マイナンバー対応の最初に必要な作業は従業員からのマイナンバーの収集です。いつ、どのようにして収集するのか。収集業務を整理するところから始めましょう。
マイナンバーの収集とは
マイナンバーの収集といっているのは、「人から個人番号を記載したメモを受け取ること。」「人から聞き取った個人番号をメモすること。」「電子計算機等を操作して個人番号を画面上に表示させ、その個人番号を書き取ること。」等を指しています
マイナンバーの収集では、利用目的の明示と厳格な本人確認が求められます。
本人から個人番号の提供を受けるときは、個人番号カードの提示等、番号法で認められた方法で本人確認を行う必要があります。
「通知カード」のコピーで収集する方法
従業員及びその扶養親族の通知カードのコピーをそのまま提供してもらう方法です。
マイナンバー記入シートでの収集
独自のマイナンバー記入シートを用意し、従業員に記載し提出してもらいます。
マイナンバー記入シートでの収集は様式が統一されているため、このままでも保管しやすいというメリットがあります。
マイナンバー記入シートでの収集は様式が統一されているため、このままでも保管しやすいというメリットがあります。
via shop.amano.co.jp
平成28年分(2016年)給与所得者の扶養控除等(異動)申告書で収集する
via blog.livedoor.jp
今年の年末調整時に従業員などが企業に提出する「平成28年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の正式な書式が下図のとおり公表されています。この書式では従業員のほか扶養親族の欄にもマイナンバーの記入欄が設けられていますので、従業員が本人および扶養親族分のマイナンバーを記入して提出してもらえば、従業員から必要なマイナンバーを収集したことになります。
ただし、注意点も…。
この2016年分の扶養控除等申告書を今年中に提出する場合は、マイナンバーの記入欄があるとはいえ、必ずしも記入する必要はありません。1枚の書類で扶養親族の分までまとめて記入され収集できる点では効率的なのですが、この扶養控除等申告書は税務署に提出するわけではなく、企業に従業員から提出された時点で、税務署に提出したものとみなし、企業での保管が義務づけられた書類です。その書類にマイナンバーが記入されると、厳重管理が必要な保管義務が課せられた書類となってしまいます。なるべく、マイナンバーが記載され厳重管理しなければならない書類は増やさないという観点からは、別な収集方法を検討したいところです。
上記3つの収集法は紙ベースでの収集となりますので、紛失や漏洩リスクに備えた確実な保管対策が必要です。
コピーを破棄して記録媒体にデータとして残す場合は、転記入力の際の誤入力にも注意しましょう。
コピーを破棄して記録媒体にデータとして残す場合は、転記入力の際の誤入力にも注意しましょう。
郵送で収集する
マイナンバーを郵送で収集する場合は、追跡可能な「簡易書留」を利用する必要があります。
郵送による本人確認の場合、担当者以外の目に触れないよう、通知カードと運転免許証それぞれのコピーを封書で送ってもらう必要があるうえ、簡易書留などの追跡可能な移送手段を取る必要がある
メールでの収集
オンラインによる本人確認も可能で、遠隔地にいる従業員などが本社まで出向かなくてよいが、通知カードや運転免許証をスキャンしたり写真撮影したうえで画像データとして取り込み、ファイルとして添付したメールを担当者まで送ってもらう必要がある。さらに、情報漏えい事故を回避するため、誤って第三者に送った場合でも画像ファイルを開けないよう、パスワードをかけたりするなど安全対策を講じたシステムを導入する必要も生じる。
収集代行サービスを利用する
従業員数が多い企業におすすめの収集方法です。
郵送とWebの両方に対応し、本人確認や収集した書類やデータの破棄・削除まで一括して代行してもらえます。
ただし、外部委託になりますので、監督義務が生じます。
郵送とWebの両方に対応し、本人確認や収集した書類やデータの破棄・削除まで一括して代行してもらえます。
ただし、外部委託になりますので、監督義務が生じます。