マイナンバーが地方財政を破錠させ、中小企業を倒産に追い込むって本当?

来年スタートするマイナンバー制度は、いろいろな所に影響を与えているようです。各家庭はもちろん、中小企業や地方自治体にまで大きな影響を与えているそうなので、今回はそのことについての関連記事をアップしてみました。

運営システム導入の際の見積り額が高騰している!

「マイナンバーを管理するには新たな運営システムを構築しなければならないのですが、その導入費が高くて。国からの補助は出ていますが、ITベンダー(システム開発業者)に見積もりを依頼したところ、その額は補助金の2倍! 理由を聞くと『スペックが上がったから仕方がない』の一点張りで、『早く受理しないとエンジニアが確保できなくなる』と契約を急かされて…。泣く泣く、言い値を受け入れざるを得ませんでした」(埼玉県内自治体職員)

一体、どういうわけだろう。あるITセキュリティ会社の社員がこう打ち明ける。

「見積額が高騰しているのは、国の制度設計が非常に曖昧(あいまい)で、いまだにスペックが確定していないから。要は、そこに目をつけたITベンダーが“マイナンバー特需”でひと儲けしようと自治体に吹っかけているんですよ。自治体と取引きのあるITベンダーの社員に聞いたところ、『まず4倍の額を提示して、その後の交渉で2倍にまとめるのが〝定石〟だ』と言っていました」

2倍ならまだマシだが、中には補助金の10倍もの見積額を提示された自治体もあるとか…。マイナンバーがただでさえ厳しい状態にある自治体の財政を追い詰めている!

どの業界でも見積りの際の吹っかけはありますが、補助金の10倍の見積り額はさすがに吹っかけすぎです。
ITベンダーは、今回の制度で間違いなく利益を得られるのですから、そんなに欲張らなくてもいいのではと思うのですが…。
地方自治体は我々の税金で運営されているのですから、あまりいじめないでほしいですね。
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社会保険料未納分の一斉徴収が始まる?

中小零細企業の中には、業績が悪くて保険料を負担することができずに加入していないところもあります。
悪質な場合ですと、単に保険料負担がいやで意図的に加入していない企業もあります。
全国の約250万の事業所のうち約80万事業所で厚生年金の未納があるというのが現状です。

そんな中、政府はマイナンバー制度を活用して、年金分野の詳細な活用方法を定め、負担能力があるのに保険料が未納になっている企業を素早く特定し効果的な督促や強制徴収につなげるという方針を固めました。

社会保険料の時効って確か2年ですから、過去2年分の保険料が徴収されるということなのでしょう。
これは現在経営が苦しい企業には痛いですね。
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どのように倒産に追い込まれるのか?

この記事は、北見昌朗が2015年4月に空想で書いたものです。マイナンバーの導入を控えて、問題を提議するため書いたものであり、あくまでも空想であることを断らせていただきます。

A社は、従業員20人のスーパーだ。戦後の創業以来、もう60年も営業をしてきた。だが、バブル崩壊以後は売れ行きが低迷し、厳しい経営を強いられてきた。社長のBさんが、社会保険を止めたのは5年前だった。社会保険料の負担に耐えきれず滞納を続けた結果、遂に全員の資格喪失届けを出して脱退してしまった。

それ以降も、年金機構は社会保険への加入を求めて指導に来た。だが、B社長は今回の検査もノラリクラリ作戦でやり抜くつもりだった。

調査会場の真ん中には、会計検査院の検査官がいた。その態度は傲然としていた。その横に座っていた年金機構の職員は、へりくだったかのような態度で神妙に座っていた。

検査官は、過去2年分の賃金台帳、出勤簿など関係書類の提示を求めてきた

資料をパラパラとめくっていた検査官は、手を止めた。そしてじっと見つめ、こう言い放った。

「なんだこれ? 数字が違うじゃないか?」

「いいえ、間違っていませんよ。それが当社の賃金台帳です」

横から、年金機構の職員が口を出してきた。
「会計検査院の方は、あらかじめ貴事業所のことを調べています。今はマイナンバーで、すべてわかるのです」

(マイナンバーだって!)

B社長は、心の中でつぶやいた。そして、うつむいた。

背中には脂汗が流れた。

A社に来た社長保険料の請求書は「3600万円」と書かれていた。1年間の人件費が合計で6000万円だった。それに対する社会保険料は1800万円で、それを労使で折半することになる。時効が2年間だから、2年間遡及することになり、結局3600万円になった。

B社長は、その金額を見て思わず卒倒しそうになった。

そこで出した結論は、自己破産の申請だった。

「3600万円なんて払えるわけがない。労使折半と言われても、いまさら従業員に請求もできない。仮に払ったとしても、その後の保険料が払えない」

新聞にA社の自己破産の記事が載ったのは、それから間もなくのことである。

空想の話とはいえ、リアリティーがあって怖いですね。

マイナンバー導入後は社員の人数もはっきりとわかってしまうのでごまかしがかなくなるというところに、マイナンバー制度の影響の大きさを感じさせられます。

確かにごまかしはいけないのですが、「なんとか会社を存続させるためには仕方がなかった」という経営難の企業主の気持ちもわかりますね。

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一方が潤えば、一方が困窮する!

「倒産に直結するような金額ではなくとも、コスト増は従業員の給与アップを妨げるし、社員の士気にも影響します」(株式評論家の倉多慎之助氏)

 マイナンバーの市場規模は1兆円ともいわれる。特需で潤う企業も多いが、一方では「1兆円分の支出」が発生する。その一部を負担しなければならない中小零細企業は体力を奪われるだけだ。

 昨年の倒産件数は24年ぶりに1万件を割り込んだが、来年1月以降は間違いなく“マイナンバー倒産”が急増。景気はますます冷え込むことになる。

嫌なニュースですが、やはり何か対策を練らないといけないところまで来ていると思います。

特に理容室や美容室、クリーニング店など、個人経営でありながら、従業員をそれなりに抱えているビジネスが危惧されているようです。

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法人番号の「通知・公表」開始スケジュールを政府サイトで確認しておきましょう!

国税庁は、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律上、法人番号の付番機関とされており、平成27年10月5日(月)の同法施行を迎え、法人番号の通知、公表等について、具体的なスケジュールを以下のとおり予定していることから、前もってお知らせいたします。
なお、法人番号は広く一般にご利用いただくことを前提としており、10月5日(月)にインターネット上に「国税庁法人番号公表サイト」を開設し、基本3情報(1商号又は名称、2本店又は主たる事務所の所在地及び3法人番号)を順次掲載し、公表します。

1 法人番号指定通知書の発送等
(1) 設立登記法人及び国の機関・地方公共団体
設立登記法人については、10月22日(木)から11月25日(水)の間に、都道府県単位で7回に分けて発送を予定しています。
 また、公表については、通知したものから順次行うこととしており、初回は10月26日(月)を予定しています。

上記は抜粋なので、詳しくは政府サイトURL(記事内via)をクリックしてサイトで確認してください。
通知されてから動くより早めの行動ができて、対策が練りやすいかもしれません。
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