企業と従業員のマイナンバーにまつわるトラブル事例!個人情報保護委員会が対応方法を公表!

いよいよ本格的に始まったマイナンバー制度ですが、早速様々な分野でトラブルが起きているようです。個人情報保護委員会がトラブルの事例と対応方法についてまとめています。その中には企業と従業員にまつわるものもあるのでチェックしておきましょう。

マイナンバーの提供拒否と委託についてのトラブル事例

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個人情報保護委員会は2016年3月24日、マイナンバー(個人番号)の取得や保管の場面で起こりそうなトラブル事例を公表した。「マイナンバーの提供がなければ解雇すると言われた」といった事例や、「マイナンバーの安全管理措置について勤務先の委託業者に問い合わせたが、答えられないと言われた」といった事例を取り上げている。

マイナンバーを提出拒否すれば解雇される!?

従業員に提出義務はない!

また「マイナンバーの提供が断られてしまったら」でも解説していますが、従業員等は会社に対して、マイナンバーを提供する義務を負うものではありません。
(もちろん、社内規則などで義務を課される可能性はあります)

勤務先から提出拒否の不利益を匂わされたら?労働問題の窓口に相談しよう!

✓ マイナンバー(個人番号)の取扱いに関しては、勤務先は給与を支払った従業員等のマイナンバー(個人番号)を記載した源泉徴収票を作成し、税務署に提出するよう税法上定められているため、従業員等にマイナンバー(個人番号)の提供を求めているものです。
✓ 勤務先から解雇を匂わせる発言があったことについては、労使関係上の問題と思われますので、労働問題の相談窓口にご相談下さい。
個人情報保護委員会は勤務先から提出拒否の不利益を匂わされた場合、労働問題の窓口へと相談することを推奨しています。企業側としては余計なトラブルを避けるために適切な対処をする必要があります。

従業員に提供が義務であることを伝え、経過を記録しよう!

Q2‐10 従業員や講演料等の支払先等から個人番号の提供を受けられない場合、どのように対応すればいいですか。

(答)

法定調書作成などに際し、個人番号の提供を受けられない場合でも、安易に個人番号を記載しないで書類を提出せず、個人番号の記載は、法律(国税通則法、所得税法等)で定められた義務であることを伝え、提供を求めてください。

それでもなお、提供を受けられない場合は、提供を求めた経過等を記録、保存するなどし、単なる義務違反でないことを明確にしておいてください。

経過等の記録がなければ、個人番号の提供を受けていないのか、あるいは提供を受けたのに紛失したのかが判別できません。特定個人情報保護の観点からも、経過等の記録をお願いします。

なお、法定調書などの記載対象となっている方全てが個人番号をお持ちとは限らず、そのような場合は個人番号を記載することはできませんので、個人番号の記載がないことをもって、税務署が書類を受理しないということはありません。

国税局のホームページにおいても個人番号がないというだけで書類の受理を拒否することはないと書かれているので、従業員に再三説明しても提供拒否されたという場合は経過を記録して税務署に提出できるようにしましょう。

勤務先に安全管理について問い合わせたら委託先に聞けと言われる!

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企業はマイナンバー委託先の監督もしなければならない!

マイナンバーを取り扱う業務の全部又は一部を委託することは可能です。また、委託を受けた者は、委託を行った者の許諾を受けた場合に限り、その業務の全部又は一部を再委託することができます。
 委託や再委託を行った場合は、個人情報の安全管理が図られるように、委託や再委託を受けた者に対する必要かつ適切な監督を行わなければなりません。委託や再委託を受けた者には、委託を行った者と同様にマイナンバーを適切に取り扱う義務が生じます。(2014年6月回答)

具体的な監督方法は?

委託者は、委託先において、番号法で求められている安全管理措置が講じられているかを監督する義務があります。本ガイドラインの安全管理措置特有なものとしては、主に、「個人番号を取り扱う事務の範囲の明確化」、「特定個人情報等の範囲の明確化」、「事務取扱担当者の明確化」、「個人番号の削除、機器及び電子媒体等の廃棄」が挙げられます。
国内外を問わず、委託先において、個人番号が漏えい等しないように、必要かつ適切な安全管理措置が講じられる必要があります。なお、必要かつ適切な監督には、本ガイドラインのとおり、(1)委託先の適切な選定(具体的な確認事項:委託先の設備、技術水準、従業者に対する監督・教育の状況、その他委託先の経営環境等)、(2)委託先に安全管理措置を遵守させるために必要な契約の締結、(3)委託先における特定個人情報の取扱状況の把握が含まれます。
このようにマイナンバーに関する事務を委託する場合でも事業者は委託先の適切な監督をしなければならないので、従業員から安全管理措置に関して問い合わせがあればきちんと答えられるようにしなければいけません。

クラウド上で保管しているためマイナンバーが漏洩しても責任が取れないと言われた!

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やはり事業者は委託先の監督をきちんとしなければいけません!

✓ 事業者は、番号法第12条に規定される「個人番号の漏えい、滅失又は毀 損の防止その他の個人番号の適切な管理のために必要な措置」(安全管理措 置)を講じる必要があります。
✓ 特定個人情報の取扱いに関し、クラウドサービス契約のような外部の事業者を活用する場合には、クラウドサービス業者が契約内容を履行するに当たってマイナンバー(個人番号)をその内容に含む電子データを取り扱うかどうかによって委託に該当するかどうか判断されます。委託に該当する場合には、委託先であるクラウドサービス業者は安全管理措置を講ずる必要があり、委託元である事業者は番号法第11条に規定される「必要かつ適切な監督」を委託先に行うことも、併せて必要になります。
マイナンバー制度で企業は特定個人情報を厳格に管理しなければならず、たとえクラウド上の管理でも委託先で起きる情報漏洩にも責任を持たなければいけません。特定個人情報は従業員にとってプライバシーの観点から非常に重要なものなので細心の注意を持って取り扱うようにしましょう。

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