マイナンバーに関する書類と保存期間について。

マイナンバーを記載する書類は、2016年からかなり増えると思いますが、それぞれの書類に保存期間が決められているって知ってました?今回はこのことに関する記事を紹介していきます。

属する年の翌年1月11日から7年間の保存期間がある書類

2012年度税制改正において、給与の支払者である会社が給与所得者である従業員から提出を受けた源泉徴収関係の書類について、その提出を受けた申告書は、その提出期限の属する年の翌年1月10日の翌日から7年間保管することとされました(25年中に提出期限がある申告書については26年1月11日から7年間保管)。また、税務署長がその申告書の提出を求めたときは、その給与の支払者はその申告書を税務署長に提出することとなります。

給与の支払者が保管する申告書は、
(1)給与所得者の扶養控除等申告書
提出期限:その年の最初に給与の支払を受ける日の前日(中途就職の場合には、就職後最初の給与の支払を受ける日の前日)
(2)従たる給与についての扶養控除等申告書
提出期限:要件に該当し、従たる給与から配偶者控除や扶養控除を受けようとする場合
(3)給与所得者の保険料控除及び配偶者特別控除申告書
提出期限:その年最後に給与等の支払を受ける日の前日
(4)退職所得の受給に関する申告書
提出期限:退職手当等の支払を受ける時
(5)公的年金等の受給者の扶養親族等申告書
提出期限:その年最初に公的年金等の支払を受ける日の前日
(6)給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書
提出期限:その年最後に給与等の支払を受ける日の前日
である。
来年(25年)1月1日以後に提出すべき申告書に適用されます。

保管7年って結構長いですね。

うっかり保管していることを忘れた!なんてことのないように!

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マイナンバーは退職しても7年間会社に残るって本当?

さて、勤務先との関係では、まだ問題がある。
法律を読んでいるだけでは、必ずしもそうなるとは納得しがたいのであるが、
従業員が勤務先に提供した特定個人識別番号を、勤務先は、在籍中はむろんのこと、退職後も、少なくとも7年間、保存する義務があるとするのが、定説になっているように見受けられる。
こんなことは、法律のどこにも書いていないはずである。
特定個人情報保護委員会が作成した「特定個人情報の適正な取扱に関するガイドライン」が、源泉徴収票作成事務のために、勤務先が継続的に特定個人情報を保管することができると解されるとした上で、
「所管法令で定められている保存期間を経過した場合には原則として、個人番号をできるだけ速やかに廃棄又は削除しなければならない」としていることから、これまで源泉徴収票の保管義務と考えられてきた7年間をそのままスライドさせたもののようだ。

この説の怪しさはともかく、企業法務に関わる税理士や弁護士などがこぞって、退職後7年間勤務先は保存すべしの説を流布して定説化しているので、恐るべき結論に至ってしまう。

源泉徴収票の保管義務7年間を、一部書類に流用していたのですね。

法律上定められていないなら、社員退職後に企業はその人のマイナンバーを保管しなくてもいいのでしょうか?

膨大な書類を、少しでも減らした方がいいと思うのですが…。

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政府サイトではこう言っています。

保管制限と廃棄
 保管制限
 「個人番号は、番号法で限定的に明記された事務を処理するために収集又は保管さ れるものであるから、それらの事務を行う必要がある場合に限り特定個人情報を保 管し続けることができる。」(GL31頁)
 書類の廃棄
 「扶養控除等申告書は、所得税法施行規則第76条の3により、当該申告書の提出期
限(毎年最初に給与等の支払を受ける日の前日まで)の属する年の翌年1月10日の 翌日から7年を経過する日まで保存することとなっていることから、当該期間を経 過した場合には、当該申告書に記載された個人番号を保管しておく必要はなく、原 則として、個人番号が記載された扶養控除等申告書をできるだけ速やかに廃棄しな ければならない。
」(GL31頁)
 データの廃棄・削除
 「給与所得の源泉徴収票、支払調書等の作成事務のために提供を受けた特定個人情 報を電磁的記録として保存している場合においても、その事務に用いる必要がな く、所管法令で定められている保存期間を経過した場合には、原則として、個人番 号をできるだけ速やかに廃棄又は削除しなければならない。」(GL31~32頁)
あれれ、所得税法では7年保存するようにとなっているみたいです。

その後は廃棄することも決められているので、これは素直に従った方がいいですね。

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その他の書類の保管期間

退職日から4年間
雇用保険資格取得確認通知書
雇用保険被保険者離職証明書
退職日から3年間
労災保険に関する書類
退職日等から2年間
健康保険・厚生年金保険 資格取得確認通知書
健康保険・厚生年金保険 資格喪失確認通知書
ちなみにマイナンバー部分を削除しさえすれば、ただの個人情報としての保管はOKであるとのこと。
ともかくややこしいという印象が残るマイナンバー制度です。
企業のマイナンバー管理者及び担当者の方は、逐一確認しながら書類を保管&廃棄していってください。
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まとめ

従来は保存期間が過ぎていてもとりあえず保管、という形でも問題が無かったのですが、今後は書類ごとの保存期間も考慮する必要が出てくることにご注意ください(マイナンバー記載箇所を復元できないようにマスキングまたは削除した上で、当該書類の保管を続けるという方法もあります)。
なお、雇用保険関係の書類においては、届出を行った後の返戻書類にはマイナンバーが記載されないことが告知されていますので、提出前の書類の写しを取って保管するという場合を除いては従来通りの取扱いで問題ありません。

この辺りの保存期間も各法律でもう少し統一してもらえれば……と思わずにはいられませんね。

確かに保存期間がまちまちでは、混乱を招く恐れがあります。

諸事情があると思いますが、「マイナンバー関連書類は〜年」という形で決めてくれれば、子供でも覚えてくれるはずです。

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