従業員のマイナンバー取得は焦らずに!

いよいよ2016年1月から利用が開始されるマイナンバー制度。従業員のマイナンバー取得はその開始に合わせなくても良いようです。

企業でもマイナンバーを使うの?

 (21481)
民間企業は、従業員の健康保険や厚生年金の加入手続を行ったり、従業員の給料から源泉徴収して税金を納めたりしています。また、証券会社や保険会社等の金融機関でも、利金・配当金・保険金等の税務処理を行っています。

平成28年1月以降(厚生年金、健康保険は平成29年1月以降) は、これらの手続を行うためにマイナンバーが必要となります。そのため、企業や団体にお勤めの方や金融機関とお取引がある方は、勤務先や金融機関にご本人やご家族のマイナンバーを提示する必要があります。

企業でのマイナンバー利用範囲

 (21482)
・雇用保険の資格取得(入社時)
・雇用保険の資格喪失(退職時)
・税務署に提出する支払調書と源泉徴収票(平成29年1月31日まで)
・市町村に提出する給与支払報告書と源泉徴収票(平成29年1月31日まで)
・雇用保険の高年齢雇用継続給付(60歳の時より給料が下がった方)
・雇用保険の育児休業給付(出産による育児休業をする方)
・雇用保険の介護休業給付(介護による休業をする方)

下の3つは、カッコの中に当てはまる方だけです。利用範囲は毎年拡大していく予定ですので、最終的には全員分を集めないといけません。

上記のような場合にマイナンバーが必要になるのは、企業が政府の事務を代行して行っているからです。

企業は政府の事務を代行している

 (21483)
「企業は、『源泉徴収』『社会保険料の個人負担分の代行納付』『雇用保険の個人負担分の代行納付』といった事務を行っています。実はこれらの業務は、政府が個人から直接徴収を行う代わりに企業に納付事務を実施させているのです。これは法律で定められており、企業は政府の事務の実施をすることが義務付けられています。(根拠法:所得税法、厚生年金法、健康保険法、雇用保険徴収法など)」

「これらの事務手続きの際には2016年1月(社会保険は2017年1月から)よりマイナンバーを利用することが求められてきます。そのために企業はマイナンバーを従業員や源泉徴収の対象となる個人取引先などから収集しなくてはなりません。『企業がマイナンバーを扱う』ということは、政府の事務を実施するために扱うことになってくる、ということなのです。法律では、企業を『個人番号関係事務実施者』という言い方をしています」

マイナンバー、いつまでに集めればいいの?

 (21485)
Q.従業員などのマイナンバーはいつまでに取得する必要がありますか。

A.従業員にマイナンバーが通知されて以降、取得は可能ですが、マイナンバーを記載した法定調書などを行政機関などに提出するまでに取得すればよく、平成28年1月のマイナンバーの利用開始にあわせて取得する必要はありません。
例えば、給与所得の源泉徴収票であれば、平成28年1月の給与支払から適用され、中途退職者を除き、平成29年1月末までに提出する源泉徴収票からマイナンバーを記載する必要があります。

違反したら厳しい刑罰が・・・

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マイナンバーを含む個人情報は秘匿性の高い「特定個人情報」とされ、その取り扱いにおいて法令に違反した場合は厳しい刑罰が科せられる。

「マイナンバーを取り扱ううえでの基本ルールは、『他人にむやみに提供してはならない』というものです。もちろん、不正入手は許されません。マイナンバーを取り扱う事務担当者が、マイナンバーが記録された個人情報を不当に他人に提供することも重罪となります」

たとえば、マイナンバーを扱う事務担当者などが、正当な理由なく、特定個人情報ファイル(マイナンバーを含む個人情報)を他人に提供した場合、「4年以下の懲役、または200万円以下の罰金、または併科」とされている。

マイナンバーの収集はできるだけ遅らせる

 (21484)
マイナンバーを集めると、管理しなくてはいけません。管理するには取扱いに関する体制作りや保管のルール作り、マイナンバー管理エリアの設置等、特に小規模の会社には不可能に近い話がたくさん出てきます。

ですから、できるだけ集める時期は遅らせましょう。来年最初に必要になる方は、「来年1月以降に入社する方と退職する方の中で雇用保険に入れる方」です。これはパート・アルバイトの人も該当するので注意しましょう。

早く集めれば集めるほど管理する期間が長くなり、その分リスクも増えるということですね。
ただし、遅らせるといっても後で慌てないよう、計画を立てて収集することが重要です。

収集可能なタイミング

 (21530)
マイナンバーを利用した事務(個人番号関連事務)を行うときにマイナンバーを収集することが、本来的なあり方です。
それでは事務が滞ってしまい、業務に重大な支障が生じかねません。
そこで、契約などによって個人番号関連事務の発生が確実であることが明らかになった時点で、マイナンバーの収集を行うことが可能であるとされています。
従業員のマイナンバーの収集は2016年1月の利用実施に合わせて行う必要はありません。
マイナンバーを記載した法定調書などを行政機関などに提出するまでに収集すれば問題はないので、それまでに管理体制やルールをしっかり整えておきましょう。
漏洩や不正利用など、高いリスクがありますからむやみに集めず、計画をたてて慎重に行いたいですね。

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