マイナンバー、対応しない企業は番号法違反?

来年一月から始まるマイナンバー制度。企業がこれに対応しないとどうなるのでしょうか?番号法について学んでいきましょう。

マイナンバーって?

「私以外私じゃないの♪」の歌で有名になったマイナンバー。
個人に配布される番号というイメージが強いですが、マイナンバーを強く意識すべきは、個人ではなく中小企業の事業主かもしれません。
 (20040)
マイナンバーは、住民票を有する全ての方に1人1つの番号を付して、社会保障、税、災害対策の分野で効率的に情報を管理し、複数の機関に存在する個人の情報が同一人の情報であることを確認するために活用されるものです。
マイナンバー導入による社会の変化には、以下の三つがあげられます。
1つめは、所得や他の行政サービスの受給状況を把握しやすくなるため、負担を不当に免れることや給付を不正に受けることを防止するとともに、本当に困っている方にきめ細かな支援を行えるようになります。(公平・公正な社会の実現)

2つめは、添付書類の削減など、行政手続が簡素化され、国民の負担が軽減されます。また、行政機関が持っている自分の情報を確認したり、行政機関から様々なサービスのお知らせを受け取ったりできるようになります。(国民の利便性の向上)

3つめは、行政機関や地方公共団体などで、様々な情報の照合、転記、入力などに要している時間や労力が大幅に削減されます。複数の業務の間での連携が進み、作業の重複などの無駄が削減されるようになります。(行政の効率化)

企業はなにをすべきなのか?

 (20041)
マイナンバー制度では、企業は従業員や扶養家族らのマイナンバーを厳格な本人確認とともに取得して、給与所得の源泉徴収や社会保険の被保険者資格取得届などに記載して行政機関に提出する必要がある。
それでは、マイナンバーを集めないとどうなるのでしょうか?
マイナンバーの記載がないことをもって、税務署が書類を受理しないということはない
とありますが、一方でこうも言われています。
個人番号の記載は法律(国税通則法、所得税法など)で定められた義務であると伝えて提供してもらうことを求めている。
国民が社会保障や税に関する手続きをする際の負担の軽減や行政事務の効率化を図るために、マイナンバーの記載は法律で求められている努力義務だとしている。
マイナンバーの記載は国民の努力義務、ということは、マイナンバーを提出しなくても罰則は与えられないのでしょうか?
マイナンバー制度を担当する内閣官房の向井治紀・内閣審議官(写真)は「企業が国税の手続きに必要な体制を取らずに何もしないのは、番号法と税法違反ということで、国税庁から指摘される可能性はある」と話す。
国税の手続き書類にマイナンバーを記載していないということは、住所を間違えて記載していたり、名前のみで住所を書いていない状態と同じらしいです。

企業の事業主が従業員にマイナンバーの提出を求めて、相手がそれに応じなかった時は責任は従業員側にあるらしいです。
ただし、企業の責任としてマイナンバーを集める必要はあるでしょう。
罰則はなくても、税務手続きの不正を疑われて、調査を行われる恐れがあるのです。

では、法人番号とは?

 (20042)
企業が従業員のマイナンバーを、事務手続きなどのために集める必要があることはお話ししました。
以上は「個人番号」の話です。
次は、「法人番号」の話をしましょう。
平成27年10月から、株式会社や有限会社といった設立の登記をした法人などに通知される13桁の番号のことです。法人番号はマイナンバーと違い、誰でも自由に使用することができます。
法人番号は、1国の機関、2地方公共団体、3会社法その他の法令の規定により設立の登記をした法人(設立登記法人)のほか、4設立登記法人以外の法人(設立登記のない法人)又は人格のない社団等であって、法人税・消費税の申告納税義務又は給与等に係る所得税の源泉徴収義務を有することとなる団体に指定されます。

法人番号の使い道

 (20043)
それでは、法人番号にはどのような使い道があるのでしょうか?
ある企業において、取引先である「株式会社A」の情報を各部署で管理しているケースを仮定した場合の利活用事例をご紹介します。

各部署で異なる目的で株式会社Aの情報を保有しており、それぞれ別コードを用いて情報管理を行っているとします。ここで、総務部では旧名称、経理部では部署名付きで、営業部は旧住所でデータ管理しているケースを仮定しますと、「株式会社A」の情報を集約する必要が生じた場合、名称や所在地だけで名寄せするので、手間がかかってしまいます。

各部署が管理している取引先情報に「株式会社A」の法人番号001を追加していいただくと、情報集約の効率化を図ることが可能となります。
法人番号を各部署共通の管理コードとして加えていただくことにより、
1 国税庁から提供させていただく最新の名称・所在地情報を活用して、各部署の保有する取引先情報の名称・所在地情報の更新を行うことが容易になる
2 A社が顧客である場合、取引情報の集約化により、A社のニーズに即したきめ細やかな営業活動等を実施することが可能になる
3A社が調達先である場合、取引情報の集約化により、各部署からA社に対する調達を一本化することでコスト削減が期待できる
いかがでしたでしょうか?
個人番号・法人番号両方の知識を正しく身に着け、法律に違反しないようにうまく活用していきましょう。

あなたにオススメのコンテンツ



シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする