平成28年1月からスタートする「マイナンバー制度」。政府側はそのメリットを強く強調していますが、実際のところ、私たち国民にとってはどうなのでしょうか? メリットとデメリットについて考えてみましょう。
マイナンバーとは?
これにより、今まで以上に個人情報の管理がしやすくなるので、国や自治体にとっては非常に便利な制度であると言えるでしょう。
私たち国民にとってもいくつかメリットがあるようなのですが、それは一体どのようなものなのでしょうか?
マイナンバー制度は日本が2016年度から導入する個別の制度名で、一般的には「国民総背番号制」と呼ばれます。
すべての国民に個別の管理番号をつけ、それに基づいて社会保障や個人情報の管理など、行政の処理をすべて行うというものです。
日本国民の反応
マイナンバーのメリットを国が執拗に宣伝している。国が執拗にメリットを宣伝しているということは、マイナンバーというのは、「国にはメリットがあっても、国民にはデメリットしかない」ということです。国民に本当にメリットがあったら、しつこく宣伝なんかしませんよ。騙されたら駄目。
— 林雄介 (@yukehaya) December 5, 2015
世帯主宛に,世帯全員分のマイナンバーを送付していますから,ご夫婦は互いのマイナンバーを知ることになりますよね。その後,DVで別居,離婚となった際,「相手は自分のマイナンバーを知っている」ということに怯え続けることになるのではと心配します。
— 弁護士篠田奈保子 (@yorisoibengoshi) December 4, 2015
マイナンバーが導入されれば、こうした被害はますます増えるかもしれませんね。
マイナンバー、一斉提訴 「プライバシー権を侵害、違憲」 https://t.co/ykAmsstw1E 「勝手に番号を割り振られ、拒否すらできない。この怒りは言葉で説明できない」と声を張り上げた。 同意する。 pic.twitter.com/K7GBDWk0jm
— The daily olive news (@olivenews) December 3, 2015
希望者だけでなく、拒否の姿勢をはっきり示している国民にも有無を言わせず番号が割り振られてしまいます。
マイナンバー 過去に何度も「廃案」になった制度。1960年代には戦争体験者の人々の「戦時中と同じじゃないか!ふざけるな」と反対で廃案になり、その後も何度か廃案になってるのが、マイナンバー制度。ところが今回は、どさくさに紛れて可決。これは無関心だった国民にも問題があった。
— T.HIRANO (@TOHRU_HIRANO) December 2, 2015
恐ろしい歴史が繰り返されないことを祈ります。
夫宛にマイナンバーが届いた。……と思ったら、同じ封筒に私のマイナンバーも。おい、「マイナンバー」だろ? なぜ私宛に送ってこない? 1億歩譲ってたとえ同封したとしても、なぜ私の名前も併記しないのか。私は夫の付属物ではない。ひとりの人間だ。
— nmz (@nmzzzz) December 2, 2015
「夫婦や親子なら番号を知られても問題ないはず」という政府の杜撰な態度が透けて見えます。
メリットその1:公的組織での手続きが簡単になる
マイナンバーが導入されると、全国のあらゆる公的組織でまったく同じ番号によって個人情報が管理されることになります。すると、各組織間で個人情報をやりとりする際には、データの共有や連携がスムーズに行われるようになるはずです。役所での手続きは時間がかかるというイメージがあるかもしれませんが、マイナンバーによって大幅な時間短縮が期待できるというわけです。
メリットその2:必要な情報をスムーズに受け取ることができる
マイナポータルとは、別名「情報提供等記録開示システム」といい、インターネット上で個人情報のやりとりの記録が確認できるようになります。平成29年1月から利用できる予定となっています。ちなみに、以前は「マイ・ポータル制度」と呼ばれていましたが、正式名称が2015年4月に「マイナポータル」に決まりました。具体的には以下3つのことができます。
・自分の個人情報をいつ、誰が、なぜ提供したかの確認
・行政機関などが持っている自分の個人情報の内容の確認
・行政機関などから提供される、一人ひとりに合った行政サービスなどの確認
1.自己情報表示
自治体などが保有する自分の特定個人情報の閲覧
2.情報提供等記録表示
国や自治体などの間で交わされた特定個人情報のやり取りの記録の閲覧
3.お知らせ情報表示
予防接種や年金、介護など、自治体からのお知らせの受け取り
4.ワンストップサービス
引っ越しなどライフイベントに関する手続きの官民横断的なワンストップ化
5.電子私書箱
行政機関や民間事業者が発行する支払証明書などの各種電子データの受領
6.電子決済サービス
納税や社会保障などの決済をキャッシュレスで行えるサービス
メリットその3:公平な社会を作ることができる
2015年9月に成立した「改正マイナンバー法」では、当人の同意があれば銀行口座とマイナンバーを結びつけることが可能になりました(2021年からは義務化が検討されています)。これによって脱税や公的給付金などの不正受給の防止につながるほか、本当に困っている方にきめ細かな支援を行えるようになります。
マイナンバー制度の導入により、水商売や零歳企業で働く人たちにもマイナンバーカードの提示が必要となります。その結果、個人の就労情報が行政に正確に把握されることとなるでしょう。今後は行政が就労情報をもつかむことができるため、確定申告をせずに、ケースワーカーの目を欺く不正受給者の取り締まりがいっそう強化されることが予想されます。
生活保護の不正受給の方法として、複数の自治体に住民票を置いたり、実際には住んでいない審査の甘い自治体で受給を申請するというものがありました。マイナンバーの送付で実態のない居住者が炙りだされ、システムの完全始動により戸籍とのヒモ付が確実になり不正が明確になります。
— 渡邉哲也 (@daitojimari) November 29, 2015
生活保護の不正受給は、マイナンバーで一掃されるはず。。。 #nhk24
— タカロフ (@takarofu) November 13, 2015
デメリットその1:個人情報が流出する可能性がある
マイナンバー制度の元では、名前や生年月日など、多くの個人情報が一つの番号のもとに管理されますので、その番号が漏れてしまうと、不正に利用されてしまう恐れがあります。
脆弱性や不正など、マイナンバーのリスクに不安を感じている国民も多い中、情報セキュリティへの対策は規模に関わらず全ての自治体が取り組むべき課題です。
たとえば、マイナンバーが外部にもれると、いろんな情報と紐づけられているので、芋づる式に他の情報を引き出されることになり、「本人になりすまして年金をだまし取る」というように悪用されるようなことも懸念されます。
デメリットその2:税金の取り立てが厳しくなる
マイナンバーが導入されると、それぞれの機関の情報が同一の番号でひも付けされます。その結果、これまで未発覚の未納が見つかる可能性があるのです。
そのため、マイナンバー導入後は税金や社会保険料未納の取り立てが厳しくなるが考えられます。