マイナンバーの記載を省略する書類

マイナンバーの記載を省略する書類の一覧(案)が、財務省のホームページに掲載されました。関係各所では確認が必要です。どんな場合省略できるのでしょうか。

マイナンバーを記載しなくてよい書類の案が財務省から発表された

平成27年12月24日に、平成28年度税制改正の大綱が閣議決定されました。
この大綱の中で、
①申告等の主たる手続と併せて提出され、又は申告等の後に関連して提出されると考えられる書類、
②税務署長等には提出されない書類であって提出者等の個人番号の記載を要しないこととした場合であっても所得把握の適正化・効率化を損なわないと考えられる書類
については、提出者等の個人番号の記載を要しないこととする見直しを行うこととされております。この見直しにより、具体的に番号の記載を要しないこととする書類(案)については下記のリンクをご覧下さい。

マイナンバーの記載を省略する書類の一覧(案)
※上記の見直しは法令改正が前提となりますが、問い合わせが寄せられていること等を踏まえ、こうした書類の提出準備に資する観点から、対象書類案(未定稿版)をお示しします。

マイナンバーの記載を省略する書類の一覧(案)

マイナンバーの記載を省略する書類の一覧(案)
pdfにまとめられています。
公表された見直し案によると、所得税法関係でマイナンバーの記載を省略する書類として、給与所得者の「保険料控除申告書」や「配偶者特別控除申告書」などを挙げている。

2016年度税制改正大綱では、マイナンバーの記載を不要にする書類を挙げた。このうち国税で不要となるのは、申告などの手続きと併せて提出されたり、申告などの後に関連して提出されたりすると考えられる書類、税務署長らには提出されない書類のうちマイナンバーを記載しなくても所得把握の適正化・効率化を損なわないと考えられる書類としている。

 (40197)
今後は給与所得者の「保険料控除申告書」や「配偶者特別控除申告書」には、マイナンバー記載が不要となる。

平成28年4月1日以後適用分として記載されているもの

【平成28年4月1日以後適用分】
【所得税法関係】
・ 給与所得者の配偶者特別控除申告書
・ 給与所得者の保険料控除申告書
・ 非課税貯蓄申込書
・ 非課税貯蓄相続申込書
・ 非課税貯蓄に関する資格喪失届出書

では、扶養控除等申告書へのマイナンバー記載は必要か?

扶養控除等申告書へのマイナンバー記載欄

扶養控除等申告書へのマイナンバー記載欄

すでに平成27年度の扶養控除等申告書にはマイナンバー記載欄が設けられていて、それを使用した会社もあるが、マイナンバーの不達などで記載しなかった人も多いのでは。

扶養控除等申告書への記載は「必要」です。

給与所得者の扶養控除等申告書には、記載は必要。
会社へのマイナンバー通知は、恐らくこの書類で通知することとなる。
今回記載が省略となったのは、年末調整の際にこの給与所得者の扶養控除等の申告に併せて提出される、「給与所得者の保険料控除申告書兼配偶者特別控除申告書」。
「マイナンバーを記載しなくても所得把握の適正化・効率化を損なわないと考えられる」書類。

2015年の年末調整ではマイナンバーを記載させなかった会社が多い

もし記入した場合には、マイナンバー記載資料として、厳重な管理が必要になります。
記入した場合には、以下のような取扱いになります。

マイナンバーを記入した場合の取り扱い方法
従業員にマイナンバーの利用目的を通知する
従業員の本人確認を実施する
記入された用紙は、鍵のかかるロッカーや引き出しに入れるなど、厳重に管理する
マイナンバーの利用管理簿を作成する
上記の取り扱いは、年末調整に関わらず、マイナンバーの収集において必要となる処理です。

セキュリティ対策が必要なため、年末調整では記載しないよう先延ばしした会社も多かったようです。

もしマイナンバーを従業員に書かせていたら、保管方法などに注意

マイナンバーについて定める番号法は、個人情報保護法の「特別法」としての位置づけとなっています。このため、マイナンバーに関しては番号法の規定が個人情報保護法よりも優先されます。番号法では、個人情報保護法よりも厳しい罰則等が定められています。

最大2070万件の顧客情報が流出したとされるベネッセ個人情報流出事件では、委託先が不正な利益を得る目的で個人情報を第三者へ提供したり盗用した場合においても、個人情報保護法ではその行為を罰する罰則は存在しなかったことから、警視庁では不正競争防止法違反(営業秘密の開示・複製)という罰則での逮捕・起訴となりました。

その反省から、今回の番号法では、個人番号利用事務等に従事する者が、正当な理由なく特定個人情報ファイルを提供した場合、4年以下の懲役または200万円以下の罰金または併科という重い刑罰が科されることになりました。

また、マイナンバーの漏洩などに関し、以前の個人情報保護法とは比べものにならないほどの重い罰則が科せられることになりました。

民間企業は社会保障や税金の手続きを従業員のかわりに行いますので、ここでも必ずマイナンバーを管理する担当者が置かれます。そうした担当者によって情報が洩れた場合には、次の2種類の罰則が規定されています。
正当な理由がなく個人情報ファイルを外部に提供した場合
「4年以下の懲役」または「200万円以下の罰金」またはこれを併科します。
業務上知り得た個人情報を漏えい・盗用した場合
「3年以下の懲役」または「150万円以下の罰金」またはこれを併科します。
中小企業などで、マイナンバー対策が徹底していない会社の、総務、人事などの担当者は、もし年末調整でマイナンバーを徴収していた場合、その取り扱いには十分に注意が必要。
特に小規模な会社まではセキュリティ対策の徹底化が周知されていない現実もあるので、自分の身を守るためにも、会社に対応をお願いしよう。

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