全ての企業で働く従業員に提出が義務付けられたマイナンバーですが、正社員と派遣社員で違いはあるのでしょうか?また従業員に提出を拒否されてしまうかもしれません。
派遣社員の雇用とマイナンバーの取り扱い
派遣社員を会社で雇用している場合、正社員のようにマイナンバーの提出義務はありません。もちろん、年末調整の対象ともなりません。同じように会社で働いてもらっている従業員なのに、この違いはどうして生まれるのでしょうか?ここではその点について分かりやすくまとめてあります。
派遣社員の雇い主はあくまで派遣元会社(派遣事業者)です。つまり、派遣元会社においては他の事業の普通の社員となんら変わりありませんから、年末調整や社会保険手続きを行うためにマイナンバーの収集、管理が必要となります。一方、派遣先の会社ではどうでしょうか?派遣先の会社でもマイナンバーを収集、管理しなければならないのでしょうか?答えは「ノー」です。
派遣先の会社においては、受け入れた派遣社員の方に仕事をしてもらった対価は派遣元に外注費として支払います。派遣社員に対するお給料ではありませんので、年末調整の対象となりません。
派遣会社以外の企業にとってもマイナンバーの対応は大変であることに変わりはなく、敬遠する企業も少なくないのではないのでしょうか。企業にとって派遣社員は派遣会社の所属になるためマイナンバーの管理が必要ありません。そのため派遣社員を大量に利用しようという企業が今後出てくる可能性もあり得ます。
パート・アルバイトはマイナンバーの提出が必要か?
派遣社員がマイナンバーを提出するのは派遣先の会社でした。ではパート・アルバイトの場合はどうなのでしょうか?特に短期のアルバイトを多く雇っている企業にとっては非常に大きな問題かもしれません。
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派遣社員の場合は、派遣元が全ての手続きを行うので、取得する必要はありません。
パート・アルバイト、謝金の支払がある社外の方からもマイナンバーは取得する必要があります。
短期のパート・アルバイト、報酬の支払などは、平成28年1月以降、早期にマイナンバーの取得・記載が必要になるので、注意して下さい。
続いて、小規模な会社がアルバイト社員を雇用する場合を例として、マイナンバーへの対応の流れを簡単に説明したいと思います。アルバイト社員が入社する際に、マイナンバーが記載された書類(扶養控除等申告書など)を取得します。マイナンバーを取得する際には、例えば「源泉徴収票作成事務」に利用するなど、利用目的を入社するアルバイト社員にきちんとお知らせするとともに、本人確認をすることが求められます。
もしも従業員にマイナンバーの提出を拒否されたら?
マイナンバー制度のスタートが決まったとき、報道の多くがその不安点を指摘しました。そのため企業で働く従業員の中から、マイナンバーの提出を拒否する動きが出てきてもおかしくはありません。もちろん、企業には社会保障や源泉徴収などに関して、従業員にかわって行う義務があります。また、これらの目的のために従業員のマイナンバーを取得しなければなりません。ただ、それでも頑なに拒否されたらどうしたらいいのでしょうか?ここではそのときの対応についていくつかまとめてみました。
Q4-6従業員や講演料等の支払先等から個人番号の提供を受けられない場合、どのように対応すればいいですか。
従業員がマイナンバーの提供を拒否した場合、会社はどのような対応をすれば良いのだろうか。内閣官房でマイナンバー法(番号法)の立案作業に携わった水町雅子弁護士に聞いた。●従業員に対して必要な説明とは?
「企業では、まず従業員その他の対象者に十分な説明を行った上で、マイナンバーの提出を求めます。従業員にしてみれば、自分のマイナンバーがどのように使われるのか、安全がきちんと守られるのかがわからず、不安を覚えることも考えられます。
(5)従業員にマイナンバーの提供を拒否された場合
従業員からマイナンバーの提供を拒否された場合は、法令で定められた義務であることを告知し、提供を求めることになりますが、それでも提供を拒否された場合は、書類の提出先の機関の指示に従うことになります