派遣社員の場合、マイナンバーの管理は派遣会社が管理することとなっています。この派遣社員の活用は、マイナンバー制度の施行によって推進されるかもしれません。
派遣社員とは?
雇用契約は派遣会社と結び、派遣会社と契約を交わしている派遣先で仕事をする就業形態
給料支払や福利厚生などは雇用主である派遣会社が行い、日々の業務についての指示は派遣先企業から直接受ける
社会保険(厚生年金、健康保険)が完備されている
派遣社員⇔派遣会社、契約社員⇔企業で雇用契約を結びます。
派遣社員の契約期間は1ヶ月からに対し、契約社員は6ヶ月・1年と若干長め。この契約を上表の契約上限内で更新していきます。ここで注意したいのは、契約更新時、派遣社員は派遣会社が派遣先と契約更新の交渉や書類手続き等すべてやってくれますが、契約社員は自分で契約更新の有無を確認・契約しなければなりません。
派遣社員のマイナンバーは、派遣会社が管理する
ただでさえ社内で準備不足が問題視されている中で、マイナンバーを管理しなくていい従業員がいるというのは、少し嬉しいことかもしれません。
派遣社員はマイナンバーの取得対象ではありません。派遣社員は派遣元企業と雇用契約を締結しているため、マイナンバーは派遣元企業が取得します。これに対して契約社員は、「雇用契約が有期である」以外は正社員と何ら変わりないため、マイナンバーの取得対象です。
派遣社員は派遣元企業と雇用契約があるため、派遣先企業はマイナンバーの収集は不要です。出向社員は、出向先の企業が集めます。
求人情報サイトを運営するアイルが、9月に人材派遣会社を対象に実施したマイナンバー対応に関するセミナーの参加者にアンケート調査を実施。その結果を取りまとめたもの。101社から回答を得た。マイナンバー制度について準備を進めているか聞いたところ、59%が「対応をどうすべきか検討中」と回答。「まだ具体的に動いていない」とする派遣会社が31%で、「すでに実施済み」は7%だった。
。民間企業は社員のマイナンバー管理が必要だが、中でも人材派遣会社は、社員に加え派遣スタッフのマイナンバー管理も必要となる。マイナンバー制度について準備を進めているか尋ねたところ、「すでに実施済み」(7%)、「対応をどうすべきか検討中」(59%)と、7割近くがなんらかの対策を検討・実施していると回答した。「まだ具体的に動いていない」は31%となっている。
派遣会社はいつのタイミングで派遣社員からマイナンバーを回収すればいいのか?
どのタイミングでマイナンバーを提出してもらい、身元確認まですれば良いのか知っていますか?
人材派遣会社は、派遣登録を行う時点で、登録者の個人番号の提供を求めることはできますか。人材派遣会社に登録したのみでは、雇用されるかどうかは未定で個人番号関係事務の発生が予想されず、いまだ給与の源泉徴収事務等の個人番号関係事務を処理する必要性が認められるとはいえないため、原則として登録者の個人番号の提供を求めることはできません。
ただし、登録時にしか本人確認をした上で個人番号の提供を求める機会がなく、実際に雇用する際の給与支給条件等を決める等、近い将来雇用契約が成立する蓋然性が高いと認められる場合には、雇用契約が成立した場合に準じて、個人番号の提供を求めることができると解されます。(2015年9月回答)
人材派遣会社の場合、登録型派遣では、登録者の派遣先が決まり雇用契約を締結する時点で個人番号の提供を受けることが望ましいのですが、実務を効率よく行うために、給与支給条件等を決めるなどしている場合は、登録時点で個人番号を取得してよいという判断が示されています。
派遣社員の雇用機会は増える?
派遣社員との契約には、派遣会社へ紹介料を支払わなければならないからです。
しかし、社員のマイナンバー管理を派遣社員に任せるといった動きは出てくる可能性も否定できません。
多くの派遣スタッフを抱える人材派遣会社では、マイナンバー対応の負荷を重く受け止めている。マイナンバー制度により「派遣社員を採用する企業が増える」と前向きな意見も一部見られるものの、ごく少数にすぎない。