏えいなどが起こってしまったら大変です!
マイナンバーの記入された扶養控除等申告書も、もちろんその対象。
小規模な事業者も例外ではありません!
A4-1-5 小規模な事業者も、法で定められた社会保障や税などの手続きで、従業員などのマイナンバーを取り扱うことになり、[Q4-4-1]でお答えしているような個人情報の保護措置を講じる必要があります。小規模な事業者は、個人情報保護法の義務の対象外ですが、番号法の義務は規模に関わらず全ての事業者に適用されます。(2014年7月回答)
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事業者は、マイナンバーの不当な流出事故が起きることのないよう、特定個人情報等を取り扱う組織体制、運用状況の確認手段、情報漏えい等事案の対応体制の整備や、従業者への適切な教育や監督、また、セキュリティ対策やログ・アクセス制御、不正アクセス・漏えい対策などといった安全管理措置を検討し、厳重な対策をとることが求められます。
廃棄・削除義務も忘れずに…
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特定個人情報は、行政機関等に個人番号を記載した書類を提出する事務を行うために必要な場合のみ保有してよいとされています。そのような事務を行う必要がなくなり、かつ書類の法定保管期間が経過した場合には、できるだけ速やかに、個人番号が記載された書類やデータを廃棄または削除しなければなりません。この点は、個人情報保護法と大きく異なっていますので、注意が必要です。
扶養控除等申告書の書類だったら、7年間の保管期間を過ぎたら速やかに破棄しなくてはなりません。
さらに、削除または廃棄した記録を保存することが義務化されていることも重要なポイントです。どのデータ、どの書類を削除もしくは破棄したのかを記録として残しておかなければならないという決まりになっています。書類の破棄やデータの削除を第三者に委託した場合は、委託先から破棄または削除した証明書を提出させる必要があります。
特定個人情報等を削除・廃棄したことを、責任ある立場の者が確認する。
「特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドラインの概要」によれば、中小企業においては削除や破棄の記録の保存までは要求されていませんが、責任の所在はハッキリさせておかなくてはなりません。
まとめ
はじめが肝心です!マイナンバーを廃棄・削除するタイミングがすぐに分かるような形で管理するなど、先を見据えた仕組みづくりをしていく事が大切になります。後になって慌てたり余計な作業が発生しないように、どの書類をどの時期にどう処理するか実務の手順にまで落とし込んで、しっかり準備しましょう!