マイナンバー制度と監査の関係

マイナンバー制度が全ての事業者に導入されることになりましたが、監査との関係はどうなってくるのでしょうか?少しだけ調べてみました。

監査のプロがマイナンバーを解説

マイナンバー制度は給与計算や税務と直接関わってきます。それゆえ、監査との関連性も出てくると思われますが、この点について監査のプロはどう感じているのでしょうか?
ここでは監査業務とマイナンバー制度の関係をプロが整理しながら解説してくれます。また、セキュリティのリスクについても考えてくれているので、そちらも合わせてご覧ください。
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2015年10月から付与された税と社会保障の共通番号(マイナンバー)。社会保険や源泉徴収で必要となることから給与計算や税務と直結する制度ですが、監査法人・公認会計士が行う監査との関連もあります。公認会計士協会は、会員に向け、マイナンバーに関する留意事項を策定するなど、監査業務と番号制度の関係を整理しています。
膨らむセキュリティリスク

 「社会保障・税番号(マイナンバー)」は、すべての国民を識別するための12桁の「個人番号」であり、社会保障・税にかかわるあらゆる行政手続きに用いられる情報です。2015年10月から日本の全国民に対する通知が始まり、2016年1月に「マイナンバー制度」の運用がいよいよ始まります。それに伴い、大きく懸念されているのが、法人組織のセキュリティリスクの増大です。  

監査手続の特定個人情報の提供について

公認会計士又や監査法人が監査手続をすることもあるかと思います。そのときに企業は特定個人情報を提供しなかればなりませんが、この場合は提供制限に違反してしまうのでしょうか?政府の回答があるので見てみましょう。
A5-5会社法第436条第2項第1号等に基づき、会計監査人として法定監査を行う場合には、法令等の規定に基づき特定個人情報を取り扱うことが可能と解されます。
一方、金融商品取引法第193条の2に基づく法定監査等及び任意の監査の場合には、個人番号関係事務の一部の委託を受けた者と して番号法第19条第5号により、特定個人情報の提供を受けることが可能と解されます。

これからのシステム監査の必要性

マイナンバー制度が始まったことが、これからのシステム監査にどう影響するのでしょうか?10 年後にはこれらの必要性はより高くなっているかもしれません。
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今月号からの会報の四半期テーマは「システム監査人の未来」です。10 年後、20 年後のシステム監査人がどのようになっているか、想像してみるのも楽しいものです。
金融機関でシステム監査に携わってきた者として、これまでのシステム監査の状況を振り返ってみると、システム監査が本格的に金融機関に導入され始めたのは、2000 年問題対応の頃でした。その当時と比べてみると、シ
ステム監査の必要性の高まり、監査手法の高度化の進展には目を見張るものがあり、わずか 15年で、よくぞここまでといった感があります。マイナンバー制度もスタートし、10 年後、20 年後には、システム監査の必要性は一層高まっていることでしょうし、それに伴って監査手法もさらに高度化しているでしょう。

マイナンバーに対応できる運用監査

特定個人情報を適切に取り扱うことで重要なのは、準備、監査、そして報告です。企業の規程や運用によってマイナンバーの取扱やセキュリティを評価してもらうことはとても大切です。この結果が業務改善につながれば、安全管理措置がより高まり情報が漏れるリスクも低くなると思われます。
番号法に基づいて事業者が特定個人情報の厳正な取扱いを確保するための指針である「特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者編)」(特定個人情報保護委員会)やお客様の規程・運用ルールに従って、マイナンバーの取扱状況、情報セキュリティの側面から、運用状況を評価いたします。監査結果を業務改善につなげることで、マイナンバー取扱い業務の適正化と情報漏えいリスクの低減に寄与いたします。